長期レビュー

パナソニック「加湿空気清浄機&ナノイー発生機」 その1

~最新ナノイー搭載製品2機種を試す!!
by スタパ齋藤

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



 家電Watch編集部から「貴様は仕事に追われて疲労中であり、恐らく仕事場の空気&気分が澱んでいるであろうからパナソニックの空気清浄関連製品を試しなはれ」的なメールとともに、「加湿空気清浄機 F-VXE65」および「ナノイー発生機 F-GME15」が送られてきた。

 む!! 両方ともナノイー(nanoe)搭載。しかも最新型。既にナノイー搭載の空気清浄機を使っている拙者としても興味津々。てなわけで、パナソニックからお借りしたこれら2機種の長期レビューを始めてみたい。

パナソニック「加湿空気清浄機 F-VXE65」パナソニック「ナノイー発生機 F-GME15」

メーカーパナソニック
製品名加湿空気清浄機 F-VXE65ナノイー発生機 F-GME15
希望小売価格オープンプライス
Amazon.co.jp販売価格38,200円18,409円

 各機の主な機能は、「加湿空気清浄機 F-VXE65」がその名のとおり加湿機能を備えた空気清浄機ですな。ナノイー搭載製品で、空気清浄の適用床面積は30畳、加湿空気清浄は17畳となる。なお、加湿は気化式である。

パナソニック「加湿空気清浄機 F-VXE65」本体。適用床面積は空気清浄が30畳、加湿空気清浄が17畳。サイズは390×275×608mm(幅×奥行き×高さ)で、重量が10kgフィルターは10年間交換不要のハイブリット集塵フィルター(手前)と7年間交換不要のスーパーナノテク脱臭フィルターの2重構造本体背面はフラット。吸気は本体前面から、放出は本体上部から上~斜め前になるので、壁ギリギリに設置しても問題なさそうだ
本体に向かって右側面には加湿のための水タンクなどがセットされる右が水タンク。奥に見える加湿フィルターには、たくさんの水を保持しつつ水の気化も素早いフュージョン素材が採用されている。この加湿フィルターは10年間交換不要本体上面に操作部がある。ボタンは6つのみ。シンプルで理解しやすい

 もう1つの「ナノイー発生機 F-GME15」は、空気中にナノイーを放出するためのユニット。ナノイー効果以外の空気清浄機能はとくに持たない。

パナソニック「ナノイー発生機 F-GME15」。ナノイー発生のための装置で、適用床面積の目安は約8畳(13平方m)。サイズは高さ305×幅210×奥行185mmで、重量は2.8kg操作ボタンは運転の切/入のみ。このボタンで電源ON/OFFおよび風量(強/弱の2段階)を操作する空気の吹き出し向きを変えるルーバーは数段階で調整可能(手動)

 さて、両機に共通する機能は“空気中にナノイーを放出する”ということ。てか、ナノイーってナニ!? そのあたりはパナソニックのウェブサイトをご覧いただきたいが、要はカビ菌やウィルスの働きを抑制したり、脱臭効果が得られたり、髪にツヤを与えたり肌の潤いを保つなどなど、イロイロとナイスな効果を持つ超微粒子なのだ。

 実は拙者、もう5年くらいこのナノイー効果の恩恵を受けている。最初にナノイー搭載の空気清浄機を使ったのが2004年5月だが、とくに脱臭について体感できる効果が感じられる。

 これまで経験したところで、具体的にはまず室内の“残り香”がずいぶん減るということ。

 ウチ、猫がいるんですけど、室内飼いで。猫って基本、無臭なんだが、猫の食事、猫のトイレなどで、やっぱり室内に動物っぽいニオイが漂ったりする。ちょっとペットショップ的な? みたいな。ナノイーにより、まずこういうニオイがかな~り減る。そのあたり詳しくは2004年当時のナノイー搭載空気清浄機のレビューをお読み頂きたい。

 ほか、恐らくカビ菌にもかなり効いていると感じる。以前は窓の結露なんかが原因で、サッシの端に黒っぽいカビが発生しがちだったが、ナノイー搭載空気清浄機を使い始めて以降、「そー言えば窓枠のカビ掃除って最近した記憶がないなぁ」みたいな。

 この長期レビューで試す2機種も、そういう効果が期待できるナノイー搭載機。最新のナノイー発生技術は旧型のソレよりも凄いのか!? 空気清浄機としてはどーなのか? あたりに注目しつつ使っていこうと思う。

 

