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知ってるようで意外と知らない?「針の号数」と「使い分け」豆知識
2017年 9月 26日 07:30
何気なく手にしている手芸・裁縫用の「針」には、いろいろな種類がありますが、自分がどんなものを使っているかすぐに言えますか?今回は、ミシン用・手縫い用「針」の種類と、適した用途について解説します。実は、針の太さや長さが、作品の出来上がりに大きく影響することがあるんですよ。家庭科の授業で使っていた針や、ミシンに付いていた針をそのまま使い続けている人は、ちょっと確認してみてください。
「ミシン針」の太さは「号数」で表す
ミシン針は、太さによって「号数」が付けられています。家庭用では、9号から14号が多く使われます。数字が小さいほど細く、大きくなるほど太くなります。ミシンを買うと、あらかじめ針がセットしてあることがありますね。多くの場合は「11号」が付いていると思います。11号は普通くらいの厚さの布を縫うのに適しており、幅広い作品に使える針です。
基本的には、薄地の布には細い針、厚地の布には太い針が適しています。薄い布を太い針で縫うと布に穴が開いたり、布が針に負けて引きつれたりします。また、厚い布を細い針で縫うと針が折れたり曲がったりしてしまいますので、注意しましょう。
「ミシン針」の号数別、適した用途
9号は、ジョーゼットやローンなどの薄地を縫うのに適しています。糸は60~90番手が適しています。ダブルガーゼのように目の粗い生地を縫うときも、9号針を使うと布が引きつれずに美しく縫えますよ。
11号は、ブロードやツイルなど、普通地を縫うのに適しています。糸は60~90番手が適しています。
14号は、ツイードやコーデュロイなどの厚地を縫うのにピッタリです。糸は30~60番手がいいでしょう。
写真にはありませんが、厚手デニム地に30番手の太い糸でステッチを縫うときなどは16号の針が向いています。
また、伸縮性のあるニット地を縫うときは、専用の針を使うといいですよ。針の先が丸くなっているので、編地になっている布に穴を開けることなく、きれいに縫えます。
「手縫い針」の種類と太さを表す単位
手縫い用針には、昔から日本で和裁に使われてきた「和針」と、アメリカから渡ってきた「メリケン針」があり、太さや長さを表す単位が異なります。
和針は「三ノ五」「四ノ三」などと表します。最初の数字で太さを表し、数字が大きいほど細くなります。あとの数字は長さを表し、数字が大きいほど長くなります。「三ノ五」は「四ノ三」よりも太くて長いことになりますね。
メリケン針は「No.」や「番」「号」などで表し、数字が大きい方が細くなります。
和針とメリケン針の違いは、ウールなど織の密度が粗い布を縫うメリケン針よりも、絹や木綿など密度が高い布を縫う和針のほうが、布に対して針通りがよく、また運針しやすいように作られていると言われていますが、自分の使いやすいものを選ぶといいでしょう。
「手縫い針」の長さ・太さ別、適した用途
基本的には、粗く縫うときは長い針、細かく縫うときは短い針、厚地を縫うときは太い針、薄地を縫うときは細い針を使います。
ボタン付けなど太い糸を使ってしっかり付けたい場合は、太くて長い針(写真左)、針目が目立たないように細い糸で細かくまつり付ける場合は、細くて短い針が適しています(写真右)。
まとめ
手芸や裁縫をするときに、布や糸には気を遣っても、針は意外に気にしないで縫う人が多いと思います。私も、最初は手持ちの針で適当に縫っていました。でもあるとき、薄地の布のスカートをミシンで縫ったら、糸の色はピッタリなのに、何だかミシン目が目立つ気がして、細い針に変えてみたところ、きれいな仕上がりになりました。縫い上がりが気になったり、縫いにくいなと思ったら、布地の厚さと、針、糸の太さや長さのバランスを確認してみるといいですよ。そのときは必ず、同じ布の端切れで試し縫いをしてくださいね。