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パナソニック、繰り返し回数が伸びた「eneloop」と、容量が増えた「充電式EVOLTA」

~デザインはパナソニックロゴに統一。待機電力ゼロの共用充電器も

 パナソニックは、繰り返して使えるニッケル水素電池の新製品として、繰り返し使用回数が伸びた「eneloop(エネループ)」と、容量が増えた「充電式EVOLTA(エボルタ)」を、4月26日に発売する。価格はすべてオープンプライス。両シリーズのスタンダードモデル単三型4本入りの店頭予想価格は1,600円前後。

新しいeneloopと充電式EVOLTAのラインナップ
充電器もリニューアルされる

 パナソニックが展開する2つのニッケル水素電池シリーズ「eneloop」「充電式EVOLTA」の最新モデル。同社では以前から、eneloopと充電式EVOLTAの2つのブランドでニッケル水素電池を展開していくと発表していたが、今回はeneloopが繰り返し性能、充電式EVOLTAが容量を、従来モデルよりも向上した点が特徴。さらに、eneloopではデザインの変更、充電式EVOLTAでは高容量タイプの追加、両シリーズ共通の充電器を採用するなど、従来モデルから改良されている。

繰り返し回数は通常モデルで2,100回へ。eneloop liteなら5,000回の繰り返しが可能

新しいeneloop

 新しいeneloopでは、正極の材料を改良することで、繰り返し使用回数が向上。従来モデル「HR-3UTGB」「HR-4UTGB」の約1,800回と比べ、約21%増の2,100回となった。これは、単三形の容量1,900mAh以上モデル、単四形の750mAh以上モデルでは“業界最高”という。

 また、容量が通常モデルよりも少ない廉価モデル「eneloop lite(エネループ ライト)」では、繰り返し使用回数は従来モデルの2,000回から、約2.5倍となる5,000回に増えた。なお、大容量モデルの「eneloop pro(エネループ プロ)」については、従来通り500回の繰り返し充電で変わりない。

 このほか、充電後の自然放電を抑制する仕様は、従来モデルから継承。パワー残存率は、満充電して1年後で約90%(スタンダードモデルの場合。エネループプロとライトは約85%)で、5年後でも使用可能という。

繰り返し使用回数が1,800回から2,100回に伸びた。パッケージにも記載されている
eneloopのラインナップ。eneloop liteでは5,000回の繰り返し使用ができるようになった
単三形のラインナップ。左からeneloop pro、eneloop、eneloop lite
単四形でも同様のラインナップとなる
新しいeneloopと、従来モデルのeneloopの比較

 デザイン面では、従来までは電池の中心にeneloopのロゴが描かれていたが、新製品では中央に「Panasonic」のロゴを配置。eneloopのロゴはその下に小さく描かれている。

【エネループ 新シリーズの定格スペック】
タイプ種類品番定格容量繰り返し
使用回数
1年後容量
残存率
eneloop pro
エネループプロ
<ハイエンドモデル>
単三BK-3HCC2,450mAh約500回約85%
単四BK-4HCC900mAh
eneloop
エネループ
<スタンダードモデル>
単三BK-3MCC1,900mAh約2,100回約90%
単四BK-4MCC750mAh
eneloop lite
エネループライト
<お手軽モデル>
単三BK-3LCC950mAh約5,000回約85%
単四BK-4LCC550mAh

充電式EVOLTAでは容量アップ。2,500mAhの大容量モデルも追加

充電式EVOLTAは、従来モデルよりも容量が増えた点が特徴

 一方の充電式EVOLTAでは、正極材料の組成を最適化して材料の利用率を向上することで、約1,800回の繰り返し使用回数を維持しながら、容量をアップした。単三形スタンダードモデルの容量は、従来モデルから50mAh高い1,950mAh、単四形スタンダードモデルでは30mAh高い780mAhとなった。単三形をパナソニックのLEDインテリアライト「BG-KL01H-W」に使用した場合、従来モデルよりも使用可能時間が約30分長くなるという。

 また、スタンダードモデルよりも容量が少ない小容量モデル「充電式EVOLTA e(イー)」については、容量は従来モデルと同様に単三形1,000mAh、単四形650mAhだが、繰り返し使用回数は従来の約2,100回から、単三形は約4,000回に、単四形は約3,000回に増えた。

 さらに、スタンダードモデルよりも容量が大きい大容量モデル「充電式EVOLTA(ハイエンドモデル)」が、新たにシリーズに加わった。電池容量は単三形で2,500mAh、単四形で930mAhと、eneloop proよりも高い数値となっている。繰り返し使用回数は約300回。

