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パナソニック、座面が揺れて体幹トレーニングできる「コアトレチェア」

 パナソニックは、体幹トレーニング機器「コアトレチェア EU-JC70」を、2017年2月下旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は30万円前後(税抜)。

体幹トレーニング機器「コアトレチェア EU-JC70」

 チェア型のトレーニング機器。椅子に座って電源を入れると座面がV字に揺れ、反射的にバランスを取ろうとする力によって、体幹の筋肉を効果的に鍛えられるという。アウターマッスルだけでなく、鍛えにくいインナーマッスルまで刺激し、深層の筋肉までアプローチする。

 パナソニック コンシューマー マーケティングジャパン本部 スモールアプライアンス商品部 ビューティ・ヘルスケア商品課 堀 美佳氏は、インナーマッスルのトレーニングについて、以下のように語った。

 「体幹、とくにインナーマッスルが衰えると、姿勢が悪くなる、太りやすくなる、肩や腰の不快感といった、さまざまな不調が現れます。加齢とともにインナーマッスルは弱りやすくなりますが、鍛えようとしても日常的な動作ではない動きが多く、正しい姿勢でできているのかなど不安になり、続かないのが現実です。コアトレチェアは、座ってバランスを取るだけで正しく鍛えられ、リビングチェアとしても使えるので、出す手間がなく気軽にトレーニングを続けられます」

パナソニック コンシューマー マーケティングジャパン本部 スモールアプライアンス商品部 ビューティ・ヘルスケア商品課 堀 美佳氏
座面がV字に揺れて、反射的にバランスを取ろうとする力でインナーマッスルを鍛える

 座面にはエアーバッグを搭載しており、コースの途中で座面が自動で変形。平らな状態で「座ってコアトレ」、座面の中央が盛り上がる「またいでコアトレ」の2通りのトレーニングができる。

 背もたれは5段階に傾斜でき、さらに9段階のスピード変速が加わり、多彩なトレーニングプログラムを実現している。エアーバッグが骨盤を固定するため、座面が動いても安全にトレーニング可能。

 音声ガイドを搭載しており、説明書などを見なくても、ガイドに従って姿勢を整えるだけで正しく使えるという。

エアーバッグにより座面が変形。「座ってコアトレ」と「またいでコアトレ」、2通りのトレーニングができる
リビングチェアとしても使え、インテリアに馴染むデザイン。レッドとブラウンを用意する

サッカー日本代表・長友佑都さんのパーソナルトレーナー監修の自動コースを搭載

 コースは、全身を鍛える「全身コアトレ」、くびれを作る「おなか・ウエスト」下半身を集中的に鍛える「下腹・骨盤底筋」の3つで、それぞれ「強/弱」を用意し、計6つの自動コースを備える。

 これらのコースはすべて、プロトレーナーの木場 克己氏が監修。トレーニング中は座面が変形し、ガイドに従って腰をひねったり、足をあげたりといった動作が加わり、鍛えたいインナーマッスルに効果的に働きかける。

 木場氏は、体幹トレーニングの第一人者として知られており、サッカー日本代表・長友佑都さんや、競泳リオオリンピック日本代表・池江璃花子さんのパーソナルトレーナーも務めている。

自動コースは、プロトレーナーの木場 克己氏が監修
「全身コアトレ」コース
「おなか・ウエスト」コース
「下腹・骨盤底筋」コース

 コースの前や途中には、手をあげて腹式呼吸するプログラムが組み込まれている。これは、腹式呼吸をすることでインナーマッスルに刺激を与えトレーニング効果を高めるほか、手をあげることで姿勢を無意識に整えさせるためだという。

 モニターの調査によると、3週間コアトレチェアを使った結果、体重やウエスト、下腹などがサイズダウンしたという。特徴的なのは、体重があまり減っていなくても、ウエストや下腹のサイズが大幅に減った被験者がいる点。インナーマッスルを鍛えることで、体重は変わらなくても見た目が引き締まるという。

手をあげて腹式呼吸するプログラムも組み込まれている
モニター結果。体重は微減でもウエストなどが大幅にサイズダウンした例も

エアーバッグで腰の筋肉を伸ばす「ストレッチコース」

 このほか、疲れているときや運動後に適した「ストレッチコース」を搭載。4つのエアーバッグが連動し、チェアに体を預けるだけで、疲れの溜まりやすい、腰や骨盤周りの筋肉をじっくり伸ばすという。トレーニング前にストレッチを行なえば、筋肉を適度に伸ばせ、トレーニング効果の向上につながるとしている。

 お好みモードとして、シートの変形やスピード調節を手動で設定することも可能。

筋肉を伸ばす「ストレッチコース」を搭載
操作部。お好みモードも備える

 本体サイズは、70×95×74mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約50kg。消費電力は90W。適応体重は約100kg以下。エアー圧力は約36kPa。本体カラーは、レッドとブラウンの2色。

レッド
ブラウン
インテリアに馴染むデザイン

ターゲットはこれからシニアになる40~50代

パナソニック コンシューマー マーケティングジャパン本部 スモールアプライアンス商品部 部長 岡山 晃久氏

 コアトレチェアの製品化は、今後訪れる“超高齢化社会”が背景にある。現在、日本人の平均寿命は80歳を越え、女性においては今後もさらに伸びる見通しだという。その中で、人工第二のボリュームゾーンである現在の40~50代がシニア世代になる、25年後は人口ピラミッドは逆三角形型になり、超高齢化社会を迎える。

 パナソニック コンシューマー マーケティングジャパン本部 スモールアプライアンス商品部 部長 岡山 晃久氏は、ターゲット層について以下のように語った。

 「コアトレチェアのターゲットは、これからシニアになっていく現在40~50代の人をメインに設定しています。社会保障や雇用形態が変わる中、将来のシニアライフは大きく変化し、生涯現役であることが強く求められると思います。実際、40~50代に、健康管理に関する行動について調査したところ、“適度な運動は重要だと思うができていない”、“実年齢よりも若く見られたい”と思う人が多くといることがわかりました。コアトレチェアは、そういった人たちにも気軽に使ってもらえ、忙しくても無理なく続けられるトレーニング家電と位置づけています」

平均寿命が伸び、“超高齢化社会”が今後訪れるという
適度な運動は重要だと考える人は多い

 会場には、自動コースを監修した木場 克己氏も登壇。インナーマッスルを鍛える重要性について、次のように話す。

 「これまでさまざまアスリートを見てきましたが、トップアスリートでも腰痛になりやすい人がいます。特徴としては、アウターマッスルのトレーニングを優先しており、インナーマッスルが鍛えられていないということです。特に、インナーマッスルのひとつである多裂筋が弱くなると支える力も衰え、転倒しやすくなります。他のインナーマッスルも、衰えると腸が下がり血流が悪くなって冷えを起こすなど、さまざまな不調の原因になります。コアトレチェアは、トレーニングだけでなくドローイングと呼ばれる腹式呼吸や、ストレッチもコースに組み込んでいるので、効果的にインナーマッスルを鍛えられます」

プロトレーナー・木場 克己氏
多裂筋が衰えると転倒しやすくなるという
トレーニング前のストレッチも効果を高める