シャープ、業界初の“オールLED”シーリングライト

~調光・調色機能も搭載。センサーで約65%省エネ

 シャープは、業界初のLEDシーリングライト「ELM(エルム) LEDシーリングライト」6機種を、9月17日に発売する。価格はすべてオープンプライス。ラインナップは以下の表の通り。


LEDシーリングライトのラインナップ調光・調色機能を搭載した上位3モデル下位3モデルでは光色は昼光色のみだが、調光機能を備えている

※和風デザインを採用
型番エコあか
リズム
調色調光光束光色消費
電力
外径
寸法
寿命店頭予想
価格
DL-C501V5,100lm寒色

暖色
86W600×43mm
(直径×高さ)
40,000時間75,000円前後
DL-C301V3,400lm59W60,000円前後
DL-C302V※65,000円前後
DL-C501D--5,100lm寒色
のみ
86W55,000円前後
DL-C301D--3,400lm59W45,000円前後
DL-C201D--2,350lm46W35,000円前後

 業界では初となる、すべての光源をLEDとするシーリングライト。LEDを採用することにより、「本体の薄型化」、「調色・調光機能」の搭載、「センサーによる省エネ」という、3つの特徴を備えている。

 「本体の薄型化」については、光源に高輝度のLEDデバイスと、同社独自の光拡散技術を採用することで、高さを最厚部で43mmという薄型とした。同時に、広範囲への配光と、均一面発光とすることで、同社では天井になじみ、部屋がすっきり広々と感じられるという。

LEDシーリングライトを横から見たところ。厚さは最大43mmカットモデル。内部にはLEDが搭載されている
薄型デザインながら、均一な面発光ができるような機構になっているDL-C501Vを12畳のリビングに取り付けたところ。直下照度は469lx(高さ2.4mの場合)

 「調色・調光機能」については、白熱電球に近い暖色から、青みがかった寒色まで、10段階に色を変える調色機能と、それぞれの光色で明るさを10段階に変える調光機能を搭載。さらに、10段階調光の常夜灯も備えており、合計で110通りの光と明るさから、生活シーンや用途に合わせて好みの明かりが選べることになる。

調光と調色で、常夜灯も合わせて合計110通りの明かりが選べる調色しているところ。本体内部には違う色のLEDデバイスを搭載しているという(撮影時のホワイトバランスは4,000Kで固定)常夜灯のようす

調色のようす

 「センサーによる省エネ」では、明るさと光色を自動調節する「エコあかリズム」機能を搭載。これは、リモコンのエコあかリズムボタンをONにすることで、朝~昼は目覚めの良い明るい寒色系の光、夕方から夜にかけてはくつろぎ感のある暖色系の光、就寝前にはさらに明るさを抑えた暖色系の光へと変えるというもの。これにより、エコあかリズムOFF時と比べ、消費電力を最大65%抑えながら、生活リズムに適した空間を演出することができるという。

 センサーではこのほか、明るさ感を損なわないように、緩やかに光を抑える「エコ調光」、外光が射し込んだ際に光量を抑える「エコセンサー」も搭載。点け放しの状態と比べると、エコ調光では約20%、エコセンサーでは最大約60%の省エネになるという。なお、エコ調光とエコセンサーは、エコあかリズムの使用時は自動でONになる。

自動調色・調光で省エネする「エコあかリズム」は、奈良女子大学との共同開発で生まれたものというエコあかリズムの調色例。目覚め時には寒色系の光を、就寝前には暖色系の光にするよう自動でコントロールするそれぞれの光色に適した場面
エコ調光は緩やかに明るさを抑えるため、調光されていることに気付きにくいというエコセンサーは、外光に応じて明るさを抑えられる機能。全灯時と比べ、最大で約60%の省エネができるというシーリングライト中央には、センサーの穴が開いている

 設置性については、一般家庭の天井に付いている天井用の配線器具に可能。虫が集まりにくいLED光源を採用し、虫が器具の中に入りにくい密閉構造も採用している。

 このほか、設定時間に自動で点灯し、調色・調光する「留守タイマー」、強い明るさが欲しい場合に、一時的に強力な明かりを発する「明るさプラス」、オンタイマー、オフタイマーも備える。リモコンには、好みの明るさと光色を2パターン登録できる「お気に入り」ボタンも用意する。寿命は40,000時間。

 なお、全灯時の消費電力は、一般的な蛍光灯のシーリングライトとほぼ同程度の消費電力になっており、センサー機能を使って省エネできる仕様になっている。

設置は工事不要。家庭の引っ掛けシーリングにも取り付けられる長寿命、低紫外線、素早いON/OFFなど、LEDならではの特徴も備える虫が集まりにくい「虫ぎらい設計」。シャープの八尾工場の屋外に設置した実験でも、本体の中に虫が入らなかったという
付属のリモコンカバーを開ければ、より詳細な設定ができる

調色・調光という“新しい贅沢”が体験できる照明器具

シャープ 健康・環境システム事業本部 大塚尚孝副本部長

 シャープの健康・環境システム事業本部 大塚尚孝副本部長は、オールLEDのシーリングライトを開発した理由について「日本の家庭で消費される電力のうち、照明は約16%。エアコンや冷蔵庫などと比べると、照明器具の省エネ化は遅れている。特にリビングのように、使用時間が多く消費電力が多い部屋では、電球を使わないケースが多く、シーリングライトの省エネ化が必要と考えている」と説明。続けて「3つのエコ機能による優れた省エネ性能で社会に貢献するとともに、調色・調光という“新しい贅沢”を提案していきたい」と、新製品をアピールした。

 なお、直管型の蛍光灯に置き換わるLEDに関しては「(設置に)工事がいる点、省エネにならない点から、現時点では予定はない」としている。

家庭で消費される電力のうち、照明器具は冷蔵庫と並んで2位。ちなみに1位はエアコンシーリングライトは、リビングなどで長時間使用されることから、消費電力は高くなっている




(正藤 慶一)

2010年8月19日 17:02