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パナソニック、心地よく眠れる100万円のベッド

〜照明/音響/空調を自動コントロール

パナソニック電工の「睡眠環境システム レスティーノ」が搭載されたベッド「シモンズ レスティーノ」
 パナソニック電工は、睡眠時の照明/音響/空調をコントロールし、眠りの環境を整える「睡眠環境システム レスティーノ」を開発。寝具メーカーのシモンズより、「シモンズ レスティーノ」として、2010年2月から一般向けに発売する。価格は100万円前後の予定。

 ワイドシングルタイプのベッドで、5インチのカラー液晶を備えたコントローラーをはじめ、エアコンや寝室の照明を調節できる赤外線発光器、照明やスピーカー、各種センサーが搭載されている。これらの機器を、パナソニック独自のプログラムで自動制御することで、寝ている人の状態に応じて適切な睡眠環境を用意し、快適な“眠り環境”が提供できる点が特徴となる。

「シモンズ レスティーノ」の構造。スピーカーや照明、各種センサーが搭載されている レスティーノの構造。イメージ。センサーが体の動きなどを感知し、それに応じて音響や照明、空調などの外部機器とリンクし、快適な睡眠を実現することを狙っている

操作はベッドの宮部分にあるコントローラーで行なう。睡眠前に、スタートボタンを押し、システムをスタートさせる 制御の内容。照明と音響のほか、エアコンなど外部機器との連動も可能

  具体的な動作内容は、睡眠前にはベッド照明が徐々に暗くなり、スピーカーと足元のウーハーからは、“夜のくつろぎを演出する”という音楽が流れる。眠る段階になると、ベッド内部の体動センサーが動きの減少を検知、照明や音楽、テレビなどの室内機器を自動的にOFFにする。

 睡眠中は、照明/音楽はすべてOFFになるが、本体コントローラー部のセンサーが室温の上昇を検知したり、体動センサーが体の動きの増加を捕らえると、“寝苦しい”と判定、自動的にエアコンをONにするという。

 目覚め前は、起床時間10分前から徐々に照明が明るくなり、また、鳥のさえずりや水の流れる音などの自然音もスタート。目覚め後は照明が100%で点灯し、“朝のさわやかさを演出する”という音楽が、スピーカーとウーハーから流れる。さらに、ベッドから離れた後、しばらくすると照明や音楽がストップする。

レスティーノの動作イメージ。まずは、睡眠前に起床時間をセットし、スタートボタンを押す すると、くつろぎの時間を過ごすため、ゆったりとした“夜向け”の音楽が、耳元と足元から流れる。足元のウーハーでは振動も体感でき、体全体を包み込むような感覚が体験できるという 時間が経つとともに、照明と音楽は小さくなっていく。体動センサーが「うとうと」していると感じると、照明や音を自動でOFFにする
就寝中は基本的には全機能がOFFだが、センサーが体の動きや室温を元に「寝苦しい」と判定すると、エアコンが自動的に運転を開始する 起床時間の10分前から、照明が徐々に明るくなる。目覚めの時間が近づくと、小鳥のさえずりや小川のせせらぎなどの自然音が聞こえてくる 起床時間になると、照明が点灯し、スピーカーやウーハーから“朝用”の音楽が流れ、気持ち良い目覚めを促す
マットレスの下に搭載されている体動センサー 足元のウーハーは、写真中央の白いカバーの中に隠れている コントローラー

 これらのプログラムにより、同社では「心地よいお休みとさわやかな目覚めがサポートできる」としている。なお、レスティーノのプログラムは、広島大学大学院総合科学研究科の林光緒教授の指導のもと開発したという。

テストモードで使用中のようす(就寝まで) こちらは起床時のようす
室温と体動の2つのセンサーを搭載。「寝苦しい」と判定されると、自動的にエアコンによる空調がスタートする ホテルに導入された環境制御プログラム(照明・音響のみ)の使用者のアンケート結果では、満足と答えた人が3/4を占めていた。また、寝苦しさと連動して自動で空調することで、エアコンのオフタイマー(2時間)使用時よりも、快適と答えた人が多かった

 マットレスには、シモンズの「ポケットコイルマットレス」を使用。1つ1つのバネが体の凹凸にフィットしやすいため、体圧が分散し、快適な眠りを誘う効果があるという。

 最大消費電力は120Wで、通常時は約30W。音楽は「お休み前」が25曲、「お目覚め」が10曲。マットレスのサイズは110×195×25cm(幅×奥行き×高さ)。ベッド照明には蛍光灯と白熱電球を併用している。エアコンやテレビなどのコントロールは、現在のところパナソニック製のみの対応となる。

マットレスは110×195cm(幅×奥行き)の“ワイドシングルタイプ” ダブルクッションタイプも用意される シモンズのマットレスに採用されている「ボックススプリング」。体圧が分散し、快適な眠りを誘うという


日本人の5人に1人が睡眠に関する悩みを抱える

パナソニック電工 情報機器新事業推進部 リフレッシュ事業推進部 仲島了治 部長
 パナソニック電工の情報機器新事業推進部 リフレッシュ事業推進部 仲島了治部長は、レスティーノを開発した経緯について「日本人の5人に1人が睡眠に関する何らかの悩みを抱えており、厚生労働省の調査でも『眠りが足らない』と回答した人が22%いる」と、睡眠に悩む人が多い状況を指摘。さらに、良い睡眠を取るためには、照明や音楽などの環境要素のほか、運動や食事などの生活習慣、悩みやストレスといった肉体・精神的要因という3つが影響していることから「個人の生活スタイルや性格に依る部分が多く、コントロールするのは難しい。そこで、比較的簡単にコントロールできる環境要素を適切に制御するため研究を進めてきた」(仲島氏)としている。

 なおパナソニック電工では、2008年に光と音で睡眠の環境を制御する「寝室環境システム」をホテル向けに投入しているが、「非常に好評だった」(仲島氏)ことから、レスティーノをホテル市場のほか、個人向け、住設向け市場に販売するという。

日本人の5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えているという。また、平均睡眠時間は年々減少している 心地よい睡眠を送るために、比較的コントロールしやすい“環境要素”に目をつけたという
パナソニック電工では以前から睡眠分野に対し研究しており、今後は事業拡大も狙っている 一般家庭向けには「シモンズ レスティーノ」を展開。ホテル、住設にも展開する

シモンズ 伊藤正文 代表取締役社長
 また、100万円前後という価格については、シモンズの伊藤正文代表取締役社長は「今は価格に厳しい時代だが、眠りに対する関心は、世代を問わず大きい。“睡眠市場”はますます大きくなると考えている。シモンズでは、昇降機能や背上げ機能が付いた、80万円くらいする商品も根強い販売があり、(売上は)落ちていない。必ず売れていくだろう」と、語気を強めた。

 仲島氏も「睡眠は人生の1/3を占めており、非常に長い時間。“快適に眠れる”という価値を提供するというのは、世の中に大きな意味合いを持つ。決してメチャメチャ高いとは認識していない。必ず市場はあるだろうと思っている」と、価格に自信を見せた。




(正藤 慶一)

2009年10月15日 18:11

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