シャープ、イオン発生時の運転音と消費電力を抑えた加湿空気清浄機


シャープの加湿空気清浄機「KC-Y80」
 シャープは、プラズマクラスターイオン発生時の運転音を抑えた加湿空気清浄機「KC-Y80」ほか、全4機種を9月1日に発売する。ラインナップは以下の表の通り。
9月1日に発売する、シャープの加湿空気清浄機のラインナッププラズマクラスターイオン、加湿の適用床面積がいずれも21畳の「KC-Y80」プラズマクラスター、加湿の適用床面積が17畳の「KC-Y65」
プラズマクラスター、加湿の適用床面積が13畳の「KC-Y45」10畳用の「KC-Y30」は、昨シーズンにはなかった新モデルとなる


型番KC-Y80KC-Y65KC-Y45KC-Y30
高濃度プラズマ
クラスターイオン
適応床面積(目安)21畳17畳13畳10畳
加湿適応床面積(目安)21畳17畳13畳10畳
1時間当たりの
最大加湿量
760ml600ml450ml350ml
8畳の清浄時間約9分約12分約20分約21分
消費電力7.9~59W6.2~39W5.3~16W3~26W
運転音24~49dB20~46dB20~39dB22~48dB
水タンク容量約4.3L約4L約3L約2.1L
加湿方式ローター気化式気化方式
空気清浄適応床面積(目安)36畳30畳21畳13畳
8畳の清浄時間約8分約10分約13分約21分
消費電力3.5~84W3.1~70W2.3~43W3~26W
運転音15~52dB14~52dB13~49dB22~48dB
ツイン気流/吸音ダクト構造-
本体サイズ
(幅×奥行き×高さ)
398×288×636
mm
378×265×593
mm
360×233×560
mm
375×205×535
mm
重量約11kg約9.3kg約8kg約6.1kg
店頭予想価格7万5千円前後5万5千円前後4万5千円前後4万円前後
カラーホワイトホワイト
ブラック
ホワイト
ブラック
レッド
ホワイト
ピンク


プラズマクラスターイオンの仕組み。空気を電気分解してできたプラス/マイナスのイオンが、ウイルスやニオイ成分のたんぱく質と反応し、無力化する効果があるという

 いずれも空気清浄機に加湿機能を搭載した「加湿空気清浄機」で、従来機種に引き続いて、同社独自の「高濃度プラズマクラスターイオン」の発生装置を搭載。空気中の水分子と酸素分子を電気分解し、プラスとマイナスのイオンを空気中に放出することで、空気中のウイルスや菌、ニオイ成分とイオンが反応し、無力化する効果がある。イオン濃度はいずれも1立方cm当たり7,000個。

 本製品では、このプラズマクラスターイオンを部屋中に行き渡らせる際の運転を、従来の「強」運転から「中」運転でできるようにし、運転音と消費電力を抑えた点が特徴となる。

 まず、本体前方から空気を吹き出し、室内中央にプラズマクラスターイオンを届ける「前方気流」を新たに搭載した。従来製品から継承する、本体後方斜め20度の角度で空気を吹き出して部屋全体に風を届ける「後ろななめ20°気流」と併用することで、「中」運転でも部屋中にプラズマクラスターイオンが行き渡せられるようになった。同社ではこの2つの気流を合わせて「ツイン気流」と名付けている。

 また、空気の吹出し口付近に、多数の穴が開いたダクトや吸音材を設置。耳障りな音を低減する「吸音ダクト構造」を採用。これにより、「中」運転での運転音を40dBに抑制した。

 これによりKC-Y80の運転音は、従来機種の53dBから40dBと、13dB抑えられるという。さらに、これまで強運転だったのが中運転でもプラズマクラスターイオンを部屋に満たすことができるため、消費電力も抑制。KC-Y80を24時間使用した際の電気代は、従来機種の約44円から、約11円に抑えられるという。

従来の「後ろななめ20°気流」に加え、本体前方に空気を吹き出す「前方気流」も採用。この2つの気流「ツイン気流」により、運転音と電気代を抑えながら、プラズマクラスターイオンを空気中に満たすことができる仕組みになっている前方気流の吹き出し口。イオン発生時には青いランプが点灯する
本体の内部構造。風路に「吸音ダクト」という穴と吸音素材を採用することで、運転音を抑える効果があるこの吸音ダクトは、音楽室の壁や自動車のマフラーにも採用されている従来機種との、「強」運転における運転音の比較

