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30代妻の不満は増加傾向「夫婦関係の満足度」、原因は家事や子育て負担
2017年 7月 25日 07:00
あなたは、現在の夫婦関係に十分満足していますか?今回は、結婚経験のある20~60代の男女2000人に聞いた「夫婦関係の満足度」「家事分担比率」「子育て分担比率」などの調査結果を紹介します。小学生以下の子どもがいる夫婦では、妻のほうが不満を募らせている割合が高く、どうやら複数の原因が関係しているようです。qufour世代は、この結果に思わずうなずいてしまう人も多いはずですよ。
「夫婦関係に満足」は6割、2015年から1.9ポイント減
リクルートマーケティングパートナーズが運営するリクルートブライダル総研が、「既婚者かつ本人初婚」で20~60代の全国の男女2000人と、「離婚経験のある独身者(結婚経験1回)」の915人を対象に「夫婦関係調査2017」を行ないました。この調査で、既婚者へ「夫婦関係の満足状況」を尋ねたところ、「夫婦関係に満足している」と回答した人は全体で67.2%となりました。この結果は、2015年の調査結果(69.2%)と比べると1.9ポイント減少し、また年代別に分けて見ると、20~40代の「満足している」割合が減少していることが分かりました。
夫と妻で「満足度」に差、30代妻は13.9ポイントも減少
前の結果を夫と妻で分けて見ると、「夫婦関係に満足している」と回答した割合は、夫全体が69.9%で2015年の結果と比べて0.3ポイント増加した一方、妻全体は64.8%と2015年から4ポイント減少する結果となりました。特に減少したのは30代の妻で、「満足している」人の割合は62.8%となり、2015年(76.6%)から13.9ポイントも減少しています。
「小学生以下の子どもがいる」夫婦の満足度は減少傾向
さらに、「小学生以下の子どもの有無」で「夫婦の満足状況」に違いが出るか分析したところ、2015年の結果と比べて「満足している」割合が増えたのは「小学生以下の子どもがいない夫」のみという結果に。そして満足度が最も減少したのは、「小学生以下の子どもがいる妻」で71.8%から63%へと8.7ポイントも減少していました。
家事分担の理想と現実、男女のギャップに大きな差異
次に「夫婦の家事分担比率」について、理想と現実のギャップを聞くと、「小学生以下の子どもがいる妻」は理想の負担比率66.5%に対して、現実の負担率は84.6%と回答し、ギャップは18%となりました。同じく「小学生以下の子どもがいない妻」の理想と現実のギャップは14.4%で、小学生以下の子どもがいる妻よりも縮まっていました。一方、「小学生以下の子どもがいる夫」の理想の負担率は28.5%で現実は21.7%、家事負担できていない自覚している夫が多いことが分りましたが、そのギャップは6.8%しかなく妻のギャップと大きな差が生じました。この結果は「小学生以下の子どもがいない夫」でも同様で、理想と現実のギャップは5.6%に留まります。妻は負担増のギャップを大きく感じているものの、夫は負担できてないキャップを妻ほど感じていないということが分ります。
子育て分担比率の理想と現実、子どもの年齢の影響は少なめ
続いて、「子育ての分担比率」について尋ねた結果を理想と現実の差で見ると、「小学生以下の子どもがいる妻」は子育ての77.7%を負担、「小学生以下の子どもがいない妻」は72.8%を負担していると感じていることが分かりました。また、子育て分担比率の理想と現実のギャップは、「小学生以下の子どもがいる妻」が16.4ポイントなのに対し、「いない妻」は16.0ポイントとなり、家事分担比率で見られた子どもの年齢によるギャップの違いは生じませんでした。
家庭に対する思いや意識、夫婦のバランスは取れている?
また、「家庭に対する思いや意識は、夫婦でバランスが取れていると思うか」を尋ねると、夫も妻も「小学生以下の子どもがいない」人よりも、「いる人」の方が「夫婦でバランスが取れている」という割合が低く、2015年の調査結果と比べても減少していることが分かりました。特に、「バランスが取れている」と回答した「小学生以下の子どもがいる妻」がと回答したのは57%で、2015年の62.4%よりも5.4ポイント減少しました。
小学生以下の子どもがいる妻の「時間的ゆとり」が減少
普段の生活での「時間的」「精神的」なゆとりについて、仕事や家事、学業以外に、「好きなことをしたり、休んだりする時間的ゆとりがあるか」を聞いたところ、「ゆとりがある」と回答した人が最も少なかったのは「小学生以下の子どもがいる妻」で、32.7%となりました。2015年の同じ調査では46%となっており、13.3ポイントも減少しています。手の掛かる小学生以下の子どもがいる妻は、時間的なゆとりが少ない状況にあることが分かります。
「小学生以下の子どもがいる妻」は、精神的ゆとりも大幅減少
前に関連して「普段の生活において、精神的なゆとりがあるか」を聞くと、またも「小学生以下の子どもがいる妻」の割合が34.8%で最も少なく2015年の結果と比べても5.9ポイント減少。「小学生以下の子どもがいる妻」は、時間的なゆとりだけでなく、精神的なゆとりも減っていることが分かりました。
「家事の負担が増える」と感じる20~30代の夫は意識高め
最後に、結婚後の変化について「(一般的に)家事の負担が増える」と回答した割合は、夫が全体で39.1%だったのに対し、妻全体は70.4%となりました。夫はどの年代を見ても「家事の負担が増える」と回答する人が前回調査よりも増えていて、特に20~30代の夫でその傾向が強いことから、結婚後の家事分担について意識が高まっていることがうかがえます。
夫婦関係を今より良くするには
調査結果では、qufour世代の30代女性に理想と現実のギャップを感じる割合が多いことが分かりました。この世代は共働きの夫婦が多く、仕事と家事の両立を頑張ろうとして妻が負担を感じることが多いのかもしれません。とはいえ、20~30代の夫も「家事の負担が増えている」と感じている割合は以前より高いことから、家事分担への意識が高いことも明らかになりました。夫婦でお互いの状況を話し合って、片方へ負荷が偏らないようバランスを取れると、夫婦関係は今よりもっと良くなりそうですね。
◇ブライダル総研「夫婦関係調査2017」(リクルートマーケティングパートナーズ)
http://www.recruit-mp.co.jp/news/release/2017/0719_3244.html