東芝、業界初の停電時に自立運転するエネファーム

自立運転機能付き家庭用燃料電池「エネファーム」

 東芝と東芝燃料電池システムは、停電時でも運転を継続する自立運転機能付きの家庭用燃料電池「エネファーム TM1-AD」を開発。東芝燃料電池システムより、都市ガス会社やLPガス販売会社に向けて出荷を開始した。一般向けには、7月17日より大阪ガスが販売する。標準価格は2,803,500円。

 東芝が3月から出荷した、総合効率94%で“世界最高水準”を謳ったエネファームに、バッテリー不要の自立運転機能を搭載したモデル。エネファームが発電中に商用電力が停電した場合、自動的に電力系統への接続を断ち、自立専用のコンセントへ、エネファームで発電した電気を供給。停電中でも、テレビやノートパソコン、電気スタンドや扇風機が使用できるという。また、シャワーなどの給湯や、冬場の床暖房も利用できるという。

 東芝では、バッテリーを必要としない自立運転機能を搭載したエネファームは“業界初”としている。

 さらに、「自立切替ボックス」という装置を設置することで、停電時でも貯湯ユニットの電源をつなぎ替えることなく、エネファームから電気の供給が受けられる。

 自立発電時の供給電力は、最大700W、最大350Wの2種類が用意される。また最大350Wタイプでは、自立切替ボックスが省かれたバージョンも選択できる。東芝では、「最大700W、自立切替ボックス有」、「最大350W、自立切替ボックス有」、「最大350W、自立切替ボックス無」の合計3タイプを用意することで、住宅の形状や生活スタイルに合わせて機種が選択できるとしている。

 本体サイズは、燃料電池発電ユニットが780×300×1,000mm(幅×奥行き×高さ)で、貯湯ユニットが750×440×1,760mm(同)。貯湯容量は200L。13A都市ガス向けの「TM1-AD-NP」、LPガス向けの「TM1-AD-LP」、国産天然ガス向けの「TM1-AD-DP」、12A都市ガス向けの「TM1-AD-MP」の4型番が用意される。

 なお、エネファームが発電していない場合、ガスの供給が停止している場合は、自立機能は作動しない。

自立運転のイメージ図





(正藤 慶一)

2012年6月25日 16:13