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振り込め詐欺対策に役立つ7つの機能を搭載したFAX電話機
(2015/2/5 14:27)
シャープは、振り込め詐欺対策に役立つ7つの機能を搭載したFAX電話機「UX-AF90CL/CW」と、デジタルコードレス電話機「JD-AT80CL/CW」全4機種を2月27日より発売する。価格はオープンプライス。FAX機能の有無、子機台数によって価格は異なり、店頭予想価格は16,000~38,000円。
近年に増加している振り込め詐欺対策に役立つ機能を搭載した電話機。同社によると、固定電話機の購入者は70%以上が60歳以上で、振り込め詐欺の被害者と年齢層がほぼ一致する。実際、振り込め詐欺のほとんどが固定電話を利用しており、ある家では2週間に着信があった20件のうち、実に18件が勧誘電話だったという。
シャープ デジタル情報家電事業本部 モバイルソリューション事業部 事業部長 辰巳剛司氏は、「留守番電話などを使っても対策しきれない。従来から迷惑電話対策機能を搭載した機種はあったが、操作が複雑だったり、機能が多すぎてしまったり、高齢者にわかりにくいという欠点があった。振り込め詐欺の多さを目の当たりにして、当社の製品で何かお手伝いできないのかと考え、実態の洗い出しから開発をスタートした」と話す。
本体には、振り込め詐欺対策に役立つ機能を7つ搭載。いずれも出荷時からデフォルトで設定されているもので、利用者が何か操作をする必要はない。
具体的には、知らない電話番号から着信があると、まず電話機本体が赤色のランプで知らせ、その後相手に名前を名乗ってもらうように促す。その際「ただいま、振り込め詐欺対策モードになっています。この通話を録音します。呼び出しますので、恐れ入りますが、あなたの名前をおっしゃってください」というメッセージが流れる。
その後、電話に出た場合通話内容は全て録音される。電話を切ってからは、今の通話相手が安全な相手なのかを音声メッセージで問う。あやしい電話ならば「お断り番号」に登録すると、その後の着信は拒否される。
更に、電話を切った後に冷静になるように「落ち着いてお待ちください」などのメッセージが流れる。不安を覚えた場合、あらかじめ登録しておいた電話番号にワンタッチで発信できる「あんしん相談」ボタンを押すことで、肉親や友人などにすぐアドバイスを求められる機能も備える。
製品本体は、使いやすさを重視した。大きくみやすい大型液晶を備えるほか、ワンタッチで音量を大きくできるボタンや、基本操作を音声でガイドする機能を備える。
足立区で社会実験をスタート
今回の新モデルは、東京都・足立区で社会実験を行なう予定だという。足立区は、2013年、2014年ともに振り込め詐欺を含む特殊詐欺被害が年間3億円を超えており、東京都が実施している「特殊詐欺根絶オール東京プロジェクト」のモデル自治体として選定されている。
今回は、シャープの製品提供により、4月から9月までの半年間、足立区内の65歳以上の100世帯を対象にモニター機を配布、犯罪防止対策として有効か、効果検証を行なう。
足立区危機管理室 危機管理課 課長の伊藤三津夫氏は、「足立区はかつて犯罪多発地域とのイメージが根強かったが、近年は改善されている。犯罪を許さないという姿勢の基、今回のプロジェクトに賛同した。実証実験の結果次第では、補助金なども前向きに検討していきたい」と話す。