暮らし

『「危ない!」の瞬間、スローモーションに見える』を千葉大が確認!

交通事故などの危険に遭ったとき「見えるもの全てがスローモーションで動いているようだった!」という話しを聞いたことがありますよね。今回、世界で初めて、この現象が実際に生じていることを千葉大学の研究室が確認したそうです。

 

「スローモーションで見える!」ってどういうこと?

突発的な危険状態に陥ったとき、「見えた景色がスローモーションで展開しているように見え、時間が長く感じられた」という現象は「タキサイキア現象」と呼ばれたりもします。この現象はこれまで「危険だ!」と感じると、視覚の時間的な精度を上げて「良く見える」ようにしている状態だと考えられました。映画に例えると、1秒間の表示されるコマ数が急に増えた状態なので、スローモーションに見えるという訳です。

 

危険な場面の画像では、2つの変化が!

「視覚の時間的な精度が上がる」ことは、過去の研究では確認できていませんでしたが、今回、千葉大学文学部認知心理学研究室が、「危険な場面の画像」と「安全な場面の画像」を見せたときの反応を調べたところ2つの違いがありました。危険な場面を見ているときは「見ている画像の変化に素早く気付き」「1秒を長く感じた」のです。

 

危険な場面の画像では、短時間で違いを認識

1つ目の実験は、危険や安心の印象を与えるカラー画像24枚を用意し、各画像を1秒間提示したあとで、10~60ミリ秒の範囲で同じ画像をモノクロで表示し、モノクロであることを気づく速度を比較したところ、危険を感じる画像を見ると短時間でモノクロ画像に切り替えられたことに気が付いたというもの。危険を感じると通常よりも早く視覚情報が処理される可能性があることが分りました。

 

危険な場面の画像では、見ている時間も長く感じる!

もう1つの実験では、0.4~1.6秒の範囲で各画像を提示して、1秒間の長さに感じられるのに必要な時間を測ると、危険を感じる画像のときは、実際よりも時間を長く感じていることが確認されたそうです。

 

危険を感じると、視覚精度がアップ!

この2つの実験で、「全てがスローモーションに見えた!」が実際に確認された訳です。人間の能力って凄いですね。ただ、たくさんのものが見えただけで、見たものを脳が処理できているかは確認されてはいません。「短時間での脳の処理能力」と「的確に身をこなす身体能力」を手に入れたら、危険に遭っても怪我の程度を軽くできるかもしれませんね。

 

 ◇『「危ない!」の瞬間、全てがスローモーションで見える』は正しかった!(千葉大学)
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000015177.html

 

qufour(クフール)編集部

忙しい毎日の中で役立つ家事のコツや、子育てのヒントなど、暮らしに役立つ情報を配信しています。