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三菱、吸引力とコンパクトサイズを両立したサイクロン式掃除機「風神」

 三菱電機は、吸引力とコンパクトサイズを両立したサイクロン式掃除機「風神 TC-ZXC30P」を3月1日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は8万円前後。

「風神 TC-ZXC30P」シャインバイオレット
ルビーレッド

 ゴミの集じんにフィルターを頼らない“本格的”なサイクロン機構が特徴の掃除機。同社によると、国内で発売しているサイクロン式掃除機には、フィルターを使っている「フィルター式サイクロン」と、フィルターを頼らずにゴミを集じんする「本格サイクロン」があるという。フィルター式サイクロンは本格サイクロンに比べ、吸引力の持続率が劣る反面、高性能のフィルターを搭載しているため、排気のきれいさにおいては、フィルター式サイクロンの方が優位だという。

 一方で最近は、サイクロン式掃除機の小型化が進んでいるが、コンパクトなサイクロン式掃除機は、高性能のフラッグシップモデルに比べ、集じん率が劣る傾向があるという。これらの現状を踏まえ、三菱では、従来モデルの構造を抜本的に変更。吸引力を持続させながら、排気性能にもこだわり、本体サイズが小さいモデルを目指したという。

本体正面。サイクロン機構が見えにくいように、ミラー加工を施したケースを採用する
本体側面
本体裏面
各社のフラッグシップモデルを比較したところ。フィルターを採用したフィルター式サイクロンと、フィルターを使用していない本格サイクロンでは吸引力の持続に大きな差が出るという
一方、フィルター式サイクロンの方が排気のきれいさにおいては優位な結果が出た

主流と副流の2つの気流で、業界最速の旋回風速を実現

 まず、サイクロン技術に関しては、旋回室を従来の2つから1つに変更した。

 サイクロン式掃除機では、旋回室と呼ばれる筒の中で強力な気流を起こし、そのときに生じる遠心力で、ゴミと空気を分離する。三菱電機では、この旋回室にはある程度の長さと直径が必要だとし、これまで2つの旋回室を横に並べた「2シリンダー構成」を採用していたが、新モデルでは本体のコンパクト化のために旋回室を1つとした。

 TC-ZXC30Pでは、旋回室が1つでも、十分な遠心力を維持できるように、主流と副流の2つの気流を発生させ、風速90m/sを実現。これは業界最速にあたり、旋回速度も従来モデルの180回/秒から374回/秒に向上している。

三菱電機によると、旋回室にはある程度の長さと直径が必要だという
旋回室の長さと直径を維持するために、従来モデルでは、旋回室を2つ搭載していた。新モデルでは、新たな気流技術を搭載することによって旋回室を1つに変更した

 また、排気風路の最適化により、最終捕集率(排気にどれだけのゴミが含まれているかの割合)も向上。モーターを挟むようにして高性能の「ULPAフィルター」と「HEPAフィルター」を搭載。最終捕集率は従来モデルの99.99%から、99.999%に向上したという。なお、99.9%以上のゴミは旋回室で分離後、集じん室に集められるため、これらのフィルターに溜まるゴミはごく微量(7年間で約2.5g)だという。三菱電機では、フィルターの手入れをする必要はなく、フィルター性能は7年以上持続し、吸引力の低下も見られないとしている。

モーターを挟むようにして高性能の「ULPAフィルター」と「HEPAフィルター」を搭載する
本体カットモデル

固いゴミを吸っても集じん室で音がしない

 分離後のゴミを回収する集じん室も改良した。従来モデルでは、旋回室で高速回転を行なっているため、集じん室にも秒速8m程度の気流が発生していた。この気流は集じん室に溜まったゴミを再飛散させてしまうほか、ゴミが風により集じん室の壁面に当たるなどして、騒音の原因にもなっていた。

 新モデルでは、この問題を解決するために旋回室と集じん室を分離した構造を採用。このため、集じん室に気流が発生しにくくなり、ゴミの飛散を抑制できるという。集じん室内の風速は秒速2mほどで、ゴミが舞い上がりにくく、集じん室のニオイも抑えることができるという。

