ダイソン、ハウスダストや花粉の効果的な掃除方法をレクチャー

~ダニが一番多いのは普段掃除機をかけない場所

 ダイソンは、「ハウスダストの真実と快適な生活空間のつくりかた」と題したイベントを4月15日に開催した。

 このイベントは、アレルギーを引き起こすハウスダストの問題や対処方法を紹介するもので、専門家を招いてのセミナーとダイソン製品を使っての交流会の2部制で行なわれたもの。

 第1部のセミナーでは、アレルギーの専門家である半蔵門病院の副医院長で「環境汚染等から呼吸器病患者を守る会(通称=エパレク)」の理事長である灰田美知子氏、掃除のプロである家事代行サービス株式会社ベアーズの専務取締役で家事研究家である髙橋ゆき氏が登壇した。

ハウスダストがいるのは普段掃除機をかけない場所

半蔵門病院 副医院長、「環境汚染等から呼吸器病患者を守る会(通称=エパレク)」の理事長 灰田美知子氏

 灰田氏は「ハウスダストとアレルギーについて」と題して、アレルギーの原因となるハウスダストの中身やその影響などを紹介した。

 ハウスダストとは住宅や家の中にあるホコリのことで、室内塵とも言う。これらのハウスダストを除く作業である掃除は「気分がスッキリするといった心理的効果、火災の予防、故障の予防、悪臭の予防といった効果と共に、病気の予防という重要な役割」があるという。これはホコリの中に、アレルギーを引き起こす原因となるダニや雑菌の繁殖地となる要素があるからだという。

 「ハウスダストの中には昆虫やダニの死骸や糞、花粉や植物の分解した物、人のフケや食べ物のカスなどがあり、これらがアレルゲンの原因となり得ます」(灰田氏)

 アレルゲンとはアレルギー反応を引き起こす原因となるもので、ハウスダストにアレルギー反応を持つ人は喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などを引き起こす場合がある。全ての人がアレルギー反応を起こすわけではなく、アレルゲンに特異性lgE抗体という血液の特別な成分が誘導されてしまった人に出るのだという。ハウスダストだけでなく、食品、屋外で接触することが多い花粉類なども原因となり、ブリックテスト、皮内テストなどで原因を究明する。日本人の場合、ダニとスギ花粉が原因である人が圧倒的に多いという。

ハウスダストの概要「ハウスダスト」の中身とは?アレルギー反応とアレルギー反応を引き起こすアレルゲンとは?

 「日本でダニがアレルギー反応の原因となることが多いのは、四季があり、湿度も高い気候がダニの育成に最適な条件となっているから。最近では気密性の高い住宅が増えているため、冬でもダニが活動できるようになり、普通の生活をしている人の室内でもダニは繁殖し、丁寧な掃除が不可欠になります」と灰田氏は訴えた。

 「ダニにも様々な種類がありますが、アレルギーの原因として知られているのは、クッションや寝具、ぬいぐるみといった場所に多く生息するチリダニです。これらの場所は、日常的に掃除機をかける場所ではありません。患者さんの中にも『アレルギーがなかなか治らない』というので訊いてみると、布団にまで掃除機をかけているという人は少ないです。チリダニの死骸や糞がダニのエサとなるので、ぜひ布団にも掃除機をかける習慣をつけてください」(灰田氏)

家の中のダニが多い場所ダニの中でもアレルギーを引き起こすのがチリダニダニの温床となりやすい布団でのダニの居場所

寝具は洗濯前に掃除機をかけるのがおすすめ

株式会社ベアーズ専務取締役 家事研究家 髙橋ゆき氏

 家事研究家である髙橋ゆき氏は、ダニ対策として効果的な掃除方法をアドバイスした。

「大掃除というと年末ですが、ダニ対策としてはダニ生息のピークとなる梅雨前に実施するのが汚れも落ちやすいです。特に寝具類は、掃除機をかけずにいきなり洗濯してしまうと、ダニの糞や死骸が落ちないこともあるので、事前に掃除機をかけてからの洗濯がオススメです」

