家電製品ミニレビュー
正月太り必見! Bluetooth連携する体組成計と活動量計を使いこなす
by すずまり(2014/1/22 07:00)
16kgのダイエットしてから3年。「ダイエットは終わってからが勝負」をひしひし感じている。「久しぶりに体重計に乗ったら大変なことになってた! 」という事態を防ぐために、毎朝起きてから体組成計に乗り、その数字を手帳のマンスリーページにメモをしてきた。変化が俯瞰できて便利なのだが、毎日書き取り続けるのは結構大変である。
在宅ワーカーゆえに運動不足も顕著で、運動量を監視するために活動量計もいろいろと使ってみたのだが、さすがに活動量まで記録し続けられず。運動はサボるとあっという間に数カ月経過していたりするので油断ならないのだが、体組成のメモで精一杯で、活動量はときどき数字をチラ見するだけになってしまっていたのだった。
しかし、最近は活動量や体組成値をワイヤレスでスマートフォンに転送できる時代になってきた。これはぜひとも活用せねば! と考え、試してみることにした。
エ・アンド・ディーの体組成計と活動量計を、プラクテックスのアプリと連携
・体組成計「UC-411PBT-C」
体の状態を把握するための筆者のこだわりは、必ず体組成計を使うこと。何の増減によって、その体重になったのかを知りたいのである。いろいろ量れて通信対応のものはないか、と探してみつけたのが、エ・アンド・ディーのBluetooth内蔵体組成計「UC-411PBT-C」だった。体重、体脂肪率、基礎代謝、筋肉量、水分量を測定し、測定データをBluetoothでスマートフォンに転送、アプリで管理できるというものだ。
・活動量計「UW-201NFC」
活動量計については、エ・アンド・ディーの「UW-201NFC」を選んだ。こちらは重さ約26gで、ポケットに入れておくだけで総消費カロリー、活動消費カロリー、脂肪燃焼量、歩数、アクティブ歩数/JOG歩数、歩行距離、エクササイズを測定でき、大きめのディスプレイで随時確認できる。データの保存は内部で最大90日分。最新のデータから14日分までは、ディスプレイ上でさかのぼって確認できる。のちに述べるスマートフォン用アプリ「HEALTHPLAYER」と連携できる点が、この製品を選んだ理由だ。
操作的にはごく一般的な活動量計と同じ。他と違うのは近距離無線通信技術である「NFC」をサポートしているため、端末に“近づけるだけ”でデータ送信できる点。おサイフケータイを思い浮かべていただければイメージしやすいかもしれない。バッテリーにはコイン形のリチウム電池「CR2032」を使用する。充電はできないが、1日1万歩歩いて2回通信したとして約1年間は持つという。
・無料ヘルスケアアプリ「HEALTHPLAYER」
管理はスマートフォンを中心に体組成計と活動量計を連携させたかったので、上記の2製品が使えるアプリとして、プラクテックスの無料ヘルスケアアプリ「HEALTHPLAYER」を選んでみた。
このアプリは、エ・アンド・ディー専用のものではない。さまざまなメーカーの活動量計、体組成計、基礎体温計、血圧計といったヘルスケアデバイスに対応しており、歩数、消費カロリー、体重、体脂肪率、食事、基礎体温、生理日、血圧の登録が可能。データはすべてグラフ化され、日、週、1カ月、3カ月の単位で参照できる。体組成を1日に複数回測定した場合は、日内の時間後との変化もグラフで見られる。対応OSはAndroid OSおよびiOSだ。
半年使ってわかったこと
これら3つを使って過ごすこと半年間。頻繁に気が緩んで、そのたびに体も緩んで増量するのだが、増えては下げを小刻みに繰り返すことで体重の増加を食い止めている状態だ。
その鍵となった機能は3つある。1つはデータのワイヤレス転送、2つめはアプリのグラフ、3つめは食事の写真だ。これらのおかげで常に自分の状態を知ることができたため、都度ブレーキをかけることができたのだ。以下でその3つについてご紹介する。
データのワイヤレス転送は継続につながる
まず、半年間記録し続けられた最大の功労者、これはもう“NFCとBluetoothのおかげ”の一言に尽きる。もちろんどうやって見せるかというアプリの力もあるが、それは後述するとして、多くのデータを簡単かつ手軽に取り込めるようになったことで、自分の状態を格段に把握しやすくなったのだ。
