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熊谷から世界へ発信~ハイアールが最大規模のR&Dセンターを新設
(2015/3/19 15:31)
世界最大規模のR&Dセンターを埼玉県・熊谷に新設
ハイアールアジアは、埼玉県熊谷市に新たなR&D拠点「ハイアールアジアR&D」を設立した。約70億の投資による新拠点で、冷蔵庫を中心とした白物家電製品の研究・開発・企画・デザインを行なうほか、産学連携の共同研究や、共同開発などを中心としたオープンイノベーションの場としても活用を進めるという。
【お詫びと訂正 3月20日】
記事初出時、熊谷市を熊谷氏と記載しておりました。お詫びして訂正いたします。
所在地は埼玉県熊谷市平戸2480-1で、敷地面積1,242,643平方m、事務棟6階建て、実験棟5階建て、別当2棟から成る。現時点での従業員数は約200名。
ハイアールでは、世界に5つのR&Dセンターを持つが、その中でも熊谷の「ハイアールアジアR&D」は最大規模となる。ハイアールアジアR&D 代表取締役会長 兼 CEOの伊藤嘉明氏はオープニングセレモニーで次のように述べた。
「熊谷から世界へ、世界初の商品を産み出して行く場所。今後は(洗濯機や冷蔵庫などの)白物家電と、(テレビやオーディオ機器などの)黒物家電の境目はなくなる。たとえば、先日発表したディスプレイ搭載の冷蔵庫は、IoT(Internet of Things)の1つであって、白物家電でも、黒物家電でもない。ハイアールアジアR&Dでは、家電業界とその他の境界の垣根がなくなるような取り組みを進めて行きたい」
セレモニーでは、埼玉県知事の上田清司氏も登壇した。
「アジア最大級のグローバル企業であるハイアールが、埼玉県・熊谷市に新たな拠点を設けられたのは喜ばしいこと。今日ここに並んでいる製品を見ただけでも、世界企業の連携から新しい製品が出ているということを改めて実感した」
家電ではなく“価電”~日の丸再生を掲げる
伊藤CEOは、熊谷の地にハイアールの張会長も足を運んだことを明かした。
「更地の状態の時にきていただき、風水もしっかりチェックするなど、会長のキモ入りでスタートしたプロジェクト。家電業界といわず、今の企業に一番足りないのはスピード感。企業ではよく5カ年計画などを挙げるが、それでは完全に遅い。24カ月より長い計画をたてる気はない。現時点の従業員数は200名だが、年内にはハイアールの重要拠点として、従業員数は300名程度に増員していく」と話した。
また、同拠点では、異業種とのコラボレーションを積極的に進めていくという。
「1月14日に大きな発表会をやり、そこで異業種とのコラボレーションを積極的に進めていくという話をしたが、実際に連絡がきたのは20社程度。少ないと感じた。ハイアールを使ってもらうつもりで、うちがメインでなくても良い。新しいアイディアや技術があればすぐにでもプロジェクトを走らせる」
今後の取り組みについては、日の丸再生を掲げる。
「私は家電という呼び方が嫌い。価値ある電気を提供するという意味で“価電”だと思っている。日本に巨大な拠点を構えたからといって、日本でしか通用しないものを作る気はさらさらない。本来、日本の物作りというのは世界に発信していたはず。ものづくり復活、日の丸再生を目指す」