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103万円の壁が150万円に上がったら?パートで働く女性400人の本音

配偶者控除や社会保険の「改革」議論は、qufour世代には気になるテーマ。今回は、パート女性400人へ「社会保険」「配偶者控除」の見直しによる、働き方への影響を聞いた調査結果をご紹介します。今より収入を増やしやすいのは嬉しい一方、現状維持を希望する人の本音が垣間見える結果となりました。

 

パートで働く女性、約7割が「今の仕事に満足している」

シンクタンクのリビングくらしHOW研究所が、パートで働く女性423人を対象に行なった「働く女性Real Vol.1『“パート”のいまとこれから』調査レポート」で、今の仕事の内容・待遇への満足度を尋ねたところ、12.1%が「とても満足」、56.0%が「まあ満足」と回答。約7割の女性が満足していることが分かりました。

 

ここ1~2年で「時給・待遇が上がった」人は2割

問)ここ1・2年で時給・待遇は上がったか?


人手不足が続くなか、「ここ1~2年で時給・待遇は上がったか」どうか聞いてみると、「上がってきた」と回答した人は全体では19.6%と2割に留まりました。業種別に見ると、「製造(36.4%)」「飲食・フードの接客(28.6%)」「物流・配送・軽作業(26.3%)」で働く人は、時給・待遇が上がった割合が25%以上で比較的多いという結果に。

 

「保育士・幼稚園教諭」は忙しい割に、時給・待遇は上がらず

問)ここ1~2年で仕事は忙しくなったか?


一方、「ここ1~2年で仕事は忙しくなったか」を聞いてみると、「忙しくなっている」と回答した人は全体の36.9%を占め、前の質問で「給与・待遇が上がった人」よりも17.3%多い結果になりました。また、業種別で最も多かったのは「保育士・幼稚園教諭」の63.6%で、続いて「教育」47.1%、「医療・介護・福祉」45.3%となりました。前の質問について、この3つの業種での回答は「保育士・幼稚園教諭」9.1%、「教育」5.9%、「医療・介護・福祉」18.8%となっていて、忙しさと時給・待遇のバランスが取れていないように見受けられます。

 

半数以上が「10年後も働いていたい」、働き方は「現状維持」

将来の働き方について「10年後も自分が仕事をしているか」と尋ねたところ、「していると思う」人は全体で53.4%と半数以上に。しかし、50代では「仕事をしていると思う」が31.1%に下がり、「仕事をしていないと思う」の35.8%に抜かれます。また、10年後の職場や仕事内容への希望として「今の職場で同じ仕事をしていたい」と回答した人は30.5%で最も多く、「今の職場でステップアップ(12.4%)」「今の職場でよりゆとりをもって(9.7%)」と回答した人と合わせて、「今と同じ職場」を希望する人は52.6%となりました。別の職場も含めて10年後に「ステップアップして働いていたい」と回答した人は23.0%でした。

 

「130万円の壁、106万円に引き下げ」認知度は約3割

2016年秋から従業員500人以上の企業では、一定の条件を満たすパートの社会保険の加入義務の上限年収が130万から106万に引き下げられました。この件について、「130万円壁が106万円に引き下げられたことを知っているか」を尋ねたところ、「知っている」と回答した人は全体の27.4%でした。実際にパート先が社会保険の適用範囲拡大に当てはまる人は18.7%で、そのうちの半数が「もともと106万円以下」で働いていたため影響はありませんでした。一方、影響のあった人で、「働く時間を変えないで社会保険料を払い始めた」人は10.1%、「社会保険料を払っても手取りが減らないようにより多く働くことにした」人が同じく10.1%。「払わないように仕事を減らした」人は15.2%となりました。

 

配偶者控除「103万円の壁、150万円へ引き上げ」賛成は44%

問)「103万円の壁」の150万円への引き上げ案に対する意見


一方、配偶者控除の上限年収を現状の103万円から150万円へ引き上げを検討している税制改革について賛否を尋ねると、「賛成」49.9%、「反対」6.4%、「どちらともいえない」43.7%となりました。「どちらともいえない」人の理由には、「主人の会社からの配偶者手当が103万円以内(37歳)」「社会保険も同時に上がらないと働く時間は伸びない(49歳)」「個人的には歓迎だが、不足する税収がほかで増税になるかもしれない(55歳)」など、社会保険、税制、企業の福利厚生制度といったほかの制度との関係が整っていないことを指摘する声も。

 

150万へ引き上げ「もっと働く」4割、「現状維持」5割以上

問)「103万円の壁」が150万円に引き上げられたらどうする?


実際に「103万円の壁」が150万円に引き上げられた場合、「働き方を変えるか」と尋ねたところ、「(従来の社会保険の扶養範囲である)年収130万円まで働きたい」と回答した人は21.3%で、「(配偶者控除枠の)150万円まで働きたい」と回答した人の18.2%と合計して「もっと働きたい」人は39.5%という結果に。ただし、最も多かったのは「今の勤務時間などがちょうどいいので、変えるつもりはない(35.3%)」で、「106万円の壁の範囲で働く(19.2%)」と合わせて54.5%、半数以上の人が今の働き方のままを希望しています。

 

働くママには時間の制約もネック

今の段階では、103万円の壁を意識した働き方でパートを続ける人が多く、配偶者控除などの制度改革は進んでも様子見という人が半数を占めています。働きやすく制度を整えていく一方で、働ける時間が限られているママも多いのが現実。社会保険や税制はもちろん、保育や介護の充実なども含んだ環境づくりが整うと、多くのママがより前向きに働きやすくなりそうですね。

 

◇パートで働く女性423人に聞きました  ”103万円の壁”が150万円まで上がったら? 「もっと働く」は40%、「現状維持」が55%(サンケイリビング)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000177.000005157.html

 

qufour(クフール)編集部

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