長期レビュー
日立「ベーカリーレンジ ヘルシーシェフ MRO-BK1000」
日立「ベーカリーレンジ ヘルシーシェフ MRO-BK1000」 その2
~もっちりした本格的なベーグルが自宅で作れた!
(2013/1/28 00:00)
日立アプライアンスの「ベーカリーレンジ ヘルシーシェフ MRO-BK1000」の長期レビューをお届けしている。ベーカリーレンジは、本格的なオーブンレンジと、豊富なオートメニューを備えたホームベーカリーが1台になったユニークかつ便利な製品だ。
前回はまず基本の食パンと、予約メニューをご紹介した。ホームベーカリーの予約メニューは機種によって、夜中にかなりの運転音がする場合があるが、ベーカリーレンジは最初にこね工程を済ませてしまうので、夜中の騒音がゼロ。眠りの浅い私も、起こされることなく、ぐっすりと眠ることができた。
2回目の今回は、さらにベーカリー機能を追求。具入りのパンやベーグル作りにもチャレンジしてみた。
1回目は→コチラから
自動具入れ機能でレーズンパンも楽々
オーソドックスな食パンに次いで、人気があるパンと言えば、レーズンやナッツなどの具を入れた具入りパンだ。最近では、具入りパンへのニーズが高いらしく、有名メーカーのホームベーカリーでは自動具入れ機能を搭載している場合が多いが、ベーカリーレンジも例外ではない。
レーズンやナッツなどの具は、最初のこね工程から入れてしまうと、実がつぶれてしまったり、ナッツがかけてしまうため、工程の途中で入れる必要がある。ホームベーカリーの機種によっては、具材を投入するタイミングをブザーなどで知らせて、自分で入れるものもあるが、自動具入れ機能が搭載されている場合は、タイミングを見計らって自動で具を入れてくれる。工程の途中に本体のそばにいる必要がないので、予約機能でもレーズンパンが焼けるという利点がある。
さっそく、その機能を使ってレーズンパンを作ってみた。とはいっても、作り方はとても簡単。レシピは基本の食パンと同じで、あとはレーズンを用意するだけだ。ベーカリーレンジの具入れケースは、ドライイーストの自動投入ケースの横にセットする。レシピでは、レーズンの容量60gとあったが、具入れケース一杯にレーズンを入れても60gに満たなかった。レーズンの場合、その都度軽量しなくてもこのケースに入るだけ入れてしまっても大丈夫そうだ。実際、それで何度か作ってみたが、失敗したことはない。
レーズンさえ用意したら、あとは普通の食パンと作り方は一緒。オートメニューも食パンと同じ番号を選択して、「具入り」ボタンを押すだけだ。
焼き上がりにかかった時間は約2時間13分ほど。食パンと同様、2時間程度で焼き上がってしまう。これなら、土曜日の朝起きてからセットしてもお昼には焼き上がる計算だ。休日のお昼に焼きたてのパンを食べられるのは嬉しい。
焼き上がったレーズンパンは色味もこんがりとして、なんともおいしそう。レーズンも偏ることなく、均一になっていた。
チョコ入りのパンも簡単にできる
続いて試したのは、チョコチップ入りのパン。実は夫が大の甘いもの好きなので、リクエストされたものだ。私自身は、甘い物が苦手なので、当初は渋っていたが、レシピを見たら、レーズンの代わりにチョコチップを入れるだけで、簡単にできるという。そこで、今度は予約機能を使ってチョコチップ入りパンを作ってみた。
朝の7時にパンが焼き上がるようにセットしたところ、食パンの予約機能の時同様、夜中に目が覚めることは一度もなかった。ただし、予約をセットした直後にはそれなりの音がするので、注意。家族の皆が寝静まった後にセットするのではなく、起きている時間にセットした方がいいだろう。
結果はこれまた上々。実はチョコチップが溶けて、きれいなマーブル模様に仕上がった。チョコチップの量を減らして、ナッツやレーズンを一緒に入れてもおいしそうだ。
もちもちの本格的なベーグルができた!
