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ハンズフリーショッピングや空中テキスト入力など、ウェアラブルテックエキスポ
(2014/3/27 13:53)
3月25日、26日の2日間、米国発の国際ウェアラブル・カンファレンス「ウェアラブルテックエキスポ・イン・東京 2014」が、六本木ミッドタウンのホールエリアにて開催された。
会場は2日間に渡り、30人を超えるキーパーソンが登壇し、現状それぞれがアプローチ/開発しているウェアラブル端末などを披露するキーノート会場、各企業がそれぞれのウェアラブル端末やサービスなどをデモンストレーションするブース会場に分かれていた。
初日のキーノート会場では、本イベントを主宰する朝日新聞のメディアラボが開発するウェアラブル端末用サービス「朝日新聞AIR」が紹介された。開発に携わる竹原大祐氏は、Googleグラスを装着しながらプレゼン。朝日新聞が考える、ウェアラブル端末と融合することで新聞ができることや、その取り組みについて熱く語っていた。
例えば、新聞紙面などに掲載されているスポーツ記事のアスリート写真を、Googleグラスなどのウェアラブル端末で認識すると、紙面上にはレイアウトの関係で掲載されなかった写真などを一同に閲覧できるフォトギャラリーが表示されるといったものだ。
さらに、一歩踏み込んだ取り組みとして構想しているのが、スポーツ観戦に行った会場自体がメディア化されるというサービスも面白い。例えば、甲子園球場などに野球観戦に行った際に、選手をGoogleグラスで見ると、その選手のこれまでの成績などが表示されたり、関連する新聞記事が表示されたり、会場にいくだけで、そのスポーツを立体的な視点から楽しむことができる。
続いて、昨秋あたりから話題の指輪型ウェアラブル端末「Ring」が登場。開発者であるログバーの吉田卓郎氏が自らデモンストレーションを行なった。
BluetoothやWi-Fiなどが多数飛び交う会場だったため、動作は非常に不安定だったにも関わらず、リングを装着した指先を空中で動かすだけで、例えば、スマートフォンの画面上にテキストを起こせたり、ページをめくれたり、カメラを起動させ、セルフシャッターで写真を撮ったり、動画を起動させたりと、端末に手を触れることなく動かす様は、まるで魔法を掛けているようだった。
こちらは半年後ぐらいのローンチを目指しているとのことだが、その精度が高まれば、これまでのウェアラブル端末とは違った新たなウェアラブルシーンを世界に提供してくれることだろう。
このほか、初日はファッショナブルなライフログ端末「misfit Wearables」のエミー・プリアフィット氏、トークショッションでは頭に付けるウェアラブル機器「テレパシーワン」で注目の井口尊仁氏、Cerevoの岩佐琢磨氏が一緒に登壇したほか、“ウェアラブルは映画製作を変えるか?”“日本のアニメに見るウェアラブルの未来”といったテーマで本広克行監督などが登壇するなど、さまざまなアングルからウェアラブル端末についての未来が語られた。
そんななか家電Watchが注目するのはやはり、ウェアラブル端末と家電や生活シーンの融合だ。それについては、ブースエリア内の何社かの企業ブースで、デモンストレーションで披露されていた。
まずはオムロンヘルスケアが披露している活動量計「アクティブシフト」だ。これは、端的に言えば万歩計の未来型であり、厚生労働省の定める、生活習慣病を防止する“1週間に23エクササイズ”、歩数に換算すると「1日あたりおよそ8,000~10,000歩位(1週間で56,000~70,000歩位)」に相当する運動をすることで、目標達成とアプリがみなし、次々とその目標を自動で上げることで、いつのまにか理想的な健康体が手に入るというものだ。
この活動量計「アクティブシフト」のいいところは、毎日、普通に生活するなかで無理なく、理想的な健康体に近づけることだ。専用アプリ「アクティブシフト」には、目標がパーセンテージで表記され、その表記の周囲を取り囲む円が時間軸となっていて、そこから棒状のグラフが色別に伸びることで、その活動強度などが分かる。
目標がパーセンテージで分かりやすいので、無理なダイエットや、わざわざエクササイズするのではなく、例えば“この1~2時間は机に座ったままで活動してないから、1つ前の駅から歩いて帰宅しよう”ぐらいの感じで、生活のなかに取り入れやすい。
また、自分のパーソナルデータを入れるにあたり、例えば出身地に“和歌山”などを入れると、同じ「アクティブシフト」を使用する和歌山県民たちと繋がり、目標の達成率や回数などを合算、団体戦のような楽しみ方もできるエンターテインメント性も有するところもおもしろい。これは仲間とデータを共有することで、ユーザーが継続して使えるようにするための工夫だ。
さらにWi-Fi搭載の体組成計も用意することで、すでにAndroidで展開されているアプリ「からだグラフ」を併用すれば、体重管理も合わせて行なえるので便利だ(今後iOS用のアプリも展開予定)。
本端末やアプリは今年中にローンチされる予定とのことだ。
次に、まさに着用するウェアラブル機器「Clothing+」にも注目だ。Clothing+は、洋服にそのままセンサーを縫い付けることで、わざわざセンシングパーツを装着しなくても、着用するだけで、ストレスなく、心拍が計れるトレーニングシャツ、筋肉強度を計れるインナーパンツなどが用意されていた。
これらはトレーニングやタウンユース以外に、例えば、医療用などにも利用することも考えられている。Clothing+を着用することで、リアルタイムで掛かり付けの医療機関などにデータが転送、それらの数値が異常であれば、すぐに医療機関から逆に検診に来てくださいと連絡が来るようなサービスとの連動などがそれだ。
続いて、野村総研がデモンストレーションで披露していたのが、Googleグラスとの連動で実現する新しいショッピング方法だ。まだ、構想段階中なので正式な名称はないが、例えば買い物をしている時に、Googleグラスでその商品を見ると、Twitterの口コミが表示されたり、その成分やら味やらが文字情報として表示されるというものだ。
現状ではスマートフォンなどで調べればできるが、見るという行為だけで、すべての情報がそのまま目の前に表示されるという体験は、例えば両手が塞がっているようなショッピング時などに、非常に有用なサービスであり、眼鏡型のウェアラブル端末ならではの体感だろう。