東急自由が丘駅でパナソニック製の有機EL・LED照明の点灯式

~全照明を“エコに乗り換え”
有機EL照明を採用した自由が丘駅の改札窓口

 パナソニック エコソリューションズは、東京急行電鉄自由が丘駅に、同社の有機ELやLEDの照明器具を納入したと発表。本日、自由が丘駅構内にて点灯式を執り行なった。

 同社の照明器具の納入は、環境省の呼びかけによる「スマートモデル自由が丘駅 あかりプロジェクト」の一環。プロジェクトでは、有機ELやLEDの照明器具を導入することにより、自由が丘駅の電力使用量とCO2排出量の25%削減を目指している。

 自由が丘駅は、東京都目黒区に位置し、東急電鉄東横線と大井町線が乗り入れている駅。1日の乗降人員は約14万人、利用人員は約30万人ともなり、東急線沿線のなかではもっとも利用者の多い駅の1つとなっている。

東急東横線 大井町線 自由が丘駅駅構内図

 今回、自由が丘駅に導入したのは、時間帯や明るさ、混雑度に応じて、照明を調光・調色する照明制御・調光システム。駅構内に照度センサーを47台、人感センサーを168台設置した。例えばコンコースでは1日を早朝/朝ラッシュ/昼間/夕方ラッシュ/夜間/深夜の6つの時間帯に分け、朝はすっきりとした白を基調に、夕方には温かみのある暖色系で点灯させる。これは、「サーカディアンリズム」という約24時間周期の生体リズムと光の関係を照明制御に応用しており、省エネと快適性を両立させたという。

ホームのLED照明の間に設置された人感センサー。乗降者数を感知し、乗降者が多い場合は照明を明るくするなど制御する構内には「自由が丘。自由が丘。全照明、エコに乗り換えです。」とシャレの効いたキャンペーンポスターが貼られていた

 以下、点灯式の模様を画像でお伝えする。

点灯式には、奥からパナソニック エコソリューションズ 野浦高義専務、ジェイ・スピリット 渡辺保克代表取締役社長、自由が丘商店街振興組合 岡田一弥理事長、東急電鉄 今村俊夫 専務取締役執行役員、環境省 総合環境政策局 環境計画課 加藤庸之課長、自由が丘駅長が並んだ各代表は手袋をはめ、点灯ボタンに手を添える点灯ボタンが押されると、壇上の有機ELパネルが点灯
コンコース内の照明が徐々に暖色系に変わってきたやや黄味を帯びた色味に変化
暖色系から、やや青みの帯びた昼白色に近づいていく点灯式はつつがなく執り行なわれた

 納入された照明器具は、有機ELが改札窓口に19台(モジュールは計184個)、定期券売り場に10台(モジュールは計92個)。有機EL照明モジュールは、薄型で演色性が高く、高輝度タイプとなっている。なお、駅の照明に有機ELが導入されるのは日本初という。設置された有機ELは暖かい色味で、広報担当者によると、駅に訪れる人へのおもてなしの心を表したという。

有機EL照明モジュール 厚さ約9mm、最大枠幅約11mm側面。非常に薄型だ背面はフラットな形をしている
点灯後の有機EL照明モジュール導線上に照明が配置されている
駅員の立つ側の天井には、直線的に配置四角いパネルの形を活かし、インテリアライトのように配置されている
有機EL照明を採用した定期券うりばの外観。改札外に位置している温かみのあるカウンター
シャンデリアのように吊り下げられた有機EL照明有機EL照明は壁面にも設置されている手を近づけても、熱くない

 LED照明器具には、蛍光灯並の明るさを実現するという高効率ライン型LEDモジュールを特注。ホームに494台、コンコースに238台、駅務室とトイレに290台、構内売店に152台設置した。

ホームのLED照明器具自由が丘駅の全てのホームの照明がLED化した
コンコースのLED照明LED照明は正方形で、天井にはめ込まれている
環境省 総合環境政策局 環境計画課 加藤庸之課長

 点灯式に先立ち、環境省 総合環境政策局 環境計画課 加藤庸之課長は「都市の景観と省エネの観点から、『チャレンジ25地域づくり事業』と名づけて、“技術的には確立しているが、普及していないもの”の効果の実証を行なっている。今回の先端的な照明の導入が、街づくりに役立つことを期待したい」とコメント。

自由が丘商店街振興組合 岡田一弥理事長

 自由が丘商店街振興組合 岡田一弥理事長は、「自由が丘駅周辺は、閑静な高級住宅街が広がっており、思慮深い住民の方が多い地域。地元商店街としても、単に商売繁盛ではなく、省エネや環境に配慮しながら活性化したい」と期待を込めた。







(小林 樹)

2012年3月30日 16:14