ただ、ワイヤレスとはいっても、今回の組み合わせの場合、バックグラウンドで自動的に更新されるというわけではない。Bluetooth接続が可能な体組成計「UC-411PBT-C」の場合は、スマートフォン側で「HEALTHPLAYER」を起動して、体組成計からの接続を待機する必要がある。体組成計「UC-411PBT-C」側で測定準備をするとBluetoothで接続され、測定したデータがそのままアプリに反映される仕組みだ。
筆者は毎回通信していたが、忘れても安心。次の接続でまとめて転送してくれる。接続はスピーディかつ安定しており、半年間で反応がなかったのは2~3回程度であった。
活動量計の「UW-201NFC」の場合、リアルタイムではなく、2日分または7日分をまとめて転送する仕組みとなっている。アプリ側で転送準備をしてから「UW-201NFC」を近づけると、通信が開始されてデータが転送される。こちらはほぼ100%の成功率である。
転送前に多少のアクションは必要だが、すべて手書きしたり手入力する手間に比べればなんのその。しかも、受信設定をすることで、必ずそれまでのグラフを見るという行為が発生し、受信後は必ず過去と比べたくなるという効果があった。アナログなアクションを挟んだおかげで、測定するたびに「上昇傾向にある! まずい!」「最近ウォーキングサボっているし、歩いてないな……。遠まわりして買い物に行こうかな」「夜のご飯は少なめにしよう」など反省することができたわけだ。
2つのグラフを重ねて見ると、真実が見えてくる!?
データの転送先であるアプリ「HEALTHPLAYER」では、「歩数」「消費カロリー」「体重」「体脂肪率」「食事」の5項目がすぐ確認できた。いずれも起動時のホーム画面に測定日と使用した機器名とともに数字が表示され、各項目を選択するとグラフが見られるようになっている。グラフは日、週、月、3カ月の4パターンで切り替えられるので、短期、長期での変動が確認できる。
データをグラフ化し、期間で区切って表示するという機能に目新しさはないが、とても役立ったのは、2つのグラフを重ねて表示できる機能だった。重ねられるのは、体重、体脂肪率、歩数、距離、消費カロリー、エクササイズ、最高血圧、最低血圧、脈拍、基礎体温、筋肉量、骨量、体水分率、基礎代謝の14項目。ホーム画面では体重と体脂肪率しか表示されていなかったので、「体組成計でせっかく基礎代謝、筋肉量、水分量も測定しているのに……」と思ったが、ちゃんとグラフとして活用できたのだ。
2つのグラフを重ねてみることで得られる情報、これがかなり貴重なのだ。ダイエットというと、極端な場合体重の増減しか見ていないというケースもあるようだが、全体として体が軽くなっていても、体脂肪率はそのままで、筋肉が減った結果だとしたら、単にリバウンドしやすい体を作っただけと考えられるかもしれない。逆に体重は変わらないけれど、筋肉量が増えていたらそれは非常にいい傾向で、さらに基礎代謝量が増えていたら、脂肪を燃やしやすい体ができているかも!? このままがんばっていいかも! と考えることができる。つまり、重ねたグラフから現状をしっかり把握でき、その結果から次に自分がどうすべきかを考えられるというわけだ。
恥ずかしながら、筆者のデータを例にしてみよう。ひと目で最近増加傾向にあると分かる。体重だけに着目するとかなり焦ってしまうのだが、体脂肪率のグラフを重ねてみたところ、(もともと多いが)体重とともに増えているわけではなさそうだと気づいた。そこで筋肉量や基礎代謝量のグラフに変えてみたところ、見事に連動して増加していることが確認できた。体重が増えたのは筋肉量の増加によるものなので、焦る必要はないのかもしれない、と考えることができる。実は最近ウォーキングを再開しており、その時期と一致しているため、この変化はウォーキングによるものとも推測できる。グラフが冷静に考える手助けをしてくれるのだからありがたい。正直、ホッとしている。
食事は写真でゆるく管理がいい
