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【二十四節気13】秋の山が色付き、霜が降り始める「霜降」
2017年 10月 23日 06:30
1年間を24の季節に分けた「二十四節気」で、「寒露」の次は霜が降り始める「霜降(そうこう)」です。今回は、この時季に降る雨や、冬の訪れを知らせる木枯らしのトリビアなど、秋の自然を楽しむ話題をご紹介します。日に日に深まる秋を体いっぱい感じながら、間もなくやって来る冬への準備も始めていきましょう。
初霜が降り、紅葉がきれいな季節「霜降」
「霜降」とは、霜が降りるという文字通り、初霜が降りる時季にあたります。秋が深まるにつれ、朝晩は冷え込み、日もだんだん短くなっていきます。山では楓(かえで)や蔦(つた)が色鮮やかな赤や黄色に変わり、紅葉シーズンを迎えます。また、この時季に吹く寒い北風を「木枯らし」と言い、その年に初めて吹いた木枯らしは「木枯らし1号」と呼ばれます。ちなみに「木枯らし1号」の観測と発表は、強い要望のある東京(気象庁)と近畿(大阪管区気象台)の2カ所のみなのだそう。ニュースなどで聞いたことがある人もいれば、地方によっては馴染みのない人もいるのです。2017年の霜降は、10月23日から11月6日まで続きます。
サッと降って止む秋の雨「時雨」
日本語には、春雨(はるさめ)、五月雨(さみだれ)、梅雨(つゆ)、秋雨(あきさめ)、氷雨(ひさめ)といった、四季折々の雨を表す言葉がたくさんありますね。この時季の、一時的にサッと降って止む冷たい小雨は「時雨(しぐれ)」と呼びます。時雨と言うと、ショウガを効かせたハマグリやアサリ、牛肉などの佃煮「時雨煮」がありますが、これは時雨が降る様子が名前の由来とも言われています。たまり醤油に浸けて短時間で仕上げる点が、サッと降って止む時雨と似ていることから名付けられたそうですよ。
十五夜の次に来る「お月見」は「十三夜(じゅうさんや)」
時雨が上がって空気が澄み渡ると、夜空に浮かぶ月が一段ときれいに見えますね。十五夜(中秋の名月)から約1カ月後の満月には、「十三夜(じゅうさんや)」と呼ばれるお月見の習わしがあります。十五夜あとのお月見なので「後(のち)の月」と呼ばれたり、十五夜と合わせて「二夜(ふたよ)の月」と呼ぶこともあります。十五夜のお月見が中国から伝わったのに対し、十三夜は日本で生まれました。十三夜は、江戸時代の花街では十五夜と同じ庭で見るものとされ、片方しか見ないのは「片見月」と言って、無粋とされていたようです。十三夜の月見には、ちょうど食べごろを迎える大豆(枝豆)や旬の栗をお供えすることから、「栗名月」「豆名月」とも。2017年は11月1日が十三夜に当たります。
早めにスタート!栗とショウガで“食べる冬支度”
霜降の時季は、朝晩が冷え込んで1日の寒暖差が大きくなるのに加え、日中の気温も大きく変動して体調を崩しやすくなります。時雨煮にも使われているショウガは、冷え性の人にはお馴染みで体を温める食べ物としてよく知られていますね。また、十三夜の月見にもお供えする「栗(クリ)」にも、外気で冷えた体を温める効果があるとされています。美味しい秋の味覚で体の冷えを防ぎ、“食べる冬支度”も始めましょう。
霜降の次は、晩秋のなかに冬の気配を感じる「立冬」
色とりどりの紅葉に霜が降り始め、晩秋の冷え込みに冬の気配を感じるようになるのが次の節気「立冬」です。地方によって初雪も見られるようになります。次回は、「立冬」に旬を迎える食べ物と、このころ始めておきたい身の回りの冬支度についてご紹介します。お楽しみに!