老師オグチの家電カンフー
第7回:13年前の「初代ルンバ」を再生。ロボット掃除機は文字通りの自動車である
by 小口 覺(2016/4/6 07:00)
執筆陣はもちろん、読者にも専門知識を持った人が多い「家電 Watch」ですが、この連載においては知識を語るのではなく、評論家的なキャラクターを狙っていきたい。
イメージしているのは、テレビで好き勝手にコメントする老評論家です。しかし、言いたいことを言っている評論家はパイプを加えていることが多いですね。竹村健一先生しかり、徳大寺有恒先生しかり。余裕の象徴なんでしょうか、パイプは。早くパイプと高級外車が似合う老師になりたいです。
クルマといえば、ロボット掃除機は自動車に似ています。なんてったって、タイヤが付いていて走る(笑)。バンパーやセンサー、カメラを搭載し、ある意味クルマの自動運転の技術を先取りしていると言えるかもしれない。いや、評論家なら言い切るべきだろう。ロボット掃除機は文字通りの自動車だと。
さて、最初に買ったロボット掃除機は2003年に発売された「初代ルンバ」です。当時はタカラ(現タカラトミー)から販売されていました。何年か前の断捨離で処分してしまい、とっくに手元にないのですが、久しぶりに走らせてみたいと思ったのです。クルマやバイク好きが古い車に乗りたがるように。
発売当時、ルンバの働きに感動して妻の実家にプレゼントしたのですが、これを送り返してもらうことにしました。もちろんとっくにバッテリーが充電できなくなっており、10年ぐらい納戸に放置されていたようです。
完全にへたっていたバッテリーは、単三形のニッケル水素電池12本に置き換えることにしました。気分はクルマのレストアです(※もちろん、こうした改造は自己責任の下におこなってください)。かかった費用は次の通り。
Amazonベーシック単三形ニッケル水素電池×12本分:2,970円(8本1,980円)
電池ボックス×3個:441円(1個147円)
バッテリースナップ×3個:336円(1個112円)
三角ネジ用ドライバー:565円
計4,312円
作業工程は写真を見ていただくとして、無事バッテリーの再生に成功。ボタンを押すと、「ピロ~ロロ~ン♪」と今と同じメロディーを発して動き出しました。古いモノが再び動くのを見ると感動しますね。
ですが、吸引力や掃除能力は現行のルンバに比べると明らかに弱い。昔の車に乗ってエンジンの非力さを感じるのに近いです。まぁ、クラシックカーですから、所有すること自体や、ながめて楽しむことがメインです。
クルマのように税金もかかりませんし、クラシック家電は趣味としてもアリじゃないでしょうか。同じように古いルンバを持っている人がいたなら、走行会でもやりますか。