日立、2時間でパンが焼けるホームベーカリー機能つきオーブンレンジ

ホームベーカリーの機能とオーブンレンジの機能を両立

ベーカリーレンジ ヘルシーシェフ MRO-BK1000

 日立アプライアンスは、ホームベーカリー機能を搭載したオーブンレンジ「ベーカリーレンジ ヘルシーシェフ MRO-BK1000」を11月10日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は13万円前後。

 ホームベーカリー機能を搭載し、食パンのねりから焼き工程まで自動で行なうオーブンレンジ。日立では、出荷台数が年々増加し、ユーザーの購入意欲が高いキッチン家電としてホームベーカリーに着目。独自の調査でも、パン作りに興味を持っている人が多かった。

 従来のオーブンレンジでも、手作りパンを焼くことはできたが、こねや発酵工程を自分で行わなくてはならず、不満が多かったという。一方、ホームベーカリーを持っている人も、使わない時の置き場所に困っているという声が挙がった。ベーカリーレンジでは、これらの現状から、従来のオーブンレンジの機能、容量はそのままに、ホームベーカリー機能を搭載した点が最大の特徴。

インターネットのレシピサイト「クックパッド」の調査では「購入したい・買い替えたいキッチン家電」の1位がホームベーカリーだった。事実、ホームベーカリーの出荷台数は年々伸長しているパン作りに興味はある人は多いものの、現状に不満を抱いている人も多かったオーブンレンジの機能とホームベーカリーの機能を両立させた点が最大の特徴。本体正面

 ホームベーカリー機構は着脱式で、パンを焼く時だけ庫内にセットする。これによりオーブンレンジとしての庫内容量は33Lを確保。過熱水蒸気/レンジ/オーブン/グリル/スチームの過熱に対応する。

 庫内には、パンケース専用の「ねりモーター」が内蔵されており、着脱式のケースと簡単につなぐことができるようになっている。

扉を開けたところパンのねり工程から焼き上げまで行なうパンケース。着脱式で、使わない時は外しておく庫内右端にはパンケースをセットする場所が設けられている
庫内に内蔵されているねりモーターパンケースを庫内にセットした状態のカットモデル庫内にパンケースをセットした状態

食パンを2時間で焼き上げる

 ホームベーカリー機能では、熱風でパンを包み込むように焼き上げる「熱風オーブン」機構と、焼き工程の温度抑制により、こねから焼き上げまでの時間を大幅に短縮。従来のホームベーカリーでは食パン1斤を焼き上げるのに約4時間ほどかかっていたところ、ベーカリーレンジでは、約2時間を実現した。これは、発酵の時間を大幅に短縮したことで、実現したもので、従来はイースト菌を十分に発酵させるために、低い温度で長時間発酵させる必要があったが、ベーカリーレンジでは焼き工程の温度の立ち上がり速度を遅くすることで時間を短縮。60℃以下の温度を長くとることで、イースト菌を十分に活性化させるという。

 日立ではこれを「追加発酵(釜伸び)」と名称。イースト菌の活動を伸ばすことで、パン上方が伸びてボリューム感のある仕上がりになるとしている。

熱風でパンを包み込むようにすることで、上面もこんがりと焼き上げるというベーカリーレンジで焼いた食パン。追加発酵することで、パンが上方に伸びるという

 食パンのほか、バターを多めに使った「バターリッチパン」や、残りごはんを使った「ごはんパン」、「米粉パン」「天然酵母パン」など全12の「オートベーカリーメニュー」を搭載。イーストではなくて、ベーキングパウダーを使った「早焼きソーダブレッド」は約41分で焼き上げることができる。

 また、パンの中に入れるレーズンやナッツなどの具材と、イーストを工程中に自動で投入する「自動投入器」も搭載する。自動投入器は、パンケースの上にセットして使う仕組みで、操作は庫外から行なう。これは、工程中の庫内温度が最大で220℃まで上がるため、パンケースに自動投入器用のモーターを搭載できなかったため。

 フランスパンやロールパンなど成形が必要なパン作りにも対応する。付属のパンケースで生地のねり・ねかし・1次発酵までを自動で行ない、その後生地を取り出して成形。その後の2次発酵や焼き工程は本体のオーブン機能で行なうため、作業がスムーズに進められるという。本体には、成形が必要な手作りベーカリーメニューとして13メニューを搭載。パンだけでなく、そばやうどん・パスタの生地作りにも活用できるほか、餅米を使った「もち」メニューも備える。

成形が必要なバターロールなどのパンも簡単に作れる。これは、オーブンレンジならではだろう食パンだけでなく様々な種類のパンに対応するねりから焼き上げまで行なう「オートベーカリーメニュー」は12、途中で取り出して成形が必要な「手作りベーカリーメニュー」は13搭載する

 パンケースや具材自動投入器など、パン作りのための備品は全て専用ケースに収納できる。

ホームベーカリー機能の備品計量カップやスプーンも付属する専用の収納ケースに全て収納できる

過熱水蒸気も搭載した本格的なオーブンレンジ機能

 オーブンレンジ機能では、日立の高級オーブンレンジに搭載されている「トリプル重要センサー」を踏襲する。これは食材の重さを3つのセンサーで検知し、火加減を自動で調整するというもの。また過熱水蒸気を使った、脱脂・減塩メニューにも対応する。ハンバーグや鶏の唐揚げ、ローストビーフなど全40のオートメニューと196のレシピが付属する。

トリプル重量センサーなど日立ならでは本格的なオーブンレンジ機能を搭載するオーブンレンジのオートメニューは全40で、190のレシピが付属する

 使い勝手の面では、次の操作を音声で案内する「おしえてボタン」を搭載。庫内扉の下方には全てのオートメニューを記載し、ホームベーカリー専用の操作ボタンも設ける。

操作部。全てのオートメニューは本体扉に記載されているホームベーカリー機能専用の操作ボタンパンを取り出す時に便利なミトンも付属する

 本体サイズは500×459×418mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約23.5kg。レンジ出力は最大1,000Wで、800W/600W/500W/200W相当/100W相当に切替できる。オーブン設定温度は最大250℃で、100~230℃の間で調節可能。本体カラーはパールホワイト。

日立常務取締役 家電事業部長 金子友通氏

 日立常務取締役 家電事業部長 金子友通氏は、ベーカリーレンジについて「日立独自の技術を使った毛色の変わった面白い製品」と紹介。「日立のオーブンレンジの第2弾として、また新しい価値を提供できるだろう」と語った。また、同社のオーブンレンジ「ヘルシーシェフ」シリーズが好調で、今年の年末まで累計200万台達成を予定していることを明かした。






(阿部 夏子)

2012年9月20日 14:53