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セレッソ大阪の新スタジアムにフィリップスのLED照明を導入。世界標準のクラブへ
2017年3月9日 18:15
フィリップス ライティング ジャパンは、照明の設計・コンサルティングをサポートするパートナー制度“ライティングパートナー”の日本展開を開始。最初の提携先として、サッカーJ1 リーグクラブ セレッソ大阪とパートナーシップを締結した。
今回の締結では、選手が試合や練習で使用する競技場の照明設計・コンサルティングを行なうほか、試合を盛り上げる照明演出に関するノウハウやソリューションを提供するという。また、チームが管理する、競技場や施設のLED照明化なども段階的にサポートしていく。
初年度は、セレッソ大阪が管理運営する複数の施設に、スタジアム向けの照明「ArenaVision LED(アリーナビジョンLED)」を64台設置。今後、数百台の設置を目標とするほか、2020年までに完成予定の新スタジアムにもフィリップスのLED照明を導入するという。
プレイヤーと観客に配慮した照明。光の演出でエンターテインメント性も
アリーナビジョンLEDは、7種類の配光特性を組み合わせて、フィールドをムラなく照らせる点が特徴。眩しさも抑えており、プレイヤーに配慮した最適な照明環境を提供する。
また、同社のカラー照明で用いる信号を応用しており、照明による演出効果をプログラミングすることも可能。多彩な照明による演出は、見るものの感動と興奮を後押しするという。
ハイビジョン撮影に対応する点も特徴。照明の明るさの最大値と最小値の差異の数値(フリッカーファクター)は、公称値で2%以内としており、ハイビジョン下における超スローモーション映像の際にも、照明のちらつきが気にならないという。国際的な試合を行なうスタジアムに導入するための放送規格や、スポーツ連名の推奨基準もクリアしている。
LED照明を導入することで、選手がよりプレーしやすくなるほか、音楽やアナウンサーの実況に合わせた照明演出ができるようになるなど、エンターテインメント性も持つようになるとしている。
同社は、海外では既にユヴェントス(イタリア)、チェルシー(イングランド)、アトレティコ・マドリード(スペイン)、バイエルンミュンヘン(ドイツ)などとパートナーシップを締結。国際基準を満たす照明の設計・コンサルティングを行なっている。
大阪サッカークラブ株式会社 代表取締役社長 玉田 稔氏は、フィリップスのLED照明の導入について次のように語った。
「現在、3万人規模の新スタジアムの建設を予定しており、そこのLED照明をすべてフィリップス製品にと考えています。地域に根付いたスタジアムを目指し、サッカーだけでなくアメリカンフットボールやラグビーなど、さまざまなスポーツをする人たちに、またお客さんにも、ここでプレーするのが楽しみ、ここで観るのが楽しみと思ってもらえるような場所にしたいです」
照明演出により収益性や稼働率を向上
競技場に照明演出を導入することで、収益性や稼働率の向上にもつながるとしている。同社の技術では、スタジアムの外観をLEDでフルカラー演出することが可能で、虹色やチームカラーなどに調光できる。
フィリップス ライティング ジャパン 職務執行者 社長 林田 健悟氏は、「例えばスポンサーシップに、外観のLED照明を利用することもできます。外観の一部をLEDでコカ・コーラのボトルのデザインにしたり、マクドナルドのハンバーガーを映したりと、そういったPRも可能になります。こうした照明の使い方で、新しいビジネスに繋げられます」と述べた。
稼働率の向上については、制御型照明を使うことで、スポーツだけでなく音楽イベントなどにも利用可能。多目的使用を実現するという。
スポーツ分野の照明製品を拡充。理想的な明るさを確保する「スポーツスターLED」
また、同社は日本でのスポーツ分野の照明事業を拡大するため、製品ラインナップも拡充。野球やサッカーグラウンドなどで、理想的な明るさを確保する「SportsStar LED(スポーツスターLED)」、現行モデルよりもさらに明るい「ArenaVision LED(アリーナビジョンLED)」の2機種を投入する。
スポーツスターLEDは、4つの配光タイプを組み合わせて快適な照明環境を提供するという。「狭角配光」、「対称中角配光」、「対称広角配光」、「非対称配光」の4つの配光タイプを効果的に組み合わせることで、グレア(まぶしさ)や均斉度(明るさのムラを表す指標)に配慮しながら理想的な明るさを確保するという。
これにより、プレー中の選手にとってまぶしさの低減になるほか、観戦している人が照明によってボールが見えなくなるといった不満も解消するという。
IP66の防塵・防水性能を備え、プールなどでも使用可能。電源内蔵タイプで施工性がよく、簡単に導入できるとしている。
設計寿命は50,000時間で、ランニングコストの軽減にも貢献する。器具効率は105lm/Wを実現し、従来の光源と比較して大幅な省エネ効果が見込めるという。
本体サイズは、520×307×680mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は22kg。消費電力は480W。色温度は4,000K/5,700K。
明るさ約20%アップで初期投資コストを削減できる「アリーナビジョンLED」
セレッソ大阪の施設に導入が決定されている「アリーナビジョンLED」は、現行モデルよりも約20%明るさがアップした新バージョンを日本で展開。明るさをアップしているため、スタジアムに設置する照明器具の数量を減らせ、初期投資やランニングコストの削減が図れる。新バージョンの光束は以下のとおり。
Ra90モデル:88,000lm⇒106,000lm
Ra80モデル:99,000lm⇒117,000lm
Ra70モデル:127,000lm⇒132,000lm
また、世界放映基準を満たす照明を実現しているアリーナビジョンLEDを、セレッソ大阪の施設に導入することについて、フィリップス ライティング 林田社長は次のように語った。
「Jリーグのファンは日本だけでなく、海外にもいます。その人達がスマホでストリーミングで見るときに、やっぱり品質の良い画像でみたいという声がありました。選手が目の前で動いているような、躍動感のある映像を届けられるのが、アリーナビジョンの照明です。フィリップスは、セレッソ大阪が目指す、世界標準のクラブ、世界標準の選手といったものを、照明を通して貢献していきます」