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【CES2014】LINEで会話する洗濯機とロボット掃除機が登場

 1月7日(現地時間)から、米ラスベガスで開催された2014 International CESでは、韓国メーカー、中国メーカーが白物家電製品を展示。日本の大手メーカーでは、パナソニックがパナソニックビューティーによる美容家電を展示しただけに留まり、各社の姿勢には差が見られた。

白物家電を擬人化~LG電子はスマート家電に積極的

 白物家電での提案で積極ぶりが見られたのが、LG電子だ。LGは、ソーシャルメディア「LINE」の機能を活用することで、ユーザーと白物家電が会話をする「LG Home Chat」と呼ばれる新たなスマート家電の姿を提案してみせた。

LGブースは55型の液晶を140枚使った大スクリーンで3Dを表示
LINEによるLG HomeChatは今年のLG電子ブースの目玉となった
記者会見でもLG HomeChatを大々的に発表した
会見でのLG HomeChatのデモストレーションの様子

 LG Home Chatでは、白物家電を「擬人化」。スマートフォンを通じて、家電製品に操作指示を出したり、作業の終了を知らせるというだけでなく、自然言語処理によって、ちょっとした会話までもが楽しめる機能を提供する。

 具体的には、長期間に渡って外出する場合には、スマートフォンを通じて、冷蔵庫を省エネモードに設定したり、アプリをダウンロードして洗濯機の洗濯方法を設定したり、ロボット掃除機のHOM-BOTでは、LG Home Chatを通じて部屋内の掃除方法や掃除の現状などを確認できる。

LINEを通じて洗濯機に作業を指示する
実際に指示をしてみる
指示に対して洗濯機から返事が返ってきた。まるで会話をしているようだ
ブース内にはキッチンを再現し、ビルイトン型の各種キッチン家電を展示

 同社では、Smart ThinQとして、スマート家電の取り組みには力を注いできたが、LINEを活用することで、家電と会話する取り組みを一歩進めたともいえよう。

テレビに各種家電製品の状況を表示する「Smart Control」機能
四角型のデザインを特徴としているHOM-BOT「LrV790」
HOM-BOTでは部屋内の掃除の状況をスマートフォンに表示する
IHクッキングヒーターには、セルフクリーニング機能「Easy Clean」技術を採用。短時間できれいにできる
独自の「TurboWashテクノロジー」を採用した洗濯乾燥機「WM4070HVA」。ヒートポンプを搭載している
ダウンロードして様々な洗濯方法を選ぶことができる
洗濯乾燥機では、1つの扉が横に開いたり、縦に開いたりする「2-Way Dual Access Door」を採用したものも展示していた
冷蔵庫の前面に設置された画面からも各種操作が可能
Door-in-Door方式を採用した冷蔵庫
普通に開けるとドアポケットはドア側にある
しかし、ボタンを押しながら開けるとドアポケットがスリムに
白物家電以外も積極的な出品が見られた。ブレスレット型のウェラブル機器では脈拍などを計ることができる
カーブド有機ELテレビも展示した
湾曲を自分で操作できるフレキシブル型の有機ELテレビも展示
有機ELテレビの下に額縁のようなデザインを施しスピーカーを内蔵。「Gallery OLED TV」として展示
スマートフォンの「LG G Flex」は本体が湾曲しているデザインを採用
Chrome OSを採用したオールインワンPC「22CV241」

腕時計端末で家電を操作できる~サムスン

サムスンは「CHEF COLLECTION」シリーズを新たに投入

 サムスンは、「CHEF COLLECTION」シリーズを新たに投入してみせた。

 CHEF COLLECTIONは、有名シェフの意見を取り入れて開発した調理家電シリーズで、トリプル冷却システムにより、区画ごとに異なる温度および湿度管理を可能し、食品保存力を高めた4ドア冷蔵庫や、異なる温度で同時に2つの食事を調理できる電子レンジ、高温高圧の洗浄を可能とする食器洗浄機をラインアップした。

