暮らし

【ダウン症児と私19】週2回の母子通園、さまざまな障害児ママと知り合う

2歳4カ月になった4月から通所支援施設の幼稚園に通いはじめたユキトくん。今回は、幼稚園でのカリキュラムや一緒に通ってくる子どもやママ友だちとの出会いについて伺いました。

 

カリキュラムは、遊びを取り入れた「治療教育」

Q.幼稚園へは週に2回、午前中に2時間の母子通園ということですが、具体的にどんなことをして2時間過ごすのですか。

A.通園していた幼稚園のカリキュラムには、「運動遊び」「模倣遊び」「受容遊び」「感覚遊び」などがありました。どれも障害児が普通の生活ができるように成長発達を促しながら学ぶ「治療教育」、いわゆる「療育」になります。

 

子どもたちの興味を引き出し、刺激を与え、成長発達を促す

Q.具体的にそれぞれどんな遊びをするのですか?

A.「運動遊び」は、マット、平均台、トランポリン、滑り台、三輪車などを使って運動能力を刺激します。2歳のクラスではユキトだけがまだ歩けませんでしたが、伝い歩きを少しずつして、マットでハイハイしたり、平均台を触ったりと興味を示していました。トランポリンの上に乗り、お友だちが揺らすとニコニコします。滑り台はまだ足から滑れませんでしたが、頭から滑って本人なりに楽しんでいました。

「模倣遊び」は、体操、踊り、歌いながら手遊びなどを覚えます。朝の会の「はじまるよの歌」や、帰りの会の「さようならの歌」など、歌を歌うだけでなく手遊びも一緒にすることで、脳へ刺激を与えます。2歳のときのユキトはまだまだ模倣をするまでに至っておらず、じっと見ていることが多かったです。

「受容遊び」は、絵本を読んでもらったり、先生のお話を聞くカリキュラムです。先生は指人形やパペット、紙芝居なども使って、子どもたちの反応を引き出します。絵本からの距離が遠いと見えていないようですが、先生に近づくと、よく見ることができるので、興味を示していました。

 

脳への刺激を促す「感覚遊び」は、ユキトくんの好きな遊び

Q.ユキトくんが好きだった遊びはありますか?

A.「感覚遊び」をするのが好きなようで、いろいろな物に触っているときは笑顔で活動していました。「感覚遊び」は、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感を刺激して、自分の体の感覚をイメージさせていきます。感覚遊びのなかでも特に「触覚」に働きかける感触遊びは、発達を促す上で重要です。

例えば、小麦粉を触って粉の手触りを感じたあとに、子ども自ら水を加えて粘土にして手触りの変化を感じさせます。指先、体全体、ときには口に入れてみて、刺激を感じさせます。体を刺激することで脳へ刺激が伝わり、成長発達へと繋がっていくのです。「感触遊び」は、小麦粉のほかに、水、砂、スライム、小豆などを使っていました。

 

ダウン症以外の病気の子のママと、お友だちになれて嬉しい

Q.ナナさん自身は、一緒に通って何か変化はありましたか?

A.それまでのママ友は、ダウン症児のママが多かったのですが、自閉症やほかの病気の子どもを抱えているママの友だちができました。違う病気を抱えた子どものお母さんと話すことで、ダウン症を客観的に考えられたり、自閉症のことを勉強したり、私自身にとってもいい経験になりました。

学園生活としては、ユキトが水分を取るのが苦手なのでお茶の時間は大変でしたが、それ以外の活動はとても楽しくかけがえのない時間になりました。そして、やっぱりほかの障害で悩んでるママたちと、一緒に悩み考え協力できるようになったのが何よりも嬉しかったです。

ユキトがたまたまダウン症だったことで、素敵なママたちと出会えたわけですから、縁を繋げてくれたユキトに感謝しています。そういう意味で、ユキトがダウン症で良かったと思う気持ちがあったり、やっぱり健常がいいなという気持ちがあったりと、いつも半々の気持ちが自分のなかにあると感じています。

 

ダウン症の基礎知識19:さまざまな障害児や家族が通う施設

障害児通所支援施設は、障害の種類による区分けがなく、いろいろな子どもたちが集団生活を経験する場所として機能しています。児童福祉法が平成24年に改定施行されたことで、それまで障害の種類によって別々だった施設が共通の施設になり、結果的に地域で受け入れられる障害児の人数を増やすことができました。今回のナナさんのように、ダウン症児のママの友だちだけでなく、違う障害児を育てるママとのネットワークができたり、障害児を育てる家族が社会とつながる拠点としても機能しています。

 

 

ナナ

5歳のダウン症の息子「ユキト」と、3歳半の弟「マサト」のママの「ナナ」と申します。ダウン症の子どもを育てている様子や、母親の気持ちなどを率直にお話ししたいと思います。