【特別企画】

2012年夏の扇風機トレンドをチェック!

~今年のトレンドはDCモーターとサーキュレーター機能にアリ
by 編集部

DCモーターで省エネ・静音は当たり前!

 今年もまた暑い夏がやってくる。夏家電といえばまず思いつくのはエアコン、次いで冷蔵庫などの涼感を得るものと様々あるが、昔からの定番製品といえば扇風機だ。節電で沸いた昨年は売り切れが続出した製品だけに、各メーカーかなり力を入れている。

 まだ不確実な部分があるものの、地域によっては引き続き節電要請が出る中、キーワードとなるのは省エネ性能。多くのメーカーで省エネ・静音性能に優れたDCモーターを採用している。DCモーターは、従来の一般的な扇風機に搭載されていたACモーターに比べ、回転数が約半分以下で、制御しやすく、出力を抑えた運転が可能。これにより、消費電力を大幅に削減できるほか、運転音も抑えている。

 高機能のDCモーターを搭載したことによるもう1つの特徴が風量調節だ。従来の扇風機ではできなかった「超微風」も再現できるため、DCモーターを搭載する扇風機では少なくとも5段階以上の風量調節に対応している。中でも力を入れているのがシャープのスリムタワーファン「プラズマクラスタースリムイオンファン PF-ETC1」で、最大32段階の風量調節が可能だ。

きめ細やかな制御ができるDCモーターを搭載した「プラズマクラスタースリムイオンファン PF-ETC1」きめ細やかな制御に対応し、最大32段階の風量調節が可能

扇風機から空調機へ。イオン機能やサーキュレーター機能も充実

 もう1つ今年の大きなトレンドの1つが多機能性だ。そのアプローチは各社異なるものの、パナソニックシャープ東芝などの大手メーカーでは独自技術のイオンを搭載したモデルを展開。これらのイオンは除菌や消臭効果を謳ったもので、扇風機を使いながら室内の空気環境を整えるという効果を併せ持つ。

ナノイーイオン搭載の扇風機「リビング扇 F-CH328」専用のリモコンにもナノイーボタンが用意されている同社独自の“ピコイオン”発生ユニットを搭載したタワー型扇風機「ピコタワー F-TP5X」

 また、扇風機以外の機能を搭載するという意味では、サーキュレーター機能搭載を謳うメーカーも多い。サーキュレーターとは室内の空気を攪拌するためのもので、送風によって涼感を得るための扇風機とは構造や送風量が異なる。サーキュレーターは人に対しての送風を目的としないため、本体は送風部分だけで、基本的には床置きで使う。

 では、サーキュレーター機能を搭載した扇風機とは一体どのようなものなのだろうか。まずは、豊富な送風量を兼ね備えたもの。室内の空気を十分攪拌するには、普通の扇風機以上のパワーが必要だ。もう1つ、重要なのが送風の向き。室内の空気を効率的に拡販するためには、真上に対して送風するのが効果的だといわれている。

 これは、室内の温度ムラを解消するため。一般的に、暖かい空気は上の方に、冷たい空気は下の方に溜まってしまう傾向がある。この上下の温度差を解消することがサーキュレーターの大きな目的だ。そのためには、室内の横方向にだけ送風してもあまり意味がないのだ。

 豊富な風量、真上への送風、これらの条件を兼ね備えているのが、シャープの「プラズマクラスター扇風機 3Dファン PJ-B2CS」ユーイングの「Fando UF-DHR30D」など。天井の高い部屋に住んでいる人や、季節を問わず室内干しをするという人にはこれらの製品がおすすめだ。

シャープ「プラズマクラスター扇風機 3Dファン PJ-B2CS」ユーイングの「Fando UF-DHR30D」

風の質にこだわるならバルミューダやダイソンの高級扇風機

 昨年から引き続き、「風の質にこだわった」高級扇風機も注目だ。独自の二重構造の羽根により“自然界の風”を再現しているバルミューダの「Green Fan」では、今年モデルとして、卓上サイズの「GreenFan mini(グリーンファンミニ) EGF-2000-WK」を発売。リビングだけでなく、寝室やキッチンでも手軽に“優しい風”を体感できる。

 また、羽根のない扇風機として知られるダイソンの「エアマルチプライアー」は、卓上タイプ、リビングタイプ、スリムタイプのほか、年間通して使えるが「dyson hot+cool AM04」がラインナップに加わった。羽根がない独自の構造による「塊のない心地良い風」を特徴としており、安全性やお手入れ性にも優れている。

