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ペット市場はさらに拡大~品質重視と価格重視の二極化が進む

 富士経済は、ペットフードやペットケア、ペット生活用品などを含むペット関連市場について調査を実施した。ペット関連市場は、2013年のマイナス成長から転じて、2014年は前年比1.7%増となり、2015年も1.4%程度の伸びを予想している。

 円安の進行を背景とした原料・商品の輸入コスト上昇や、犬の飼育頭数減少など、ペット産業を取り巻く環境は厳しいが、参入各社がオーナーのニーズやライフスタイルに対応した新商品を投入するなど、市場活性化に取り組んでいるという。また、ペットオーナーの傾向として価格を優先するニーズと、高機能・高品質を追求するニーズの二極化が進んでいる点を指摘する。

 注目市場としてはペット保険を挙げる。ペットが病気や怪我をし、動物病院などで医療行為を受けた際、その医療費の負担額に対して補償するもので、2014年12月末時点での契約数は、前年比13.8%増と堅調に伸びている。要因としてはペットに対する健康管理意識が高まっていることに加え、ペット保険がメディアに取り上げられることが増えたことを挙げる。日本は欧米に比べてペット保険加入率が低く、今後増加の余地が大きいという。

 ペットフード市場では、ドッグフードが前年比微増、キャットフードはドライタイプが大きく伸びるなど拡大を続けている。また、犬用、猫用ともにプレミアムフードの構成比が拡大している。また健康をサポートするサプリメントや療法食も伸びている。一方、観賞魚用、小鳥・観賞鳥用、小動物用のフードや、ミルクは縮小している。

 ペットケア用品では、ネコ砂やトイレ用シーツが堅調。メーカーは、香りやデザイン性など付加価値を追求した商品を投入している。そのほか、糞尿臭対策を訴求した消臭剤・脱臭剤が伸びている。オムツやデンタルケア用品は前年比2桁増となっている一方、しつけ剤やシャンプー類などは縮小している。

 苦戦しているのはペット生活用品市場。生体購入時に購入する場合が多く、生体販売が低調なため、低迷している。首輪やサークル・ゲート、ハウスなども縮小しているが、猫用の玩具やケージなどは好調だという。また、共働きや単身世帯の増加に伴い、ペットを留守番させる際に使用するペット用ヒーターの需要が増加している。

阿部 夏子