 また、冷蔵庫のフラッグシップモデルとなる「T9000シリーズ」では、ゾーン分けして収納することを提案しており、上部はクッキングゾーンとして調理用の食材、中央はファミリゾーンとしてビールなどを収納。下部はキッズゾーンとして子供向けのジュースなどを収納することができるようにした。

冷蔵庫のフラッグシップ製品となるT9000シリーズ
T9000シリーズでは、ゾーン分けして収納することを提案

 さらに、洗濯乾燥機のフラッグシップとなる「9000シリーズ」を展示。「EZ Reach」の提案によって、大きな構内でも洗濯物を取りやすくするなどの特徴を訴求した。

洗濯乾燥機のフラッグシップとなる9000シリーズを展示
EZ Reachの提案によって、大きな構内でも洗濯物を取りやすくしている
独自の「モーションシンク」デザインを採用した掃除機

 また、新たに「Samsung Smart Home」を提案。腕時計型デバイスの「Galaxy Gear」やスマートテレビをはじめとする同社のデバイスを通じて、冷蔵庫や洗濯機、照明器具、デジタルカメラなどをコントロールできるようにする。音声による操作指示も可能になっているのが特徴だ。

ブースで行なわれていたサムスンによる「Smart Home」の提案
ブース内に展示されていた腕時計型デバイスの「Galaxy Gear」
リモコン操作によって両側がカーブする「Bendable」を実現した85型液晶テレビ
12.2型ディスプレイを搭載したGalaxy Note Pro

日本メーカーからは目立つ白物家電の提案が見られず

CES展示会場のパナソニックブース

 一方、日本のメーカーでは、東芝、シャープが白物家電製品の展示を見送っており、パナソニックだけが展示を行なった。

 パナソニックでは、昨年のCESでも展示したパナソニックビューティー製品群を展示し、実際にナノケアドライヤーやナノケアヘアアイロンを使い女性モデルの髪をセットするデモストレーションも実施した。

 さらに、男性向けの理美容製品では、メンズシェーバーは水に強いことを訴求するために水槽のなかに展示されていた。

パナソニックは理美容製品のパナソニックビューティー製品群を展示
実際にナノケアドライヤーを使い女性モデルの髪をセットするデモストレーションも実施
こちらはナノケアヘアアイロンを使った実演
メンズシェーバーは水に強いことを訴求した

 白物家電以外では、BtoBの訴求に力を注いでいたのもパナソニックブースの特徴で、デジタルサイネージのデモストレーションでは、ショウウインドウの内側に置いた4Kディスプレイ上に表示した商品画像を、外側の空中に描き出された操作画面に触れることで選択できるサイネージを新たに発表。さらに、選んだ商品のRFタグを読み取ることで、65型4Kディスプレイを縦に2枚つなげた大型ディスプレイに、その商品を身につけたイメージを確認できるサイネージを提案してみせた。

4Kウェアラブルカメラも発表した
デジタルサイネージのデモストレーション。手前のタッチしているスクリーンは空間に浮いているバーチャルなもの
こちらは洋服などの商品をかざすと詳細な情報がディスプレイに表示される
LUMIXコーナーでは、モデルとカメラマンによる撮影会が行なわれた
航空機向けの設備などを提案するアビオニクス事業の展示。展示にはシンガポール航空も協力
ブースでは、凹凸の有機ELを組み合わせた展示提案を行なった

中国メーカー、ハイアールもスマート家電を提案

 中国メーカーでは、ハイアールが白物家電を展示しており、そのなかで、タブレットを利用して家電製品をコントロールする「Sm@rt home」を提案。照明の明るさやエアコンの温度設定などをタブレットから操作してみせた。

ハイアールは「Sm@rt home」を提案してみせた
ハイアールはタブレットを利用した家電製品のコントロールをデモストレーション
照明などもタブレットから操作できる
デザイン性を高めた洗濯乾燥機

大河原 克行