パナソニック、美術ギャラリーの照明を“オールLED”化

~有機EL照明の試作品も採用

 パナソニック電工は、同社の汐留ミュージアムの常設展示コーナー「ルオーギャラリー」の照明を、LEDを中心とした次世代照明にリニューアルした。

「汐留ミュージアム」は、東京・汐留のショールーム4階にあるミュージアム内の一角にルオーギャラリーがあるルオーギャラリーの内部

LEDでライトアップされたルオーの絵画
 ルオーギャラリーは、20世紀に活躍したフランスの画家であるジョルジュ・ルオーの作品を展示する常設展。これまでは、ハロゲンダウンライトやスポットライト、美術館専用の蛍光灯を使用していたが、今回のリニューアルにより、高演色のLEDスポットライトや、色温度が変えられる展示ケース用のLED照明など、絵画の照明すべてにLEDを採用した。


 これにより、消費電力がリニューアル前の約1,900Wから約900Wと半分に抑えられ、さらに寿命が40,000時間と長いため、開館中の球切れなどの恐れもないという。

従来のルオーギャラリー。ハロゲンのダウンライトやスポットライトを使用していた光源はLEDを中心にリニューアル

展示ケース内の明かりには、これまで美術館専用の蛍光灯を使用していた新たに、色温度が変えられるLED照明を採用した

 光源にLEDを採用することによるメリットは、省エネのほか、光色にバリエーションのあるクリアな展示ができる点もある。同社によると、従来のハロゲンライトは、調光で光を抑えると、色温度が低くなってしまう問題があったという。しかし、今回新たに採用したスポットライトでは、色温度が2,700K(電球色相当)と3,500K(温白色相当)という2色のLED電球を採用。展示作品に合わせて色温度が選んだり、光色を組み合わせて使用できるというメリットがある。

 また、展示ケース内の照明では、従来は単色の美術館用蛍光灯を使用していたが、新採用の色温度が変えられるLED照明の導入により、展示内容により光色を電球色/温白色/昼白色から選択できるようになった。

スポットライトには、電球色と温白色の2種類を採用。色を組み合わせるなどの利用がデキル展示ケース内のLED照明
展示ケースのLEDでは、色温度が変更可能。写真は昼白色相当電球色に変更したところ温白色相当。通常はこの状態で展示されているという

 さらに、LEDは小型なことから、従来の照明よりもコンパクトにできることから、簡単にリニューアルできるというメリットもあるという。

 このほか、ルオーの彫刻台には、有機EL照明パネルの試作品を採用している。

ルオーの彫刻台には、有機LED照明の試作品を使用有機EL照明は、彫刻台の下から光を当てている

  同ギャラリーの照明設計に携わった、パナソニック電工の照明事業本部デザインEC 藤原工氏によると、今回のリニューアルにより、同社独自の“明るさ感”の指標である「Feu(フー)」値が、従来の3.9から6.7に上がったという。藤原氏は、来年度以降にはミュージアム全体をオールLEDにすることを明らかにしたうえで、「Feuによる、明るく快適でエコな美術館空間を作っていきたい」と話した。

新しいLEDスポットライトを手に取る、パナソニック電工 照明事業本部デザインEC 藤原工氏パナソニック独自の“明るさ感”の指標「Feu」は、3.9から6.7に上がったという同ミュージアムでは、6月26日よりイギリスの陶芸家、ハンス・コパー展も開催されている。こちらでもLED照明が使用されているという



(正藤 慶一)

2010年6月28日 15:26