写真は、F-GME15のナノイー発生ユニットの図解。両製品とも、ナノイーの発生には注水が不要となる
 さて、ナノイー搭載機をずっと使ってきた立場でこれら2機種に触れると、イキナリ気づく点がある。拙者が使ってきたナノイー搭載旧型製品は、ナノイーユニットに注水しないとナノイーが発生しなかった。のだが、「加湿空気清浄機 F-VXE65」や「ナノイー発生機 F-GME15」は注水不要。

 ナノイー(の超微粒子)は、その効果のキモであるラジカル/高反応成分を水で包んでいるそうだ。水で包むから、空気中に長時間滞在でき、カビ菌やウィルスやアレルギーの原因物質のトコロまで届きやすいらしい。ともかく、ナノイーには水が必須。なので、ナノイー搭載旧型製品のナノイー発生ユニットには注水の必要があったと思われる。

 が、新型では注水の必要ナシ。うそ~!? ナンデよ? と思って調べたら、ペルチェ素子を採用したらしい!! ペルチェ素子は電気を加えることで加熱や冷却を容易に行なえる素子で、ICチップの冷却やポータブル冷蔵庫なんかにも使われている。

 最新型のナノイー搭載製品の場合、空気中の水分をペルチェ素子により結露させ=水を得て、そこにナノイーを発生させるという方法だったのだ。う~む、かなり進化してる感アリですな。ともかく、以前のナノイー搭載製品の面倒のヒトツであった“ユニットへの注水やユニットの掃除”というメンテナンスが不要になったのは有り難い。

 って細かいことばかり気にしちゃう俺なんですけど、ここで「加湿空気清浄機 F-VXE65」と「ナノイー発生機 F-GME15」の第一印象的な使用感について少々。

 空気清浄効果やナノイー効果についても気になるところだが、通年ずっと使う家電としてはやはりその動作音が重要なポイント。ウルサくっちゃイヤ!! みたいな。

 そんな観点で、まず「加湿空気清浄機 F-VXE65」だが、自動運転時は“いつもは静かでときどきウルサい”というのはほかの空気清浄機と似たようなモノである。が、空気が汚れていないときの静音さは特筆モノ。「動いてないんじゃないのか?」というほど静かだ。

 空気が汚れていないとき(風量「静音」と同等)の具体的な運転音レベルは18dB。加湿運転も加えると多少は騒音が……と思ったが、空気清浄運転のみでも加湿空気清浄運転でも同様の静けさだ。ただし、加湿空気清浄運転の場合、ときどき、タンクに空気が入るポコッという音や、加湿機構部に水がしたたるときの小さなポチャッという音が聞こえる。

 なお、空気が汚れてくると風量が「中」~「ターボ」相当になるが、「中」だとテレビ視聴中でもまあまあ我慢もしくは無視できるレベル。運転音は35dBで、わりと静音な部類だと感じる。しかし「ターボ」だとウルサい。運転音は54dB。掃除機ほどではないが、この音がリビングでくつろいでいるときやテレビ視聴中に聞こえてきたら「うるさいなぁ」と感じる。

 それから「ナノイー発生機 F-GME15」の静音性について。風量は2段階で「強」と「弱」だが、動作音は「強」が34dBで、「弱」が25dBとなっている。どちらもまずまず静かだが、「弱」にしても上記「加湿空気清浄機 F-VXE65」(の静音運転時)よりも少し風切り音が多く聞こえてくる。このあたり、「加湿空気清浄機 F-VXE65」がいかに静音かってのを感じたりする。

 そして肝心の空気清浄機としての効果だが、やはりナノイーが効いているのか、ちょっと意識しているとすぐわかる。拙者的には、どちらも1時間程度動作させておくと、部屋の空気が変わるというイメージ。窓を開けて空気を入れ換えたような感覚で、なんかこう、澱んでいた空気が新鮮になった、みたいな。

 数日使い続けると、あるときに「あれ……あ、空気清浄機か」的に、これまでとは違う部屋のニオイに気づく。いつもの部屋の例の(ある種懐かしいような)ニオイが激減したのを発見。無臭というか臭覚を軽く刺激する存在がなくなったというか、そんな気分に。

 てな感じで、静音性も高く、すぐに脱臭効果を感じられた2機種。出だしは上々だが果たして……と、一応キビシめの視線を向けつつ、さらに使い込んでレポートしたい。今後もご愛読をよろしくお願いいたします~。



その1  /  その2  /  その3



2010年3月1日 00:00