 寝具のダニ対策とは「まず、掃除機を掛けて、布団を干す、最後に洗濯するという3ステップが基本です。掃除機をかける場合は、表だけでなく裏まで丁寧にかけること、普段から換気をマメにすることも有効です」

 セミナーでは、花粉症対策についても紹介された。有効な対策として「眼鏡の装着、花粉がつきにくい素材の洋服を選ぶ、マスクをする、換気をする際に工夫する」などが挙げられたほか、高橋氏は、衣服に掃除機をかけることを推奨した。

ダニと共にアレルギーの原因の代表的なものスギ花粉スギ花粉アレルギーの主な症状スギ花粉アレルギーの治療法

 「息子が花粉症なのですが、室内に花粉を持ち込まないために、外出から帰った際に着ていた衣服に掃除機を掛けることを徹底したところ、今年は楽だと言っていました。そうした工夫によって症状が大分違うようです」

優しい気持ちで掃除するのが大切

 アレルギーを起こさないための効果的な掃除方法については、高橋氏が実体験を交えて紹介した。

「長年のホコリを取り除く際には、あせらず、あわてず、やさしい気持ちで臨むことが大切です。焦ってホコリをとらずに水につけてしまうと、ホコリが固まって、逆にホコリがこびりついてしまうことも。皆さん、エアコンのフィルター掃除の時にそういう経験はありませんか? また、慌てて作業すると、床にキズをつけてしまってそこに汚れが溜まってしまうといったことも起こります。

 やさしい気持ちでというアドバイスは、私自身の経験を活かしたものです。弊社にはホテル事業部という部門があり、直接お部屋を使うお客様とは接することがありません。しかしやさしい気持ちで丁寧に掃除をしていると、『その気持ちが伝わってきました』という意見をお客様アンケートで頂くことがあります。家庭内で家族が心地よく過ごすために、ぜひ、やさしい気持ちで掃除してください」

 高橋氏はまた、ホコリを減らす具体的な工夫として、ゴム手袋の上に軍手をはめた「軍手ぞうきん」を提案。ブラインドやエアコン周りなど細かい部分が多く、通常のぞうきんでは掃除しにくい場所の掃除に威力を発揮する。ブラインドなどは一枚、一枚指で挟んで掃除ができるといった方法を紹介した。

 「両手に軍手ぞうきんをはめて、片手には洗剤をつけて階段掃除をすると、洗剤の拭き掃除、から拭きがいっぺんに出来て掃除をするのが大幅に楽になります」(高橋氏)

掃除のコツはあせらず、あわてず、やさしい気持ちで臨むことだというホコリ取りに効果的な軍手ぞうきん髙橋氏自ら軍手ぞうきんを使ったブラインド掃除方法を伝授
高いところのホコリ取りには針金ハンガーにストッキングをまきつけたストッキングハンガーを使うという手が届かない家具の裏側の掃除をするときもストッキングハンガーが便利だという「鏡のホコリをとる時には靴下を丸めてストッキングをかぶせたストッキングだんご」が効果的と髙橋氏
会場ではダイソンのスタッフが製品の構造や特徴や来場者に説明。訪れた人も、説明に耳を傾けていた

 掃除機を利用する際のコツは「絨毯に掃除機をかける時にはあえて目の逆からかけてください。そうするとゴミを見つけやすいです。フローリングに掃除機をかける時は逆に木の目に沿ってかけるようにするとホコリをとりやすいです」と話した。

 なお、ダイソンの掃除機は、高い集塵技術を評価されており、英国アレルギー協会、スイスアレルギー協会で認定されるなどの評価を受けている。会場には実際にダイソンの製品が展示され、自由に試用できるスペースも設けられた。

会場に用意されたダイソンのサイクロンクリーナー「dyson ball」羽根のない扇風機として知られるも「dyson air mutiplier」シリーズも展示されていた壁掛け収納が可能なコードレスクリーナー「dyson Digital Slim」





(三浦 優子)

2012年4月17日 00:00