これにより、高濃度プラズマクラスターイオンを部屋に満たす際に、従来の「強」ではなく、「中」運転でできるようになり、運転音が低減されたそれに応じて、消費電力も抑えられるようになった。なお、KC-Y30は今年からの機種のため、比較対象はない

 加湿方式は、回転する円形のフィルターに水を吸着させ、そこに風を当てて湿った空気を吹き出す「ローター気化式」を採用する。加湿フィルターには、従来機種よりも大型化を図ることにより、低パワーでの運転時における加湿性能が向上。KC-W80の場合、中運転の1時間当たりの加湿量は、従来機種よりも100ml多い600mlとなった。また、運転音も2dB低減している。なお、加湿フィルターは10年間が交換が不要。

 空気清浄時の1分当たりの風量は、従来機種に引き続いて8立方m(KC-Y80の場合)。10年間交換不要のHEPAフィルター、水洗いで脱臭効果が修復できる脱臭フィルターも備える。湿度モニター、色で空気の汚れを表示するハウスダストモニターも備える。

 なおKC-Y30は、従来機種にはなかった10畳向けの製品。ワンルームマンションに住むシングル層向けに新たに投入するという。KC-Y30では、吸音ダクト構造、ツイン気流、10年間交換不要の加湿フィルター、湿度モニターなどが省かれている。

加湿フィルターは、従来機種よりも大きいものを使用加湿フィルター全面を効率よく使うため、中運転時の加湿能力、および静音性が向上したフィルターは10年間交換不要のHEPAフィルターと、洗って効果が修復できる脱臭フィルター、メッシュのプレフィルターを備える。
前面の湿度モニターは、従来機種から大きさを2倍にアップ。ハウスダストモニターはデザインを変更している10畳用の「KC-Y30」は、ワンルームマンションに住むシングル層向けに新たに作られた加湿フィルターは円形ではなく、一般的な気化式のフィルターを採用する


ドライアイスを使った、KC-Y80が空気を吸い込むようすのデモ

“空気のあるところすべてをプラズマクラスターイオン空間に”

シャープの健康・環境システム事業本部長 副本部長 兼 空調システム事業部長の浅野豊氏

 シャープの健康・環境システム事業本部長 副本部長 兼 空調システム事業部長の浅野豊氏は、4~6月の同社の空気清浄機の売り上げが、業界では前年同期比で1.2倍の増加だのに対し、同比で約3倍程度と、4~5月に流行した新形インフルエンザの影響を受けて好調な売上を記録したことを発表した。

 また、プラズマクラスターイオンと他社のイオン機能の違いとして、“学術的な裏付け”、“他業種への導入事例”、“ユーザーからの反響”、“メカニズムや安全性を解明済み”という4点を指摘。「目に見えないものだけに、そこをきちっとしていく事が重要だと思っている。国内外の最先端の学術機関と協同で研究し、分解・除去のメカニズムまで解明している。突然変異なども起こらないことも分かっており、実使用を想定した大空間での検証も行なっている」と、その効果に自信を見せた。

 また、JRの山形新幹線や積水ハウスの住宅など、公共空間や居住空間など、いろいろな場面でプラズマクラスターイオンが採用されている点については、「プラズマクラスターイオンは個人のニーズから社会のニーズに変わってきている。自社製品や他社製品にを導入することで、“空気のあるところすべてをプラズマクラスターイオン空間に”というのが我々の考え方」と、今後も導入ケースを広げていく姿勢を見せた。

シャープが掲げる、プラズマクラスターイオンの長所。まとめると、“学術的な裏付け”、“他業種への導入事例”、“ユーザーからの反響”、“メカニズムや安全性を解明済み”という4点になるプラズマクラスターイオンは、国内外の13研究機関によって、さまざまな効果が検証されている会場では、ウイルスに対する効果を検証した実験設備が公開された
7月には、積水ハウスの住宅の天井に、プラズマクラスターイオンの発生機を導入すると発表された異業種24社にプラズマクラスターイオンのデバイスを供給している点も強みだというプラズマクラスターイオンのメカニズム、および安全性についても解明済みとのこと

2009年8月3日 18:20