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家電製品ミニレビュー

シャープ「LED電球 600シリーズ」

〜ついに登場、60WタイプLED電球の実力
by 藤原 大蔵

60WタイプのLED電球が安くなって登場


シャープのLED電球「600シリーズ」。白熱電球60Wタイプとの置き換えを狙った製品だ
  電球形蛍光灯を超える省電力と長寿命が特徴の「LED電球」。発売当初は明るさが足りなかったり、極端に高額だったりと、白熱電球の代わりとしては物足りなかったが、この夏、ついに白熱電球の60W型と置き換えられる商品が登場してきた。価格も発売当初は1万円を越えるものもあったが、現在では実売で3千円台と、購入しやすくなっている。

 LED電球の低価格路線の火付け役となったのが、業界に先駆けて低価格路線を打ち出してきた、シャープのLED電球。そこで今回は、同社の60Wタイプ「600シリーズ」の「DL-L601L(電球色相当)」と「DL-L601N(昼白色相当)」を使用して、“果たしてLED電球は、白熱電球、電球形蛍光灯と交換する価値はあるのか?”という疑問を解明してみたい。

メーカー シャープ
製品名 LED電球「600シリーズ」スタンダードモデル
品番 DL-L601L(電球色相当)、DL-L601N (昼白色相当)
購入店舗 Amazon.co.jp
価格 いずれも3,480円


白熱電球のような色合いの「DL-L601L」。色温度は2,800K、全光束は360lm 白い光が特徴の「DL-L601N」。色温度は5,000K、全光束は560lm
 

【形状】ヒートシンクと重さは気になるが、それ以外は電球形蛍光灯と同じ


本体の3/5を覆うヒートシンクが特徴
 製品をパッケージから取り出して、まず気付いたのが、その外見だ。光を透過するガラス球部が全体の2/5ほどで、あとは放熱効果を高めるためのヒートシンクが取り囲んでいる。いわゆる“裸電球”のような状態で使用すると、白熱電球・電球形蛍光灯とはかけ離れた見た目に違和感を覚えてしまいそうだ。ただし、陶器製のペンダントライトに取り付けてみると、意外とヒートヒートシンク部は見えなかった。

 サイズは59×114mm(直径×高さ)と、白熱電球(※1)と比べるとさすがに大きい。しかし、電球形蛍光灯(※2)と比べると、直径がやや若干広いだけで、高さはまったく同じ。現在電球形蛍光灯を取り付けている場所なら、引っかかったりすることなく、問題なく取り付けられるだろう。

 一方で、重さは164gと、白熱電球の約5倍、電球形蛍光灯の約2倍と重い。ずっしりとした感覚がある。

(※1)本稿で使用する白熱電球は、すべてパナソニックの白熱電球「LW100V54W」
(※2)本稿で使用する電球形蛍光灯は、すべてパナソニックの電球形蛍光灯「パルックボール プレミアQ」

白熱電球より17mm高さのあるDL-L601だが、ペンダントに取り付けても不自然な印象はなく、回路部も思ったほど目立たない こちらは白熱電球 電球形蛍光灯。DL-L601と見た目はほとんど同じ

電球を上から見たところ。左から、白熱電球、シャープLED電球、パルックボールプレミアQ LED電球と電球形蛍光灯は同じ高さで、白熱電球よりも17mmほど高い。実用上問題なさそうだ

DL-L601は昼白色、電球色とも164gとずっしりと重い 白熱電球は30gととても軽い 電球形蛍光灯の電球色は87g。細かい話だが、クール色は89gと若干差が生じた


【明るさ】肉眼では電球形蛍光灯と変わらず。白熱電球とでは暗い印象

 それでは、肝心の“明かり”としての評価を始めよう。アームスタンドに電球色のDL-L601Lを取り付け、照度計を置いた机を照らしてみた。

 照度計の数値は327lx。白熱電球が590lx、電球形蛍光灯は403lxであるのを比べると、数値上では劣っている。写真でも肉眼でも、白熱電球と比べてLED電球は暗い印象だ。

●DL-L601L(LED電球 電球色):324lx ●白熱電球:590lx ●電球形蛍光灯・電球色:403lx
●DL-L601N(LED電球 昼白色):402lx ●電球形蛍光灯・クール色:484lx