パンケースを使ったオートメニューにはだいぶ慣れてきたので、次に途中で生地を取り出して成形する必要がある「手作りベーカリーメニュー」にチャレンジした。ベーカリーレンジには、13種類の手作りベーカリーメニューが搭載されているが、その中から今回選んだのはベーグル。ベーグルは、途中で生地を茹でる(あるいは蒸す)必要があるので、ちょっとハードルが高いパンだ。
材料は、ごくシンプル。強力粉に砂糖、塩、水、ドライイーストだけで、バターなどの油分は入れないので、かなりヘルシーだ。まずは、この生地をこねるところからスタートする。手作りベーカリーメニューといっても、ステップが設けられているので、わかりやすい。ベーグルの場合、生地をこねるのが「ステップ1」、二次発酵が「ステップ2」、焼き上げるのが「ステップ3」といった具合だ。
ステップ1にかかる時間は約30分ほど。工程が終わるとその都度、チャイムで教えてくれる。こね終わった生地はそのままボウルに移して、ラップをしたらそのまま冷蔵庫で約50~60分ほど寝かす。次に包丁やスケッパー(製パン・製菓などに用いる生地を切ったりするための道具)で生地を6等分して、生地を丸めたら、再びラップをして20分ほど、生地を休ませる。
その後、生地を成形していく。事前に生地をしっかり休ませているため、ここでの生地は水気が少なく、かなり堅め。生地を楕円形にしてから、折り曲げて、棒状にして、最終的に円形にしていくのだが、ここでかなり手間取った。生地に水気が少ないため、折り曲げたり、円形にする際に生地がくっつかないのだ。生地を押しつぶすようにするのがポイントだ。
成形したら、12cm角に切ったクッキングシートの上に載せて、ステップ2の二次発酵をスタートだ。ユニークなのが、この二次発酵の時にスチームを用いるということ。本体下に設けられている給水タンクに水を入れておく。過熱水蒸気やスチーム調理にも対応した本格的なオーブンレンジだからこそ、できることだ。二次発酵は約30分ほどで終わる。
この間に約1.5Lのお湯を事前に沸かして、蜂蜜を入れる。一度沸騰したら火を止めて、そのままにしておき、二次発酵が終わった後のベーグルをこのお湯で片面90秒ずつほど茹でる。
ここでの適温は約90℃で、お湯が熱すぎると生地が傷んだりしてしまうそうなので、あらかじめ沸かして、少し冷めた位のお湯がベストだ。
ここでようやくステップ3となる。ステップ3には約15分ほどの予熱時間があり、その後約30分ほど焼き上げればできあがりだ。
ここまで読んでいただいた方ならおわかりのように、かなりの工程がある。作業時間はおおよそ3時間半で、慣れていなければもっとかかることもあるだろう。これだけ時間や手間がかかるとなると、平日の仕事帰りに作るというのはまず無理。ベーグルは冷凍保存しておいても、おいしく食べられるので、2段調理機能を使って一気に12個作り、冷凍しておくのが良いかもしれない。
ただし、できあがりには大満足。見た目も色も、味もパーフェクトで、手間をかけた甲斐があるというものだ。実は、以前にもベーグル作りにチャレンジしたことがあるのだが、そのときの結果は散々だった。お湯で茹でる工程が失敗してしまったのか、全く膨らまず、べっちょりもっさりしたパンになってしまったのだ。
その経験があったので、今回はとにかくレシピに忠実に作ったところ、結果は大成功。ベーグル特有のしっとり感やもちもちとした歯ごたえもそのままで、「お店で買ったベーグルみたい」と自画自賛してしまったほど。二次発酵でスチームを使うなど、ベーカリーレンジならではの工程も影響しているかもしれない。
なお、こね開始から、焼き上げまでベーカリーレンジを使っていない時間もかなりあるわけだが、この間ベーカリーレンジを使えないという訳ではない。基本的に何もしなければ、次のステップのスタンバイ状態にあるが、これを取り消せば、レンジ機能やオーブン機能も使える。その場合、再度設定することで、途中のステップから開始できる。
焼き目がしっかり目で、カットにはちょっと工夫が必要
普通の食パンやレーズンパンはもちろん、ベーグルなどちょっとテクニックが必要な難しいパンもしっかり仕上げることができるベーカリーレンジ。熱風ヒーターで包み込むように焼くため、食パンの上部までしっかり焼き上げるのが特徴だ。そのため、パンの皮は一般的なホームベーカリーで作った食パンよりもややしっかりしている印象。
個人的にはしっかりした皮はさくさくとしておいしいから好きなのだが、食パンをカットするにはちょっと工夫が必要だ。皮が固く、中が柔らかいので、うまく切らないとパンがつぶれてしまう。パン専用の包丁は必ず用意した方が良い。今は、ホームベーカリーで作ったパン専用の食パンカッターなどもあるので、気になる場合は併せて購入すると良いだろう。
以上、2回に渡ってベーカリー機能をご紹介してきたが、「ベーカリー機能よりも使用頻度の高いオーブンレンジ機能はどうなの?」と思う人もいるだろう。最終回は、オーブンレンジ機能を中心に紹介する予定だ。引き続きよろしくお願いします。