老師オグチの家電カンフー

現代のハタキ「電動エアダスター」で掃除するメリットとデメリット

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
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ストローを口にくわえ、テーブルの上に置いた豆粒に息を吹きかける。簡単に豆粒は吹き飛びます。しかし、息を吸い込んでも豆粒が動くことはありません。何が言いたいかと言うと、一定の距離があると吸い込む力より吹きかける力の方が強く影響します。風でホコリは簡単に舞い上がるものの、掃除機を使うには床面にくっつけなければならないですからね。

前置きが長くなりましたが、充電式のエアダスターを買ってみました。

最初の目的はキーボードの隙間に入ったゴミやホコリを取るためです。以前はスプレー缶タイプを使っていましたが、毎度かかるコストや注文、処理の手間に嫌気が差し、カメラ用のブロアーに変更。しかしブロアーは手が疲れる割に威力が弱い。そこで最近増えつつある電動エアダスターを購入することにしたのです。

実際、そこそこの風量があり、キーボードの掃除には十分に実用的です。充電式なので躊躇なく使える。ということで、部屋の掃除にも使ってみました。

充電端子はUSB Type-C。風量は4段階で、使用可能時間は18分〜2時間20分

最初に使ったのは冷蔵庫の裏。ホコリが塊となってボコボコ出てきます。まっくろくろすけ出ておいで〜、です。

玄関に靴とともに持ち込まれた砂や、アルミサッシの溝に詰まったゴミも吹き飛ばすことができました。テレビや家具の裏、障子の桟(さん)にも、結構なホコリが溜まっています。もうもうと立ち込める煙のように、ホコリが舞い上がります。喉が痛くなるタイプのヤバいホコリです。同時にロボット掃除機を走らせて吸い取ってもらいます(連続して3回稼動させました)。空気清浄機の風量も「最強」モードにしました。

空気は悪くなりますが、吹き飛ばす掃除は爽快感があります。離れた場所から使え、屈んだりしなくて済むので、姿勢的にも楽です。造園業者が刈り取った枝葉を電動のブロアーで集めている様子を見かけることがありますが、最初に書いたように、吹き飛ばす力を利用するほうが効率的なのでしょう。

そういえば、掃除機にもエアブローの機能が付いた製品が登場しては、人気が出ないのかいつのまにか消えていたりします。玄関やベランダの掃除には便利なはずですが、やはりホコリが舞うのに抵抗があるのでしょうか。

電動エアダスターでの掃除は、昔の家庭で使われていた「ハタキ」とほぼ同じです。今は使い捨てのハンディモップが普及していますが、昔のハタキもホコリを落として(舞い上がらせて)いただけです。ただし、昔の日本家屋は風通しが良く、ホコリやゴミをホウキで簡単に外に出すことができました。今は、家の構造が変わったこともあり、ハタキを使う家庭もなかなか少ないでしょうね。そう思ってネットで検索したら、昔ながらの竹と絹で作られたハタキが4,500円で売られていました。ていねいな暮らし派の人におすすめしたいです。

私は超絶に雑な暮らし派なので、電動エアダスターを使いますが。

マッサージガン、電動ドライバーとあわせて、ガンタイプの電動ガジェットが3つ揃いました
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>