ぷーこの家電日記

第539回

遅めの夏休み。一人帰省で無計画充実の旅

毎年8月に取っていた夏季休暇を、今年は初めて9月の末に取得した。夫と同郷の福岡出身の私は、いつも夫の休みのお盆のタイミングで夏季休暇を取得して、夫と共に帰省していた。でも、お盆期間は「暑い」「高い」「人多い」という、帰省の楽しみと同じくらいの憂鬱も感じていたし、同郷とはいえ、お互いの実家へは電車とバスを乗り継いで1時間半程かかるので、1週間程度休みがあっても、初日移動、2~3泊して移動、2~3泊して移動。という感じで、あまりゆっくりできなかった。お互いの実家で過ごすこと自体は楽しくストレスではなかったのがせめてもの救いというか、それはそれで楽しい夏休みではあったのだけど。

今年の5月に地元で同窓会があるという夫に「一緒のタイミングで帰ろうかな」と初日だけ共に過ごし、翌日私は実家に1人で帰った。結婚して10年、初めて1人で実家に帰って過ごす数日間はなんとも快適で、伸び伸びできてとても楽しかった。夫と共に帰ることがストレスなわけではないのだけれど、ただの親子でただの自分の実家というのは、なんとも気楽でなんとも贅沢だったのだ。

それに味を占めてしまった私、「今年の夏休みはずらして取ろうかなぁ」と言うと、夫も「いいじゃん!」と快諾。そして週末などを使って帰省することもできるので、夫も帰省ラッシュと重なる夏季休暇は帰らず、車に自転車を積んで自由で無計画な一人旅を満喫していた。そして暑さが少し和らぐであろう9月末に私は夏休みを取って帰省したのである。

繁忙期を避けてLCCで移動すると、空港までの移動込みで1万円かからない。繁忙期の半額以下で行き来できるので、同じ金額出せば2回帰省することだってできてしまうのだ。そして真夏の1番暑い時も人混みも避けられて最高だった。

事前に調べてみたら、帰省している期間に、ちょうどPayPayドームでソフトバンクホークスの試合も開催されている! 「一緒に野球行く?」と両親に聞くと「いいねー!」と喜んで大賛成だったので、両親もお気に入りの、ゆったり見れてなおかつ美味しいブッフェ付きの席のチケットを3枚取った。

1人帰省なので航空チケットと野球のチケットを取る以外は直前までほぼ無計画。帰った日に野球観戦をする予定にしていたので、両親とは夕方前に博多駅で待ち合わせることにしていた。朝早く家を出て、昼前に到着するのでそれまでの4時間程度をどう過ごすか考えながら移動。

ランチにはラーメンを食べたい気分になっていたけれど、何せお店を知らない。下調べでもしておくんだったなぁと思いながら、「天神辺りで美味しいラーメン屋さん行きたい」とSNSに投稿すると、1番反応してほしかった福岡在住の友人が即4軒オススメのお店を教えてくれた。

たまにしか食べられないので店選びに絶対失敗したくない。そして先進的な今時のラーメンよりも、トラディショナルでベーシックな豚骨ラーメンが食べたかったので、4軒の候補から迷わずこれだというお店に決定! 飛行機降りてまっすぐにお店に向かった。

12時過ぎの丁度お昼時。お店には数人並んでいたけれど、回転の早いラーメン屋さんなので結構すぐに入れた。熱望していたラーメンを思い切り吸い込んで豚骨注入! 無計画ながら良い滑り出しである。

残りの数時間をどこで過ごそうかと思ったけれど、夕方からの球場でのブッフェのためにお腹を空かせておかねば! と思い、ウォーキング兼ねて天神の観光地的なスポットを巡ってみた。これもまだ暑いとはいえ9月末という時期だからこそできた。

観光なんてしたことがなかったので、結構新鮮で面白い。「懐かしいなぁ」と思う場所もあれば、「こんなところあったんだ?!」と思う場所に、「様変わりしたなー!」と驚く場所も。1人だからこそできる気が向くままの観光旅行。途中疲れたのでレトロなカフェでお茶をしたり、オンラインでは知っていたけれど行ったことのなかった実店舗を偶然見つけてつい買い物したり、4時間あれば結構色々なところを回れるんだなぁと、とても充実していた。

夫婦で帰省するのもいいけれど、やっぱり1人帰省は最高! 2人一緒に顔を見せてあげたい気持ちもあるけれど、それならばむしろ両親を東京に旅行で呼んだらいいかもという結論に達したし、2人同時に帰省するなら、週末+休み1日くらいでどちらかの実家だけに帰ることを2回すると、繁忙期に帰省するよりも安く、移動する時間のロスもなく、充実して過ごせるかもしれないということにも気づいた。

野球観戦もして、観光もして、ラーメンもうどんも食べて、お墓参りも行って、美味しいお魚とお酒、そして母の手料理も存分に味わい、昼寝付きでゆっくりして、全然バタバタしないのに、行きたいところやりたいことを存分に詰め込んだ今回の帰省の旅。

めちゃくちゃ楽しかったけれど、お互いの年齢のことを考えると、この先ずっと続く楽しみではないことが現実的に見えてきて泣きそうだし、ちょっと泣いた。楽しくてちょっぴりセンチメンタルな旅、次回を楽しみにまたしっかり頑張ろうと元気の充電も満タンにして帰ってきたのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。