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時短女性の8割「負い目や悩み」、女性が意欲的に働くのに必要なことは?
2016年 9月 8日 20:50
育児休暇を取得してから、職場に復帰する女性が増えていますが、復帰後の職場ではどのように働いたらいいのでしょうか。今回は、働く女性に聞いた、時短勤務や昇進に関する意識調査の結果をご紹介します。女性たちの声には、時短勤務に負い目を感じる声や、昇進意向のない人が少なからずいることも分かりました。企業側の考える、女性管理職に関する意識調査とともにご紹介します。
短時間勤務の同僚に不満を感じたことがある「女性」は6割
求人情報サイトを運営するアイデムは、20~49歳の正社員、パート、アルバイトで働く女性1,671人を対象に「働き方に関するアンケート調査」を行ない、「平成28年版パートタイマー白書」としてまとめました。そのなかで、時短勤務をしていない、または時短勤務をしたことがない女性に対して「職場で一緒に働く短時間勤務の正社員に対して不満を感じたことがあるか」を聞いたところ、58.6%が「不満を感じたことがある」と回答しました。また、不満の内容を聞くと「急な休みが多い(53.7%)」「短時間勤務者が行なえない分の業務負担が増える(39.5%)」、「急ぎの仕事を頼めない(38.0%)」、「仕事が途中でも時間がくれば先に帰ってしまう(37.8%)」などの回答が挙がりました。
短時間勤務で働いているときに負い目や悩みがある人は約8割
一方、女性の正社員で、「短時間勤務をしたことがある人」か「残業が免除されている人」へ、「職場や同僚に対して負い目があったか」を聞くと、78.4%が「負い目や悩みがある」と回答しました。また、その内容を聞くと、一番多い回答は「急に休みを取ることが発生する(52.8%)」でした。続いて「皆が働いているなかで、先に帰りづらい(38.3%)」「ほかの人へ業務のしわ寄せがいっている(30.6%)」が続きました。
役職のない女性の7割が、管理職への「昇進意向なし」!?
次に、女性正社員へ現在の職場の「役職」と「どの役職まで昇進したいか」を聞いたところ、非役職者の69.4%が昇進意向のない「現状維持派」だと分かりました。また、役職のある女性の方が、非役職者よりも1割ほど昇進意欲派が多い傾向もありました。
企業によれば、女性管理職比率が「10%未満」は5割
「平成28年版パートタイマー白書」では、1,428社の女性を雇用している企業(※)へ行なった「雇用に関するアンケート調査」も紹介しています。その調査によると、管理職以上の役職に就いている女性正社員がいる企業は74.9%。そのうち、女性管理職が「10%未満」の企業が49.7%で一番多く、「10~20%未満」が23.9%、「20~30%未満」が12.8%、「30%以上」が13.2%でした。
※調査対象:従業員規模100人以上で正社員が30人以上の企業で、女性社員を6人以上雇用し、過去5年間に妊娠した女性がいる企業1,428社
女性管理職がいない理由1位は「女性本人が希望しない」
また、女性管理職比率が50%未満、または全くいない企業にその理由を聞くと、最も多かった回答は「女性本人が希望しない(43.3%)」で、次いで「女性の多くが管理職になるまでに退職する(35.7%)」「そもそも女性社員の比率が低い(35.4%)」でした。企業側には、女性の管理職登用の気運があるものの、女性側がそれに応じていない状況が4割もあることが分かりました。
女性が意欲をもって働き続けるために必要なことは?
今度は、女性と企業の双方へ「女性が意欲をもって働き続けるために必要だと思うこと」を聞くと、女性側は、1位「夫や家族の理解や協力(47%)」、2位「職場の理解や協力(37.5%)」、3位「保育・介護サービスや施設の充実(28.3%)」という回答に。一方、企業側は1位「女性自身の意識の改革(40.2%)」、2位「夫や家族の理解や協力(28.9%)」、3位「職場の理解や協力(26.4%)」となりました。女性側が「忙しくて時間がない」というリアルな問題について理解や協力を求める一方で、企業側は女性自身の働く意欲に課題があると認識しており、認識にギャップがあることが伺えます。
まとめ
今回の調査では、子育てを支援する「育児休暇」や「時間短縮勤務」など、企業側のサポートは充実してきているものの、運用している現場では、サポートを利用する側と、周りの同僚の間に、不満や負い目というマイナス感情が発生していることが分かりました。また、子どもを育てながら働く女性は増えているものの、女性自身のキャリアに関する考え方と企業側の思惑には差があるようです。女性が継続的に働くには、多様な働き方を受け入れる相互理解が重要だと分りました。
◇『平成28年版 パートタイマー白書』を本日発行 女性活躍の現状と課題に関する調査発表(アイデム)
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000641.000002663.html