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世田谷で「eneloop bike」のレンタサイクルが本格スタート

〜バッテリーは「ソーラー駐輪場」で充電

電動アシスト自転車のレンタサイクルを3カ所でスタート。“乗り捨て”も可


東京・世田谷区の桜新町駅前駐輪場。中央の黒い屋根が、ソーラー駐輪場だ
 三洋電機は、東京・世田谷区の桜新町駅前の駐輪場に、同社の電動アシスト自転車「eneloop bike(エネループ・バイク)」のバッテリーが充電できる「ソーラー駐輪場」を開設。合わせて、eneloop bike合計100台を、世田谷区が運営するレンタサイクル事業「がやリン」に納入したと発表した。

 レンタル時間は午前7時から午後7時まで。料金は1日300円で、利用者カードの作成時に3,500円のデポジット料金が別途必要(解約時に返金される)。世田谷区外に住む人でも利用できる。

 世田谷区は2月より、京王線・桜上水駅前、小田急線・経堂駅前の駐輪場にて、eneloop bikeのレンタサイクル事業をスタートしているが、桜新町のソーラー駐輪場の完成に伴い、3月16日より桜新町駅前でも同様のサービスを開始した。台数は、桜上水/桜新町駅前が各40台、経堂駅前が20台。なお、各駐輪場での乗り捨てにも対応する。

 レンタサイクルに使用されるeneloop bikeは、2009年2月に発売された「CY-SPA226」。ブレーキ時や下り坂の走行時に発電し、バッテリーに蓄積する回生充電機能「ループチャージ」機能を搭載する。また、LEDの前照灯や手元パネルスイッチといった基本装備に加え、後方確認用のミラーや、走行距離を表示するサイクルメーターも用意されている。電池はリチウムイオン電池で、容量は5.7Ah。カラーはホワイト/ブラック/ダークブルーの3種類が用意される。

 また、本体後方にチャイルドシートを搭載したeneloop bikeも、各駐輪場2台ずつ配備される。品番は、3月に発売された「CY-SPA226A」。チャイルドシート付きの本体は、三洋から世田谷区に寄贈された。

レンタルできるeneloop bikeは、2009年に発売された「CY-SPA226」。写真はブラック
ホワイトも用意されている ダークブルーは1台だけだった。なお、eneloop bike以外にも、普通の自転車のレンタサイクルも行なっている
手元パネルスイッチでアシストモードを切り換える バッテリーはリチウムイオン電池で、容量は5.7Ah。 スタンドは安定して直立する
サイクルメーターもある。キャットアイの「CC-VL110」だった 後方が確認できるミラーも装備されている
チャイルドシート付きのeneloop bikeも2台用意される。三洋電機が世田谷区に寄贈したものという 安全のため、ベルト類も用意されている 利用するには、写真の利用者カード「エコカード」が必要。初回利用時のみ、デポジット料金として3,500円がかかる

クリーンなエネルギーで発電。リチウムイオン電池に蓄えて緊急時の電源としても

駐輪場の天井にはHIT太陽電池が36枚搭載されている
 桜新町駐輪場に新設されたソーラー駐輪場は、駐輪場の屋根に三洋電機の太陽電池「HIT太陽電池」を搭載しており、レンタサイクルで消費されたeneloop bikeのバッテリーを、クリーンな電力で充電することができる。また、リチウム電池システムに電力を蓄えておくことで、夜や雨の日でも充電が可能。緊急時には非常用電源として、外部機器への電源供給としても利用できる。

 同駐輪場で採用されている充電器は、太陽光で発電した直流の電源をそのまま利用する「DC充電器」を利用。家庭向けの充電器では、コンセントからの交流の電気を直流に変換しているが、DC充電器は変換の必要がないため、変換時の電力ロスもなく効率的だという。

 また夜間照明として、バッテリーの電源を使って点灯するLEDを採用している。

駐輪場の隅にあるボックスの中に、充電器が用意されている 扉を開いたところ。下の緑色のボックス内は公開されなかったが、リチウムイオン電池の蓄電システムが搭載されているという 充電器は、太陽電池が作り出した直流電源をそのまま充電する「DC充電器」。一般家庭用と違い交流からの変換が不要のため、効率よく充電できるという

リチウムイオン電池の蓄電システムの一部 夜間には、蓄電システムが蓄えた電機でLEDの照明を点灯する 駐輪場入り口には、どれだけ発電しているかを表示するパネルも設けられている

 なお、京王線の桜上水駅前駐輪場でも、同様のソーラー駐輪場が既に開設されている。経堂駅前はソーラーなしの駐輪場となる。ソーラー駐輪場のスペックは以下の表の通り。

駐輪場の所在地 電動アシスト
自転車 台数
太陽電池 太陽電池容量 年間発熱量 リチウムイオン
電池システム
京王線
桜上水駅前
40台 210W
(HIT太陽電池
36枚)
7.56kW 約7,135kWh 6ユニット
(1ユニット当たり
312本)
東急田園都市線
桜新町駅前
40台
小田急線
経堂駅前
20台 ソーラー機能はなし

区民以外も利用可。通勤/通学、世田谷巡りや多摩川沿いのサイクリングなど観光に


三洋電機 家電事業部 副事業部長 雑古昭彦氏
 駐輪場の運用開始式に出席した、三洋電機の家電事業部 副事業部長 雑古昭彦氏は、「三洋電機では太陽電池などのクリーンな電気で発電する“創エネ”、作り出したエネルギーを二次電池に蓄える“蓄エネ”、そのエネルギーを有効に使うための“省エネ”の3点による『スマートエナジーシステム』を提案しているが、ソーラー駐輪場ではその典型的なシステムが作り出せたと思っている」と意義を説明。その上で「皆さんに活用していただき、三洋電機としても新たな低炭素社会の実現に向けて取り組んでいきたい」と語った。

 また、世田谷区の森下尚治副区長は、eneloop bikeのレンタサイクル事業について「通勤や通学のほか、区内巡りや多摩川沿いのサイクリングなど観光面でも利用いただきたい」と、世田谷区民はもとより区外の人に対しても利用をアピール。また、区議会議長の川上和彦氏は「コミュニティサイクルは全国的にも注目されている事業で、視察が多いと聞いている。世田谷から波及効果をもたらすような先駆的な取り組みとして、全国的に広く発信していければ」と、サービスが広がっていくことを期待した。

世田谷区 森下尚治副区長 世田谷区 区議会議長 川上和彦氏 チャイルドシート付きのeneloop bikeが、世田谷区に寄贈された

 なお駐輪場では、「(電動アシスト自転車の)ご利用距離は25km程度」との張り紙が掲示されていた。桜新町〜桜上水駅間は直線距離で約4.2km。

利用距離は25km程度という張り紙 料金表
所在地は世田谷区桜新町2-7-15。“サザエさんの街”として知られる桜新町駅から1分と近い。ただし、大通りに面していないため、あらかじめ場所を調べておくことをお勧めする この看板が目印だ



(正藤 慶一)

2010年3月16日 14:38