左からサイクロン機構(旋回室)、集じん室、本体
旋回室と集じん室を分離することで、集じん室の気流発生を抑制。集じん室内の風速は秒速2mほどで、ゴミが舞い上がりにくく、集じん室のニオイも抑えることができる

他メーカーのフラッグシップモデルに比べて圧倒的に軽くて小さい

 本体サイズは従来より大幅に小さくなった。旋回室を1つにしたことで、本体サイズが小さくなったほか、本体ケースには、軽量で丈夫なカーボン素材を含んだ樹脂を採用。モーターフレームも軽量化のために、従来の鉄からアルミに変更した。また、本体底面の面積を従来の1,019平方cmから、771平方cmに改良。本体幅が左右それぞれ19mmずつ小さくなっているため、小回りが良く、取り回しやすいという。

 本体サイズは、216×357×283mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.8kg。三菱電機では、他メーカーのサイクロン式掃除機(フラッグシップモデル)に比べても、TC-ZXC30Pが圧倒的に軽いとしている。

手前が従来モデル、奥が新モデル。旋回室の数を2つから1つに減らしたことで、本体サイズが圧倒的に小さくなった
本体素材には軽くて丈夫なカーボン素材を含んだ樹脂を採用する
各社のサイクロン式掃除機(フラッグシップモデル)に比べても、本体質量が圧倒的に少ないという

 省エネ性能では、グリップ部分の感震センサーで、使用状況を感知し、自動で運転を制御する「自動節電 スマートSTOP」を採用。

 使い勝手の面では、2つの持ち方ができる「2WAYハンドル」、軽くて持ちやすいパイプ、足でコードリールのスイッチを押せる「大型コードリールボタン」、ブラシに絡んだ毛などを簡単に掃除出来る「毛がらみクリーン」などを採用。

グリップ部分も持ちやすい形状が採用されている
サイクロン機構部分も含めて、全て水洗い可能
操作パネル
ヘッド部
ブラシに巻き付いた毛などを簡単に掃除出来る「毛がらみクリーン」を採用している
足でコードリールのスイッチを押せる「大型コードリールボタン」を本体後部に搭載する

 アタッチメントとしては、ソファやカーテンなど布製品の掃除に便利な「2WAYキャッチローラー」、布団の掃除に便利な「ふとんブラシ」、高い所の掃除に便利「2WAYロングノズル」が付属する。

 本体カラーはシャインバイオレットとルビーレッドの2色。消費電力は600〜850W。運転音は最大64dB、最小49dB。

 下位機種として、毛がらみクリーン機能、ULPAフィルターなどを省略した「TC-ZXC20P」も同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は6万円前後。本体カラーはメタリックマゼンタ、メタリックブルー。付属アタッチメントは、サッシなどの掃除に便利な「サッシノズル」のみ。

掃除機製造80周年の記念すべきモデル

三菱電機 リビング・デジタルメディア事業本部 家電事業部長 荒木茂氏

 三菱電機 リビング・デジタルメディア事業本部 家電事業部長 荒木茂氏は、今回発売した「風神 TC-ZXC30P」について「掃除機製造80周年の記念すべきモデル」と位置づけた。三菱電機は、1933年に同社として初めて掃除機を製造。その後、本体を二分割できる掃除機や、ダニ駆除システムを搭載したモデルなど、常に斬新なモデルを発売し続けてきたという。

 今後の見通しについては「2013年の見通しはまだ不透明ではあるが、2012年は白物家電の売り上げがデジタル家電を上回った年。掃除機だけでみれば、昨年比4.4%アップで、非常に手堅い市場ではある。今後ますます加速する高齢化社会を見据えてSMART QUALITY(同社のコンセプト)な製品を出していきたい」と語った。

三菱電機は、2013年に掃除機製造80周年を迎えるという
1971年の本体二分割タイプの掃除機。当時も「風神」というネーミングを使っていた
こちらは2008年に発売した円形のラクルリ。小回りの良さが特徴だった

(阿部 夏子)