左右は従来の「GreenFan」。中央が新作の「GreenFan mini(グリーンファンミニ) EGF-2000-WK」温風機能を搭載したダイソン「エアマルチプライアー AM04 ファンヒーター」。カラーはアイアン/サテンブルーとホワイト/シルバーがあるダイソン「エアマルチプライアー AM03 フロアーファン」

 国内家電メーカーの高級モデルでも風質にこだわった製品は多い。東芝では、昨年から独自の7枚羽根による「そよ風」を再現したハイエンドモデル「SIENT(サイエント)」を発売。今年モデルとなる「SIENT+(サイエントプラス) F-DLP300」ではピークシフトや屋外での使用を考慮して充電用バッテリーを搭載した。

 日立リビングサプライでは、風が肌に当たる感触がやさしい“8枚羽根”の扇風機「ハイポジション扇 HEF-700HR」今シーズンから投入。羽根が増えたことで風を送り出す間隔が短くなり、肌に当たる感触がやさしい風が実現できるという。

東芝「SIENT+(サイエントプラス) F-DLP300」ピークシフトや屋外での使用に対応するために、充電用バッテリーを搭載する日立リビングサプライでは、8枚羽根の扇風機「ハイポジション扇 HEF-700HR」を発売した

 以上、今年の扇風機のトレンドをざっとまとめてみたがいかがだろうか。もっと細かく、各社の特徴を知りたいという人は下の一覧表でご確認いただきたい。家電Watchではこの中でも注目機種をピックアップ、今後続々レビューしていく予定だ。そちらの方もお楽しみに!


メーカー製品名タイプモーター消費電力希望小売価格実売価格
(yodobashi.com)
東芝SIENT+ F-DLP300リビングDC31Wオープンプライス40,000円
SIENT+ F-DLP200リビングDC22Wオープンプライス30,000円
SIENT+ F-DLP100リビングDC22Wオープンプライス25,000円
リビング扇風機 F-LP10リビングAC35Wオープンプライス12,400円
リビング扇風機 F-LP8リビングAC35Wオープンプライス10,400円
リビング扇風機 F-LP7リビングAC35Wオープンプライス8,760円
リビング扇風機 F-LP6リビングAC35Wオープンプライス7,330円
リビング扇風機 F-LP5リビングAC35Wオープンプライス5,370円
タワー扇風機 F-TP5XスリムAC35Wオープンプライス14,800円
パナソニックリビング扇 F-CH328リビングAC36Wオープンプライス17,600円
リビング扇 F-CH327リビングAC41Wオープンプライス18,800円
リビング扇 F-CH325リビングAC36Wオープンプライス9,880円
リビング扇 F-CH324リビングAC36Wオープンプライス8,260円
リビング扇 F-CH322リビングAC36Wオープンプライス6,620円
シャーププラズマクラスター
スリムイオンファン 
PF-ETC1
スリムDC24Wオープンプライス40,000円
プラズマクラスター扇風機
3Dファン PJ-B2CS
リビングDC14Wオープンプライス22,000円
リビングファン
PJ-B3CXH
リビングDC20Wオープンプライス25,000円
リビングファン
PJ-B3CLL
リビングAC44Wオープンプライス11,100円
日立ハイポジション扇
HEF-700HR
リビングAC40Wオープンプライス12,600円
リビング扇 HEF-70RリビングAC40Wオープンプライス6,870円
リビング扇 HEF-70MリビングAC38Wオープンプライス6,160円
縦型扇風機(スリムファン)
HSF-600
スリムAC23Wオープンプライス11,800円
バルミューダGreenFan2(新色)リビングDC17W34,800円(直販)なし
GreenFan mini
 EGF-2000-WK
リビングDC10W24,800円なし
山善DC 30cmリビング扇風機
YLX-AD30
リビングDC22W19,800円12,800円
DCサーキュレーター
YAR-AD23
サーキュレーターDC18W14,800円7,980円
ツインバードコアンダエア EF-D949BリビングDC30Wオープンプライス19,800円
無印良品扇風機・リモコン付(低騒音ファン)
ハイポジション・R30M-HR-W
リビング全閉形
コンデンサー
モーター
27W8,010円(直販)なし
アマダナ扇風機 NF-227リビングDC30W35,000円(直販)35,000円
±0±0 リビングファン
(DCモータータイプ)
リビングDC25W14,700円なし

 






2012年6月1日 00:00