記録系のアプリで、必ず挫折するのが食事やカロリー管理である。手入力では始めからサボってしまうが、機能が多ければ逆に使いこなせず、と自分とのバランスが難しいのだ。この点、「HEALTHPLAYER」は写真によるレコーディングに絞れるところがミソである。
登録できるのは写真と撮影日時、摂取カロリー、コメントの4点。1日に何回保存してもよく、登録後は一覧で見られる。食品データベースを持たないため、カロリーはあくまでも自己申告で、入力しなくても構わない。
写真保存時には、スマートフォンのカメラで撮影しておいた写真を取り込めるうえ、写真がもつ撮影日時を、1タップでそのまま反映できるという特徴がある。つまり、食事の際アプリを起動しなくても、とりあえず撮影しておけばあとから追加できるのだ。
カロリー計算がしたい方には極めて不親切だが、いつ何を食べたのかだけでもきちんと残すことで、写真を見返すだけでも、食事の偏りや食べ過ぎかどうかくらいは気づける。人から食べ過ぎだと指摘されると反発したくなるが、自分で気づくとなんとかしたくなるもの。食べてないつもりだったけれど、並べてみたらこんなに食べてた!! なんて気づきもこっそり得られる。
慣れてきて、いつも食べてるもののカロリーくらいは調べてみようかな、と思えてきたらしめたもの。できるところから積み上げていくほうが、継続しやすいからだ。そういう意味でももっともハードルの低い写真の記録から入るのは、経験上正しいと感じる。写真だけといって侮れないのである。
転送忘れ、携帯忘れを防止したい
使っていて、気になった点がないわけではない。まずアプリの「HEALTHPLAYER」だが、グラフの表示期間が最長3カ月というのは少々物足りない。半年から1年分くらいは1画面でまとめて見たいと思う。ダイエットの場合はスタート時からの変化が分かりやすいほど自分を励ませるからだ。グラフ画面の切り替え時も、自由にスライドできると見やすくなりそうだ。
また、せっかくデータを受信しているのに追加グラフとしてしか使えず、数字の一覧として眺めることができないものがあるのは残念。ホーム画面の項目も利用者によって見たいものが選べると嬉しい。
転送できる期間も、もっと長いと助かるというのが正直なところだ。活動量計「UW-201NFC」の場合、内部には最大90日分のデータを持てるが、アプリ側で受信できる期間は2日または7日のいずれか。実際に開始からこれまで何度か転送を忘れて、グラフにぽっかり穴をあけてしまったことがあった。手入力するという手もあるが、測定項目が多いとどうしてもやらなくなってしまう。前回の転送からどれくらい経過しているかわかるようなリマインダー機能などがあると、筆者のようなずぼらは漏れが防げて嬉しい。
転送忘れよりもショックなのは、活動量計の携帯し忘れである。ポケットタイプの測定器は、着替えのタイミングで忘れてしまうことがある。実際、ウォーキングにでかけたにも関わらず、ウェアのポケットに入れ忘れていたことが何度もあった。これでは手入力すらできない。忘れない方法を考えてみたが、こまめに取り出す習慣づけしか浮かばない。
いっそ活動量計もBluetoothにして、スマートフォンから離れたらアラームを鳴らしてはどうだろうか。リストバンド型が人気の昨今だが、すでに腕時計をしている方や、腕に何かを巻くのが苦手な方、測定していることを知られたくない方は、ポケットタイプを好むだろう。そんな方向けの対策も考えられるとありがたい。
これからチャレンジする方はぜひワイヤレスで!
半年間使ってきて、やはりこれからはワイヤレスだ! としみじみ感じた。毎日手軽に確認できるようになることで、自分の中で設定している数値から大きく離れて行きそうになったときは、早めに対策が立てられる。理想的な状態にはまだほど遠いが、「これ以上増やさない」という目標の手助けにはなっていると感じている。
年末年始、お正月、新年会シーズンと経てきて、そろそろ増加分を何とかしたいと思っている方、今年こそ本気でシェイプアップに励もうと心に決めた方は、データのワイヤレス転送が可能な機器を活用して、現状把握からスタートしてみてはいかがだろうか。レコーディングのサポーターとしてこれらの機器を導入することは、継続への力になってくれることは間違いない。実は筆者も理想から約4kgオーバー中。なんとか再び理想に近づくべく、地道に活動したいと思っている。