関西電力は8月ピーク時で7.6~19.6%電力不足の可能性

~経産省が見通しを公開

 経済産業省は9日、大飯原子力発電所の再稼働に関する四大臣会合の配布資料を公開した。

 この資料では、関西電力において、8月の需要ピーク時に7.6~19.6%の受給不足が発生する見通しとしている。

 計算の根拠となる需要は、過去5年間の平均需要で3,023万kWとしている。これに対し、原子力を除いた供給力は2,503万kWで、502万kW足りない計算となる。予備率ではマイナス17.2%。

 同様に、気温が低かった2011年並では210万kW(マイナス7.6%)、猛暑だった2010年並では606万kW(マイナス19.6%)の不足が予想されている。

 また、火力発電所については故障などで計画外の運転停止の可能性があり、そのリスク(63万kW)を考慮に入れた場合は、さらに不足分が大きくなる。

経産省による関西電力電力需給見通し
関西電力の発電電力量比。過去10年平均 他社受電分含む(2010年3月末現在)

 しかし、再稼働が焦点となっている大飯原発3号機と4号機の出力は、それぞれ118万kWで、両方が再稼働した場合でも、供給力が不足する可能性は高い。経産省では、需要の抑制、供給力の積み増しの両面で取り組みが必要としている。

 関西電力は、発電量のうち原子力が占める割合が過去10年の平均で48%と高く、すべての原子力発電所が定期検査で停止している状態では、供給力が不足する可能性が高いと見られている。







(伊達 浩二)

2012年4月10日 14:29