BRITA、カートリッジ交換が簡単にできるビルトイン式の浄水器
BRITA Japanのビルトイン型浄水器。左が備え付けの水栓に取り付ける「オンラインアクティブ」、右が、専用の水栓を使用する「オンラインアクティブ ダイレクト」 |
BRITA Japan(ブリタジャパン)は、シンク下に取り付けるビルトインタイプの家庭向け浄水器2機種を、6月上旬に発売する。
備え付けの水栓に取り付ける「オンラインアクティブ」と、専用の水栓を搭載した「オンラインアクティブ ダイレクト」の2機種が用意され、希望小売価格は順に39,900円、54,900円。専用の交換用カートリッジ「A1000」は10,500円。
■シンク下に設置。カートリッジの交換は工具不要
ポット型浄水器のメーカーとして知られるBRITA Japanの新製品。今回はポット型ではなく、キッチンのシンク下部に備え付けるビルトイン型の浄水器を、ブリタとしては日本で初めて投入する。
オンラインアクティブを使用するには、あらかじめシンク下の水道のホース部分に、オンラインアクティブの浄水カートリッジと、カートリッジのフタとなる「フィルターヘッド」を取り付ける必要がある。取り付け後に水栓を開けると、浄水カートリッジで濾過された水道水が蛇口から直接出る。ブリタではパンフレットに“ギュッとひねればブリタの水”というキャッチコピーを付けている。
オンラインアクティブの接続例。水道水を直接フィルターに通し、蛇口に出す | オンラインアクティブダイレクトは、専用の水栓(写真中央)から濾過された水が出る |
浄水カートリッジには、濾材として活性炭と不織布を採用。気になるニオイや味のもととなる物質を取り除くという。1個当たりの浄水量は4,000Lで、カートリッジの交換の目安は、1日当たり22L使用した場合、半年に1回。
カートリッジの交換には、フィルターヘッドに付いているレバーをひねってロックを解除し、取り出して新しいフィルターに付け替える。水道水の元栓を閉めたり、工具を使うなどの作業は不要となる。同社では、シンプルな操作方法で簡単にカートリッジが交換できるとしている。また、カートリッジのサイズは86×244mm(直径×高さ)で、シンク下でもスペースを取らずに設置できるとしている。
シンク内に設置されている浄水フィルター | 不織布と活性炭により、水をキレイにするという |
交換する際には、フィルターヘッドに付いているレバーを回し、ロック状態(写真上)から解除(写真下)する | ロックを解除した後は、引っ張れば抜ける。新しいフィルターを取り付ける場合は、取り外しの逆の順序となる | カートリッジ交換の際には、工具は必要ない。水道の元栓も開けたままで大丈夫という |
なお、専用の水栓を用いたオンラインアクティブダイレクトを使用する場合、キッチンに穴をあける必要がある。
いずれのタイプも、設置の際には各自治体が指定する水道業者に工事を依頼する必要がある。BRITA Japanでも、専門業者の紹介を受け付けている。
■ターゲットは「蛇口直結型」からの買い替え層
BRITA Japan オンノ・ヤーリンク代表取締役社長 |
BRITA Japanのオンノ・ヤーリンク代表取締役社長は、まずポット形浄水器の市場について言及。「ブリタではポット形浄水器を2005年に発売したが、簡単に安全な美味しい水が作れることからすぐに受け入れられ、現在200万世帯にご使用いただいている。全浄水器市場におけるポット形の割合は、この5年で2倍となり、またポット型市場のシェアのうち80%をブリタが占めている」と説明した。
そのうえで、今回発売するオンラインアクティブについて、「冷蔵庫に入れたり、お茶を入れたり、料理に使ったりなど、いろいろなやり方で消費者がブリタの水を飲める。また、カートリッジの交換が簡単で、とても使いやすい製品。消費者が“ビルトイン”に対して抱いている、複雑なイメージを変える」と評価。最後に「消費者にも流通側にも、ブリタの認知度は高い。ポット型と同じように認知を高めていきたい」と意気込んだ。
BRITA Japanの土屋麻美マーケティングシニアマネージャー |
また、BRITA Japanの土屋麻美マーケティングシニアマネージャーは、オンラインアクティブのターゲット層を、東京・名古屋・大阪・福岡圏に住む、25~59歳の男女に設定。さらに、市場で5~6割のシェアを占める蛇口直結型(オンタップ型)の利用者で、買い替えを検討している人も、ターゲットとしている。
「ポット型が着実に拡大し、ビルトイン形も横ばいから増加傾向にある一方、蛇口直結型は減少傾向にある。調査をしたところ、ビルトイン型浄水器のユーザーのうち、以前に蛇口直結型を使っていた割合が非常に高く、ユーザーアンケートでも、蛇口直結型の不満点として『きちんと濾過されているのか不安』『掃除がしにくいため衛生面が不安』『見た目が悪く邪魔』という声が挙がっていた」(土屋氏)
オンラインアクティブの用途としては、“野菜を洗うなど、浄水した水を多く使いたい”、“蛇口をひねっただけで、浄化されたブリタの水を手に入れたい”、“カートリッジ交換の手間を減らしたい”という場面が想定されるという。また、オンラインアクティブダイレクトについては、浄水した水と水道水を使い分けたい場合に向くとしている。
全浄水器におけるタイプ別の内訳。蛇口直結型は最も多い | ポット型は拡大傾向にあり、ビルトイン形も横ばいから増加傾向にあるという。その一方で、蛇口直結型は減少傾向にあるという |
蛇口直結タイプの不満点としては、「きちんと濾過されているのか不安」「掃除がしにくいため衛生面が不安」「見た目が悪く邪魔」などがあったという | そこで、オンラインアクティブのターゲットに「『蛇口直結型』からの買い替え層」を加えたという |
会場で提供された、オンラインアクティブで浄水した水と、水道水。水道水は飲み終わった後に苦さが感じられたが、オンラインアクティブではそれがなかった | オンラインアクティブで浄水した水で作られた、そうめんの試食も提供された。とてもおいしいかった | 会場に展示された、BRITAのポット型浄水器のラインナップ |
(正藤 慶一)
2011年6月1日 16:51