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[二十四節気19]寒さ厳しい「大寒」、卵で健康運と金運を呼び込もう
2018年 1月 20日 06:30
1年間を24の季節に分けた「二十四節気」で、「小寒」の次は24番目の節気「大寒(だいかん)」です。今回は、大寒の由来やお正月の区切り「二十日正月」などをご紹介します。昔の習わしや言い伝えを知ると、厳しい寒さのなかでも、自然の恵みを上手に取り入れてきた先人の知恵がうかがえます。
24番目の節気「大寒」は、1年で最も寒さが厳しい時季
大寒(だいかん)は、立春から始まる「二十四節気」で24番目にやってくる最後の節気です。1年で最も寒さが厳しく「大寒の朝の水は腐りにくい」という言葉もあるほど。これは、生活水として使っていた井戸水の水温が大寒の時期に1番低いため、細菌が繁殖しにくくなると考えられたからのようです。寒さの厳しさがピークとなる一方、山ではフキノトウがツボミを付け始め、春の訪れを感じ始める時季でもあります。2018年の大寒は、1月20日から立春の前日、節分の日まで続きます。
「二十日正月」は、正月料理を食べ尽くして祝い納める日
2018年の大寒が始まる1月20日は、「二十日正月(はつかしょうがつ)」と言って、正月の祝い納めをする日本独自の行事の日でもあります。かつては、食べるものを制限し、日常生活を控えて身の穢れを抑える「物忌み」の日とされていました。江戸時代の初期までは鏡開きも同じ日に行なわれていましたが、3代将軍家光の月命日が20日に重なって忌日となったのち、商人が仕事始めとして行なう「蔵開き」と同じ11日へ変更されました。二十日正月は、正月料理のブリの骨や頭を酒粕・野菜・大豆などと一緒に煮て食べることから「骨正月」や「頭正月」とも呼ばれ、この日で正月が終る節目の日とする地域が多いようです。
「大寒」最終日は「節分」、厄除け行事で新しい春を迎える
大寒の最終日は「節分」です。節分は雑節のひとつで、四季が始まる「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日にあたり、本来は年に4回あります。しかし、江戸時代以降は、特に1年の始まりでもあるため、節分と言うと立春の前日を指すことが多くなりました。節分には各地で厄払いの行事が行なわれますが、これは古くから季節の変わり目には鬼が出ると考えられてきたことに由来します。今でも鬼を追い払う「豆まき」を行ないますが、このルーツは平安時代に中国から伝わった追儺(ついな)という鬼払いの儀式で、室町時代になってから炒った豆を投げて鬼を追い払うスタイルになったと言われています。
大寒に産まれた卵を食べると、健康運や金運がアップ!
この時季の言い伝えに、大寒の初日(2018年なら1月20日)に産まれた卵を食べると健康になるというものがあります。養鶏もなく平飼いで鶏を育てていた時代、寒さが厳しい大寒の時期は、鶏の産む卵も数は少なく貴重な食材でした。また寒さのため、鶏が水分をあまり摂らないことから、栄養がぎゅっと詰まった卵が産まれると考えられてきました。希少価値があり栄養価も高いということから転じて、大寒に産まれた卵は、健康運や金運を呼ぶ縁起物とされているのです。
大寒の次は、寒さのなかにも春を感じる「立春」
寒さはまだしばらく続きますが、大寒が終わると暦のうえでは新しい年を迎え、二十四節気の1番目の節気「立春」がやってきます。次回は、「立春」の由来や立春にいただく美味しいもの、この時季の「春」にまつわるトリビアをご紹介します。お楽しみに!