 しかし、電球形蛍光灯との差は、肉眼では差はあまり感じられなかった。一般的な電球形蛍光灯の電球色に非常に近い印象で、実用にも十分に向くだろう。昼白色のDL-L601Nでも、電球形蛍光灯と比べて照度は落ちるものの、肉眼ではほぼ同じ明るさが実現できているように感じた。

 なお、点灯中は白熱電球ほど熱を発しないものの、表面は意外と熱いので、誤って手を触れないよう注意が必要だ。

【色味】普段使いでは問題ないが、色にこだわる場面では難しい


 次に、色味について触れたい。電球形蛍光灯は電球色らしい色合いはまだ完全に再現てきていないのが現実だ。電球形蛍光灯はどうしても緑っぽい色被りを起こしてしまう傾向があるが、それがLED電球ではどうなのか、というのを見てみたいのだ。

 それぞれの電球をペンダントに取り付け、セード(照明器具の傘の部分)を透過する光の色を撮影した。

●DL-L601L(LED電球 電球色)

黄色が強調された色味。対象物の色味を気にしない場所ならば良いが、厳しい見方をするならば、食卓の灯りとしては、まだまだといったところか
●白熱電球

白熱電球の色味。若干赤みが強いものの、温かみのある色と演色性を兼ね備えている
●電球形蛍光灯・電球色

白熱電球よりも、DL-L601LのLEDの光に近い

●DL-L601N(LED電球 昼白色)

肉眼ではニュートラルな白色が得られた。昼白色蛍光灯とあわせても申し分のない光色が得られている
●電球形蛍光灯・クール色

LEDよりも光は若干青がかっている


 この結果、電球色のDL-L601Lの光色は、黄色っぽさがどうしても強調されてしまっており、白熱電球よりも電球形蛍光灯に非常に近い印象を受けた。全体照明としてなら問題なく使用できるだろうが、色にこだわる場面には適さないだろう。

 一方、昼白色のDL-L601Nでは、LED特有の青っぽい光色は抑えられ、とてもニュートラルな昼白色が得られている。電球形蛍光灯並みの明るさも得られるので、活躍できる場が多そうだ。


【光の広がり】LEDながら白熱電球のような拡散性


 ところで、LEDは光が指向性が強いためあまり拡散せず、良くも悪くもスポットライトのように狭い範囲を照らし出す性質がある。そのため、白熱電球や電球形蛍光灯のように、拡散する光を発することが、これまでは難しかった。

 そこで、DL-L601はどれだけ光が拡散するのかを見るべく、“裸電球”状態にして点灯し、壁に映る光の広がりを見てみたい。画像は光が拡散する様子がわかりやすいよう、画像を白黒に処理している。

DL-L601の光。横、上方向ともに、球形に光が拡散している。電球のような光の広がりが得られていると言って良いだろう。ただし、床面への光の回り込みはそれほど期待できない 白熱電球の光の広がり方。ソケットぎりぎりの所まで光るため、床面に近いところから、電球を中心として光が広がっている 電球形蛍光灯の光の拡散は、白熱電球のそれとほとんど変わらない。根元に回路部があるため、光が床面に回り込まず、多少ソケットが見える(点灯から20分間放置し、光が安定したところを撮影)

 結果、DL-L601は白熱電球、電球形蛍光灯と同様に横、上方向ともに、球形に光が広がっている、拡散した光を放つことがわかった。点灯する前は一直線に上方を照らすのではないかと心配していたが、それはまったくの杞憂だった。

 細かいことを指摘すると、床方向への光の回り込みは期待できなそうだ。DL-L601は回路部が大きいため、付け根の部分はまったく光らない。その点を除けば、白熱電球、電球形蛍光灯のような光の広がりが得られると言って良い。

 とはいっても、LEDの特性からは逃れられないのか、DL-L601の影は白熱電球、電球形蛍光灯よりも強くなっている。こんなところにも、LEDの指向性の強さが伺える。

DL-L601Lによってできた影。白熱電球、電球形蛍光灯と比べると、より強く、くっきりとした影が落ちている 白熱電球によってできた影 電球形蛍光灯の影


初期投資は高めだが、白熱電球の電気代と維持費を比べればはるかにお得

 LED電球の大きな特徴の1つとして、その省電力性が上げられる。このDL-L601は白熱電球60Wクラスの明るさとされているが、実際の消費電力はどのぐらいになるのだろうか。それぞれの電球をワットチェッカーを通して点灯し実測した。