小容量モデル「充電式EVOLTA e(イー)」では、繰り返し使用回数が最大約4,000回に伸びた
充電式EVOLTAの大容量モデルが追加された
各モデルの容量の違い
単三形充電式EVOLTAのラインナップ
単四形でも同様のラインナップとなる
【充電式EVOLTA 新シリーズの定格スペック】
タイプ種類品番定格容量繰り返し
使用回数
1年後容量
残存率
充電式EVOLTA
<ハイエンドモデル>
単三BK-3HLC2,500mAh約300回約65%
単四BK-4HLC930mAh
充電式EVOLTA
<スタンダードモデル>
単三BK-3MLE1,950mAh約1,800回約80%
単四BK-4MLE780mAh
充電式EVOLTA e
<お手軽モデル>
単三BK-3LLB1,000mAh約4,000回約85%
単四BK-4LLB650mAh約3,000回

充電器はeneloop/充電式EVOLTAの両用。待機電力ゼロに充電時間の短縮も

 充電器もリニューアルされた。今回新たに発売される充電器は、すべてエネループと充電式EVOLTAの両シリーズの充電に正式対応(従来品を含む)した。両電池の異なる特性に合わせた充電制御が行なわれているという。

充電器の新製品「エコナビ充電器 BQ-CC11」
充電器はeneloop、充電式EVOLTAに正式対応している

 また、充電器の最上位モデル「エコナビ充電器 BQ-CC11」では「待機電力ゼロモード」を新搭載。従来モデルでは待機電力は一定して0.3Wだったが、エコナビ充電器では、充電完了後に電池1本ごとの満充電状態を検知することで、充電電力を制御。待機電力は平均で0.003Wとなった。パナソニックでは、国際規格IEC62301規格における0.005W未満の待機電力をクリアしたことから「待機電力はゼロ」としている。

 エコナビ充電器ではさらに、充電しすぎの無駄を省く「スマートチャージ機能」も搭載。電池の電圧、電池や使用環境の温度を監視することで、発熱の原因となる無駄なエネルギーを削減。従来モデルの充電器「BQ-CC08」と比べて、充電時間を約5%短縮するという。なお、スマートチャージ機能が作動している場合は、本体のランプが緑色に点灯する。

電池の投入口
スマートチャージ機能が作動している場合、エコナビのランプが緑色に点灯する
充電器と充電池のセットモデルも発売される
【充電器 新シリーズの定格スペック】
品番対応電池同時充電充電時間待機電力
ゼロ
スマート
チャージ
クイック
自動診断
独立充電
表示
海外対応
BQ-CC11単三/単四4本約2時間
BQ-CC21約2時間-
BQ-CC22・単三4本
・単四2本
・単三2本と
単四1本
約4時間---
BQ-CC232本約4時間-
BQ-CC24約7時間
(お手軽モデル
の場合)
----
BQ-CC25単一~単四
6P
4本
(6Pは2本)
約6時間----

 パナソニックではニッケル水素電池の販売計画について、eneloopと充電式EVOLTAを合わせて3,100万本を目指している。なお、2012年度の販売本数は、エネループが1,800万本、充電式EVOLTAが1,150万本。

新商品一覧
これまでeneloopシリーズとして発売された単一/単二乾電池は、eneloopブランドではなくパナソニックブランドに統一される
スペーサーもリニューアルされる。電池を投入してフタを締めるスタイルになる
eneloop単品の店頭予想価格
シリーズ電池種類店頭予想価格
eneloop pro
エネループプロ
<ハイエンドモデル>
単三形2本1,000円前後
単三形4本1,900円前後
単四形2本1,000円前後
単四形4本1,900円前後
eneloop
エネループ
<スタンダードモデル>
単三形2本900円前後
単三形4本1,600円前後
単三形8本2,900円前後
単三形12本4,000円前後
単四形2本900円前後
単四形4本1,600円前後
単四形8本2,900円前後
eneloop lite
エネループライト
<お手軽モデル>
単三形2本600円前後
単四形2本600円前後
充電式EVOLTA単品の店頭予想価格
シリーズ電池種類店頭予想価格
充電式EVOLTA
<ハイエンドモデル>
単三形2本1,000円前後
単三形4本1,900円前後
単四形2本1,000円前後
単四形4本1,900円前後
充電式EVOLTA
<スタンダードモデル>
単三形2本900円前後
単三形4本1,600円前後
単三形8本2,900円前後
単三形12本4,000円前後
単四形2本900円前後
単四形4本1,600円前後
単四形8本2,900円前後
充電式EVOLTA e
<お手軽モデル>
単三形2本600円前後
単三形4本1,100円前後
単四形2本600円前後
単四形4本1,100円前後
充電器単体の店頭予想価格
品番店頭予想価格
BQ-CC213,000円前後
BQ-CC231,300円前後
BQ-CC253,500円前後
BQ-CC114,000円前後

正藤 慶一