シャープ、“業界最高”の明るさと効率のE17口金LED電球

~E17シャンデリア型と軽量E26口金タイプも

シャープのLED電球のラインナップ
 シャープは、E17口金で業界最高の明るさを実現したE17口金のLED電球など、「ELM(エルム)」シリーズ6機種を8月25日に発売する。

 ラインナップは、E17口金の小型電球タイプ、E17口金のシャンデリア電球タイプ、E26口金の一般電球タイプの3種類。価格はすべてオープンプライス。詳細は以下の表の通り。


小型電球タイプの「DL-JA51N」(左)と「DL-JA42L」シャンデリア電球タイプ「DL-JC2BL」(左)と「DL-JF2BL」。いずれも電球色タイプとなる一般電球タイプの「DL-LA41N」(上)と「DL-LA32L」

シリーズ名ELM(エルム)
タイプ小型電球タイプシャンデリア電球タイプ一般電球タイプ
品番DL-JA51NDL-JA42LDL-JC2BLDL-JF2BLDL-LA41NDL-LA32L
光色昼白色相当電球色相当電球色相当
(クリア)
電球色相当
(カバー)
昼白色相当電球色相当
口金E17E17E17E17E26E26
定格消費電力5.2W4.3W7.5W
全光束500lm400lm230lm240lm485lm380lm
白熱電球と比較した
明るさ(全光束)
40W形相当25W形相当25W形相当25W形相当40W形相当30W形相当
白熱電球と比較した
明るさ(直下部)
60W形相当50W形相当25W形相当25W形相当60W形相当40W形相当
調光器対応----
密閉器具対応
サイズ
(直径×高さ)
68×35mm96×35mm109×60mm
重量47g55g50g85g
寿命40,000時間
店頭予想価格4千円前後3千円前後


“業界最高”の明るさと発光効率――E17口金小型電球タイプ

 E17口金の小型電球タイプ「DL-JA51N/JA42L」は、全光束が小型白熱電球40W相当、ライト直下部の明るさは60W形相当のLED電球(昼白色タイプの場合)。

小型電球タイプの電球色相当「DL-JA42L」。全光束は500lm小型電球タイプの昼白色相当「DL-JA51N」。全光束は“業界最高”の500lm

従来モデル(左)との比較
 2月に発売したE17口金のLED電球「DL-J40AL/AN」の上位モデルで、従来よりも明るい点が特徴。光源に、高輝度・高効率の銭形LEDデバイスを採用するほか、LEDチップを増量し、また基板パターンの最適化した。これにより、明るさは従来モデルよりも約1.6倍となる500lmとなった(昼白色タイプの場合。電球色タイプは400lm)。また、1W当たりの発光効率は96lm/Wとなり、同社では明るさと発光効率について“業界No.1”としている。

 また、従来モデルでは対応が明らかにされていなかった密閉型器具についても、本製品では、発熱量を低減することにより使用可能となっている。さらに、寿命も25,000時間から40,000時間に伸びている。

 電気料金の目安は、1カ月使用した場合で約35円(1日10時間使用と仮定)。

 同社によれば、照明器具全体におけるE17口金の割合が、家庭内の照明の多灯化、分散化によりここ数年伸びており、2012年には全体の36%を超えるという。

LEDには同社独自の「銭形LEDデバイス」を採用。さらに、LEDの面積を拡大し、チップも増量したまた、基板パターンも簡素化した明るさは従来モデルの約1.6倍。昼白色タイプでは、業界最高の明るさを発光効率を備えている

光拡散レンズできらめきを演出――E17シャンデリア電球タイプ

 シャンデリア電球タイプ「DL-JC2BL/JF2BL」は、シャンデリアに取り付けるための装飾用LED電球。クリアカバータイプの「DL-JC2BL」、乳白カバータイプの「DL-JF2BL」の2機種が用意される。全光束・ライト直下部の明るさはいずれも白熱電球25W相当。

シャンデリア電球タイプの「DL-JF2BL」。カバーは乳白色DL-JC2BLは乳白カバーのないクリアタイプとなる

 シャンデリア電球のクリアな輝きを実現するため、「光拡散レンズ」を採用した点が特徴。LEDの光は直線的で光が拡散しにくい性質があるが、この光拡散レンズを通すことで、シャンデリアならではのきらめき感が楽しめるという。このため、電球が露出するシャンデリア器具にも違和感なく取り付けられ、レストランやホテルなど明かりの演出が求められるシーンで利用できるという。

