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シャープ、乾燥機能を使ってもらうため、時短と節電につとめたドラム式洗濯機

プラズマクラスター洗濯乾燥機 ES-Z110

 シャープは、省エネ性と時短にこだわったドラム式洗濯乾燥機「プラズマクラスター洗濯乾燥機 ES-Z110」を11月1日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は300,000円前後。

 洗濯容量9kg、乾燥容量6kgのドラム式洗濯乾燥機。シャープでは、昨年モデル「ES-Z100」からヒートポンプを搭載している。

 同社の調べによると、洗濯乾燥機所有者の7割が、乾燥に時間がかかる、電気代がかかるなどの理由から、乾燥機能をたまにしか使わないか、ほとんど使わないという。新製品では省エネと時短を実現することで、乾燥機能が活用されることを狙った。

乾燥機能を使わない人の多くが電気代と運転時間のロスを挙げた
ヒートポンプは、空気中の熱を奪って別の場所へ移動させ、冷却や加熱を行なうシステムで、ヒーターより省エネ性が高い。新製品ではさらに省エネ化した

 新製品では、省エネ化と洗濯乾燥時間の短縮のため、ヒートポンプ乾燥エンジンを改良したほか、洗剤の種類や汚れ具合などを見分ける7種類のセンサーを搭載した点が特徴。6kgの洗濯乾燥時、消費電力量は昨年モデルの610Wから590Whに抑え、洗濯から乾燥にかかる目安時間は155分から150分へ短縮した。シャープでは“業界最高水準”の省エネと時短を謳っている。

本体側面
本体右上の操作ボタン

 具体的な改良点としては、ヒートポンプ乾燥エンジンの風の吹き出し口を従来の1.7倍に拡大し、熱エネルギーをロスなく送風して乾燥効率を向上させた。衣類全体をムラなく乾かし、シワを抑える効果も期待できるという。

背面気流の吹き出し口を昨年モデルの1.7倍に拡大して、熱エネルギーのロスを抑えた送風が可能になり、感想効率を向上させた
風量をアップさせ、シワを抑える効果もある
ユーザーの洗濯環境を7つのセンサーが見分け、最適運転する。ユーザーの洗濯環境を7つのセンサーが見分け、最適運転する。開発の背景には、1回あたりの洗濯量や洗濯頻度、洗剤の種類など、人々の洗濯パターンの多様化があるという

 ユーザーの洗濯状況を見極める7つのセンサーには、従来の「乾燥」、「衣類量」、「布質」、フィルターの目詰まりを検知する「フィルター」の4つのセンサーに加え、「洗剤」「汚れ」「周囲温度」を見極める3つのセンサーを追加した。これらのセンサーによる情報から、多様化するユーザーの洗濯状況を見極め、最大72通りから最適な運転パターンを選び、省エネと時短運転を行なう。

 具体的には、濃縮洗剤を使っている場合は自動ですすぎを1回にしたり、衣類の汚れが少ない時は洗濯時間を短縮したり、水温が低い冬場は時間をかけてじっくり洗濯するという。約2kgの洗濯だけなら最短10分、約0.5kgの洗濯乾燥時間は最短35分となる。

洗剤センシングは、すすぎ1回の濃縮液体洗剤とすすぎ2回の粉末洗剤の違いを、泡の量と洗濯水の透明度から判定する
ユーザーの洗濯スタイルに合わせて効率的に省エネ、時短を行なう

人の行動の無駄も防ぐ「ココロエンジン」を搭載

 新機能では、電気代や時間の無駄を防ぐだけでなく、人間の動作の無駄も防ぐ人工知能「ココロエンジン」を搭載した。ココロエンジンは、7つのセンサーから得た情報をもとに、洗剤の使い過ぎや衣類の入れ過ぎ、衣類の偏りやフィルターの目詰まりを検知すると、ユーザーにおしゃべりして知らせる機能を搭載している。

7つのセンサーから得た情報をもとに、洗濯状況をおしゃべりで伝えてくれる

 例えば洗剤を入れ過ぎると、洗濯終了後と次回の洗濯開始前に、「洗剤が多すぎたようです。たくさん入れても汚れ落ちは変わりませんよ」などと話す。

ココロエンジンが人間の行動の無駄を防ぐ
全自動を謳う洗濯機だが、衣類を入れたり、洗剤や柔軟剤を入れる作業はユーザーの手によって行われる。この人の行動を最適化することが省エネに繋がるという
エコ洗濯の結果を、おしゃべりして知らせる機能も搭載

 洗浄力の点では、従来通り、ドアの内側にひまわりの種子配列を応用した突起を設けた「ひまわりガラス」を採用し、さらにドラム底面にも突起を追加して、回転水流による揉み洗いと遠心力によるこすり洗いを合わせ、洗浄力を高めた。

ドアの内側に採用した「ひまわりガラス」
表面に凹凸を設けた
ドラム底面にもひまわりの種子配列を応用した突起を設けた

 本体サイズは640mm×728mm×1,114mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は80kg。カラーはゴールド系とホワイト系。ドアは右開きと左開きを用意する。

小林 樹