 結果、DL-L601の消費電力はたったの6W。パッケージには定格消費電力は7.5Wと記されていたが、それよりも低い数値が示された。白熱電球の54Wと比較するなら、1/9の電力しか使わないという事になる。電球形蛍光灯の10Wよりも少ない。もちろん時間が経過しても変わらなかった。

LED電球の消費電力は実測でたったの6Wだった 白熱電球は54Wと大きく電力を消費する 電球形蛍光灯は10Wだった。細かいことをいうと、点灯から1分間だけは、クイックランプも点灯するため、30Wの消費電力となる

 ここで計測した消費電力を元に、毎日8時間使用すると想定して電気代を単純に算出してみる。まずは単純に電気代の結果を、1日、1カ月、そして1年と区切り表にまとめてみた。

【1日8時間使用した場合の、年間維持費の比較】
電球 白熱電球 電球形蛍光灯 LED電球(DL-L601)
定格寿命 1,000時間 13,000時間 40,000時間
1日8時間使用した場合の寿命日数 125日
(約4カ月)
1,640日
(約4年6カ月)
5,000日
(13年6カ月)
1年間で必要な電球個数
(365日×8時間÷定格寿命)
2.92個
0.22個 0.09個
電球1個の値段 (Amazon.co.jp 8/10時点) 124円 1,472円 3,480円
1年間の電球代 362円 324円 313円
1年間の電気代 3,469円 642円 385円
1年間の維持費 (電球代+電気代) 3,831円 966円 699円


 上の表で何を言いたいかというと、白熱電球からLED電球に交換することは、そのまま白熱電球を使い続けるよりも確実に電気代がトク、ということだ。白熱電球を毎日8時間点灯し、交換しながら1年間使い続けるだけで、DL-L601の初期投資費と1年分の電気代がまかなえてしまうのだから、圧倒的に安く済ませられる。

 一方で、既に電球形蛍光灯を使っているケースでは、白熱電球ほどのオトク感はない。というのも、1日8時間使用での電球形蛍光灯の寿命は4年6ヶ月だが、その間の電気代は2,891円で、同じ条件でのLEDの電気代は1,734円。確かに省エネではあるが、その差は2倍にも達しない。それを考えると、今現在問題なく電球形蛍光灯を使っているのであれば、その寿命が来てから購入を考えても良いだろう。

 また、寿命に着目した場合、LED電球は白熱電球の約40倍長持ち。電球形蛍光灯と比較しても3倍以上長持ちする。電球の取替えが面倒な場所、危険が伴う場所への設置を考えると、LED電球の方が便利だ。

 というわけで、現在使用している白熱電球との交換は間違いなくお得であることがいえる。電球形蛍光灯の場合は、とりあえずランプが切れてから考えても遅くはないだろう。

白熱電球との交換では「買い」、電球形蛍光灯は現在使っているのが切れた後に

 結論から言ってしまえば、シャープのLED電球「DL-L601」は、白熱電球との交換には非常に向いている。前項で述べたように、ランニングコストで安く済ませられるので、いくら初期投資が高いといっても、すぐに回収できてしまう。

 また、玄関、クローゼット、トイレなど、短時間しか使用しない場所にはお勧めだ。点灯したらすぐに明るくなる上、点灯時間や点滅寿命を全く気にする必要がない。電気がすぐに切れて、交換に手間どっている場所にもってこいだ。電球の取替えに危険が伴う階段上や、吹き抜け天井の電球としても適している。

 また、長時間の使用でも電気代が抑えられるので、例えば玄関先の電球として一晩中点けっぱなしにして防犯性を高める、階段付近を常に明るく照らし出しておき安全性を確保する、といった使い方もできそうだ。

 その反面、白熱電球よりも明るさは低く色も異なるため、食事など対象を鮮やかに見せたい場面には向かない点には注意したい。

 一方で、電球形蛍光灯からの交換はあせらない方が良いだろう。電球形蛍光灯に肉薄しているものの、光の明るさと色は今一歩といった感は否めない。ランニングコストの安さも、白熱電球と比べればそこまでのメリットはない。明るさや色味もそれほど変わらないので、現在使用している蛍光灯が切れた後に、LED電球に交換するというのが賢明だ。

 “そういえばウチ、白熱電球まだ使っているな……”と思い当たる人は、さっそく家電量販店で購入してみてはいかがだろうか。




2009年8月27日 00:00

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