ダイキン、加湿に使用する水も除菌する加湿空気清浄機

~丸みを帯びたコンパクトタイプも展開

 ダイキン工業は、加湿に使用するトレーの水も除菌できる加湿空気清浄機「うるおい光クリエール MCK75L」を、9月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は52,000円前後。


うるおい光クリエール MCK75L パールホワイトビターブラウン

ストリーマの経路を新設し、加湿フィルターや水を溜めるトレーなど、加湿に使用する水が除菌できる点が特徴

 空気清浄では最大28畳、加湿では最大17畳まで使用できる加湿空気清浄機で、加湿に使用する水を、ダイキン独自の技術「光速ストリーマ」で除菌できる点が特徴。光速ストリーマとは、プラズマ放電の一種であるストリーマ放電のことで、酸化分解力の高い活性種(高速電子)を発生し、空気清浄機に取り込んだ空気に含まれる細菌やカビ、アレル物質などを除去する効果があるとされる。

 昨年モデルでも、加湿フィルターにストリーマを照射する機構を採用していたが、新製品では、加湿用の水を溜めるトレーの水まで、ストリーマの活性種が届く経路を新設。加湿ユニットの水車で撹拌し、活性種を水中に溶け込ませることで、加湿トレーに含まれる細菌を、4時間で99.9%除去できるという。

 また、加湿トレーの水を除菌することで、トレー内のぬめりの発生を抑制する効果もある。加湿器および加湿空気清浄機では、菌が混入した水を放置すると、菌が繁殖してぬめりの原因となるが、光速ストリーマで作られた活性種を水に入れ撹拌することで、トレーの水の細菌を、24時間で99.99%以上除去できるという。同社では、従来は1カ月に1回必要だったぬめり対策が、6カ月に1回で済むようになり、加湿シーズン中は1回だけの手入れで済むとしている。

 空気清浄機能としては、風量を“業界トップクラス”という7.5立方m/分とし、部屋に漂うカビやウイルスなどの有害物質をフィルターで捕獲し、1時間で99.9%除去するという。

ユーザーは加湿空気清浄機に対し、水周りの手入れに不満を持っているという調査ストリーマにより、ぬめりの原因となる菌を除去する試験結果MCK75Lのカットモデル
光速ストリーマユニットストリーマ放電で電子が発生しているようす(青色の部分)もちろん、吸い込んだ空気に対する除菌・脱臭効果もある

ストリーマが加湿フィルターや加湿トレーを除菌するイメージ動画(音声はありません)

 吹出し口には、風向きが自由に変えられる風向フラップを新搭載。自由に風向きを変え、加湿された空気を素早く部屋に行き渡らせらせることができる。また、このフラップにより、風が壁に当たるのを防げるため、壁から指1本分のスキマを開けるだけで設置できるという。

 新しい運転モードとしては、風量を「弱」と「しずか」のみで自動運転する「ecoモード」を搭載。通常の自動運転よりも消費電力を約30%減らすことで、1日の電気代を最大約5円に抑えている。長時間の旅行や就寝時などでも、電気代を気にせず使用できるという。

 空気の吸込口は、従来モデルに引き続いて正面左右と下部分という3方向の吸込口を採用。床面に溜まりがちなハウスダストを吸引する仕様となっている。

 本体サイズは、415×290×618mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は13kg。カラーはパールホワイトとビターブラウン。

風向フラップは3段階に調節可風向を搭載することで、壁から指一本分開けるだけで設置できるエコ自動運転は「しずか」と「弱」のみ。消費電力を約30%抑えている


加湿トレーの除菌機構を搭載し、丸くコンパクトな下位機種も

下位モデルとして、本体が丸くコンパクトな「MCK55L」も発売する

 下位モデルとして、MCK75Lと同様、加湿トレーをストリーマで除菌する機構を採用した、寝室や子供部屋などパーソナル空間用のコンパクトな加湿空気清浄機「MCK55L」「MCK40L」も発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、空気清浄機の適用床面積が23畳までの「MCK55L」は42,000円前後、18畳までのMCK40Lが37,000円前後。

 本体サイズはいずれも370×270×585mm(同)と、MCK75Lよりもコンパクトな点が特徴。同社の空気清浄機としては珍しく、丸みを帯びたデザインを採用している。ただし、MCK75Lで搭載されている、電気の力で集塵する「プラズマ集塵」機構やecoモードなどは搭載されていない。

 このほか、加湿機能のない空気清浄機「光クリエール MC75L」も発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は42,000円前後。

 全タイプのラインナップは、以下の表の通り。

さらに下位モデルとして、「MCK40L」も用意されるMCK55Lのカットモデル
正面カバーを外したところMCK55/40Lでは、フィルターに光速ストリーマを照射する「光速ストリーマ」を搭載。水の除菌機能も備える

【ダイキンの2010シーズンの空気清浄機】
タイプ加湿空気清浄機空気清浄機
商品名うるおい光クリエール光クリエール
型番MCK75LMCK55LMCK40LMC75L
最大風量7.5立方m/分5.5立方m/分4立方m/分7.5立方m/分
適用床面積
(空気清浄単独)
28畳まで23畳まで18畳まで28畳まで
清浄時間(8畳の場合)10分11分15分10分
適用床面積
(加湿)
最大17畳まで最大14畳まで最大11畳まで-
1時間当たりの加湿能力600ml500ml400ml-
加湿方式気化式(気化エレメント回転式)-
消費電力8~83W8~64W7~32W6~63W
運転音17~51dB18~51dB18~48dB17~48dB
本体サイズ
(幅×奥行き×高さ)
415×290×618mm370×270×585mm395×230×576mm
重量13kg10kg8.5kg
価格オープンプライス
店頭予想価格52,000円前後42,000円前後37,000円前後42,000円前後
本体カラーパールホワイト
ビターブラウン
バニラホワイト
ココアブラウン
ストロベリーピンク
バニラホワイト
ストロベリーピンク
パールホワイト

加湿機能がない空気清浄機「MC75L」除湿/加湿機能を備えた空気清浄機「クリアフォース」の新作も展示されていたが、正式リリースはまだ。10月の発売を予定している

空気清浄機市場はさらに拡大、200万台の需要を見込む

 ダイキン工業 執行役員の坪内俊貴空調営業本部長は、新製品について「加湿に対する清潔ニーズにこたえるため、空気だけでなく、水にもこだわり、安心で快適な空気環境を提供していきたい」とコメント。さらに、今年度の空気清浄機の需要については「確実に拡大している」と、インフルエンザ対策で好調だった2009年度並みの需要を予測した。

 「昨年度は新型インフルエンザの拡大による除菌・ウイルス対策のニーズの高まりで、需要が前年の約1.5倍と一気に拡大し、220万台の大きな市場に成長した。今年度も安全や衛生に対する、関心の高まりが続いており、空気清浄機のニーズは強く、需要を押し上げている。2010年4~6月でも、(売り上げは)前年比112%と大きな伸びを示しており、今年度も昨年に匹敵する、200万台の需要を見込んでいる」(坪内氏)

ダイキン工業 執行役員 坪内俊貴空調営業本部長空気清浄機の市場動向。2010年度は2009年度並みの需要を見通している




(正藤 慶一)

2010年7月27日 15:16