 また、調光器具にも対応する。電気料金の目安は、1カ月使用した場合で約29円(1日10時間使用と仮定)。

 なお、本製品は一般向けにも発売されるが、商業施設などBtoBビジネスにも展開されるという。

点灯中のDL-JC2BLシャンデリアに使用しているところ消灯中。本体内には光拡散レンズが確認できる
光拡散レンズを採用することにより、直線的な光のLEDでも、きらめき感が演出できるという光拡散レンズ一般向けのほか、BtoB向けにも展開される

シャンデリアの調光中のようす

軽量化で多灯型照明にも取り付けられる――E26一般電球タイプ

 E26口金の一般電球タイプ「DL-LA41N/LA32L」は、全光束が白熱電球40W相当、ライト直下部の明るさは60W形相当のLED電球(昼白色タイプの場合)。

一般電球タイプの電球色相当「DL-LA32L」昼白色タイプの「DL-LA41N」

 2009年9月に発売したE26口金のLED電球「DL-L601N/L」に置き換わるLED電球で、従来よりも重量を約半分と軽量化した点が特徴。光源部下のヒートシンク部の製造方法を、ダイキャスト(金型鋳造)からプレス加工に変更したことで、厚さを従来の6mmから0.5mmに薄型化。これにより、重量は従来の168gから85gとなった。多灯型の照明器具にも取り付けやすいという。

 また、ヒートシンクの根元部分もスリム化されており、さまざまな照明器具に適合しやすくなった。このほか、従来では対応していなかった密閉型器具にも対応している。

 なお、従来モデルと比べた全光束は、昼白色タイプでは560lmから485lmに下がり、電球色タイプでは360lmから380lmに上がっている。

根元部分をスリムにし、より電球の形に近づけたヒートシンク部の製造方法をプレス加工に変更。従来よりも重量が半分になった

シャープは“デバイス、モジュール、商品でナンバーワンのものづくり”

シャープの健康・環境システム事業本部 副本部長 兼 LED照明事業推進センター所長の大塚尚孝氏
 発表会に出席した、シャープの健康・環境システム事業本部 副本部長 兼 LED照明事業推進センター所長の大塚尚孝氏は、白熱電球を廃止する動きが世界的に広がっている点を指摘。日本やアメリカ、EUのほか、マレーシアでも2014年に白熱電球の製造を中止する動きが出てきているという。また、LED照明の世界市場は、2012年度には2009年度の5倍となる2兆3,400億円との予測を明らかにした。

 大塚氏はさらに、LED電球を含むシャープのものづくりの特徴を「LEDチップ・デバイスと、電源を組み込んだモジュール、そして商品と、どこの軸をとってもナンバーワンであることを念頭にものづくりをしている。そのため、最新デバイスをいちはやく商品に活用できるよう、製造サイクルを早く回すことができる」と説明した。今後のLED照明事業については、引き続き「ラインナップ拡大」「業務用照明拡大」「海外事業の立ち上げ拡大」「健康照明」の4点を軸にして展開していくという。

 また、LED電球のシリーズ名称として、今後は「ELM(エコ ライティング マネージメントの略)」を採用しすることを表明。合わせて、従来は白を基調としていたパッケージを、ELMのブランドカラーである緑に変更する。

 なおELMは、1973年のオイルショックの際に、「Energy Labor Material」の略称として同社の省エネ製品のブランドとして使用されたことがあり、同社にとって記念碑的な名称である。

白熱電球の使用を中止する動きは世界中に広まっている2012年度のLED市場は、2009年度比で世界で5倍、日本で4倍になると見られているシャープのものづくりは、デバイス、モジュール、商品とすべての軸でナンバーワンを目指しているという

今後のLED照明事業は、「ラインナップ拡大」「業務用照明拡大」「海外事業の立ち上げ拡大」「健康照明」がテーマ2010年より、LED照明のシリーズ名に「ELM(エルム)」のブランドを採用している新パッケージは、ELMのブランドカラーである緑を多用している



(正藤 慶一)

2010年7月13日 17:56