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結露の心配ナシ! 顔周りだけ加湿する「パーソナル保湿機」

就寝時の乾燥に特化した“パーソナル保湿機”

「パーソナル保湿機 SH-JX1」使用イメージ

 三菱電機は、部屋全体でなく人の顔周りだけ加湿する「パーソナル保湿機 SH-JX1」を11月14日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は3万円前後(税抜)。

 就寝中の乾燥を解消する寝室専用の小型加湿器。同社によると、就寝時の乾燥が気になる人は多いものの、窓の結露やお手入れ、清潔性などを理由として、寝室で加湿器を使っている人は全体の約3割程度だったという。

 「高機能の加湿空気清浄機は、しばらく使ってからそのまま使わなくなってしまう人も多い。20代半ばの私の娘も2年ほど加湿空気清浄機を使っていたが、今は使っていない。多くの加湿空気清浄機は、加湿方法が気化式のため、寝室で使うには音が気になる。また窓の結露や寝具の湿気など、加湿しすぎを気にする人も多かった」(三菱電機ホーム機器 代表取締役 田代正登氏)

寝室での乾燥を気にする人は多い
乾燥対策として加湿機を使っている人は約30%だった
三菱電機ホーム機器 代表取締役 田代正登氏

 三菱電機ではこれらの背景から、寝室で顔の周りだけを保湿する「パーソナル保湿機」の開発を進めた。加湿方式には、衛生面、運転音などの観点から水を温めて蒸気にする「スチーム式」を選択。ただし、高温のスチームはすぐに上昇して顔まわりに届かない、顔周りに高温のスチームを当てるのは危険などの問題があった。

 そこで、パーソナル加湿器では、スチームと常温風を混合させる独自の機構を採用。常温の風を混合させることで、吹き出し口のスチーム温度は約45℃となり、常温風がスチームの上昇を抑えることで、約75cm先までスチームを届けることができた。

製品本体。ホワイトとピンクの2色展開
常温風とスチームを混合させる独自の機構を採用
本体内部の機構
一般的なスチーム式加湿機。蒸気が高温で、横ではなく真上に上がってしまう、75cm先の湿度は本体横の湿度と同じ程度
パーソナル保湿機では、蒸気が真横に出る。75cm先の湿度は本体横よりも、10%ほど高くなっている
常温風でスチームの上昇を抑える

 さらに、寝室向けの独自機能を搭載。顔周りだけ加湿することで窓の結露を抑制できるほか、運転音は約27dBの低温設計を採用。本体の吸水タンクは約1Lで、8時間の連続運転が可能。また、タンクの容量を少なくしたことで、水アカの発生を抑えることもできるという。スチーム発生量は210ml/hで、8時間連続運転した場合の電気代は約21円。

 パーソナル保湿機を使うことで、肌の水分量が向上、のどや鼻の乾燥を防ぐ、ウイルスの抑制などの効果があるという。適度な湿度を保つことで、快適な眠りをサポートするとしている。

低騒音、清潔性など寝室に適した機能を多数搭載
製品本体
本体側面
給水タンクの容量は約1L
操作ボタン
パーソナル保湿機を使うことで、肌の水分量が向上、ウイルス抑制などの効果がある

 本体サイズは150×328×277mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.9kg。消費電力は210W。2~8時間の切タイマー機能を備える。本体カラーはホワイトとピンクの2色。

オムロンヘルスケアとの取り組み

眠りをサポートする機器やサービスを展開するオムロンヘルスケアと共同の取り組みを行なう

 今回の製品は、眠りをサポートする機器やサービスを展開するオムロンヘルスケアと共同で取り組む。三菱電機とオムロンの両ブランドで製品を展開するほか、マーケティング活動も双方で実施する。オムロンの“眠り”に関するノウハウや強みを活かすことで、新しい保湿スタイルを広げるという目的があるという。

 会場からは、加湿器はすでに成熟市場ではないか、という質問が出た。これに対し、田代正登代表取締役は「加湿空気清浄機の普及が進んだことで、加湿器に関していえば、むしろ縮小傾向にある。他社でも就寝中の保湿効果を謳った製品はあるが、それらの製品は加湿できる時間が短い。パーソナル保湿機では一晩中加湿し続けることができる。従来の加湿機とは違う、新しい価値、新しい市場を提案していきたい」と話した。

阿部 夏子