家電製品ミニレビュー
ライテックス「あかりセンサー付LED電球 C-LED45L」
~暗くなると自動点灯するLED電球
by 伊達 浩二(2013/1/16 00:00)
2つの種類があるセンサー付LED電球
節電を背景としたLED電球のブームも、だいぶ落ち着いてきた印象だ。しかし、ここ数年の製品の進歩は著しかった。
明るさで言えば、ほんの数年前まで白熱電球20W形相当が多かった製品が、80~100W形相当も珍しくないほど、明るくなってきている。
機能面でも、LED電球にセンサーを内蔵した「センサー付LED電球」も製品数が増えている。そのほとんどが「人感センサー」を備えており、周囲が暗くなった状況で、人が通ると点灯する機能を持っている。廊下や階段などに使うと、必要な時だけ点灯して消し忘れがないので、とても節電になる。弊誌でも、何度かレビューしているので、ご承知の方も多いだろう。
今回紹介するのは、赤外線に反応する人感センサーではなく、周囲の明るさに反応する「あかりセンサー」を内蔵したセンサー付LED電球、ライテックスの「あかりセンサー付LED電球 C-LED45L」という製品だ。人感センサー付LED電球とは、異なる用途があり、ある分野では待ち望まれていた製品なのだ。
メーカー | ライテックス |
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製品名 | あかりセンサー付LED電球 C-LED45L |
希望小売価格 | 4,725円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,246円 |
なお、C-LED45Lの光色は電球色だが、光色が白色のC-LED45Nも同じ価格で用意されている。
センサー付きのLED電球には見えない外観
C-LED45Lの外観は、普通のLED電球と変わらない。一般的な人感センサー付LED電球では、電球カバーの中央部にセンサーがセンサーがポツンと付いているのが特徴だが、C-LED45Lの場合はそれがないのだ。明るさを感知するセンサーは、カバーの中に内蔵されている。
LED電球としての仕様は、E26口金に対応し、本体サイズが120×60mm(全長×最大径)、重量が約155g、全光束が300lm(白熱電球20W相当)となっている。20W形相当としては、縦方向に長く大きめのサイズだ。
消費電力は5.5Wだが、待機時でも0.2W消費する。センサーが常に働いているためだ。点灯停止照度は10lx以上とされているので、周囲がちょっと明るいだけで消灯する。
また、LED電球としての寿命は約40,000時間とされているが、「本製品はセンサー部を含む電気機器ですので、4万時間の寿命を保証するものではありません」と注記されている。センサーなどの照明以外の部分は寿命が保証できないということだろう。
なお、電球自体は防水ではなく屋内用と指定されている。屋外の場合は密閉型照明器具にのみ設置可能とあるので、防水カバーのある照明器具でなければ使えない。逆に言えば、カバーがかかった状態でもセンサーが反応するということだろう。このあたりは、実際に設置して確かめてみたい。
夜になったら点灯して欲しい場所に
あかりセンサー付LED電球は、どんな場所で使えば良いのだろう。一言で言えば「人の出入りに関わらず、夜になったら自動的に点灯し、明るくなったら自動的に消灯してほしい場所」だ。
人感センサー付LED電球と異なるのは、暗くなったら人が居ない状態でも点灯する、という点だ。周囲の明るさに基いて点灯と消灯を行なうので、屋外または、屋内であっても窓が近く、外の明るさが分かる場所に設置する必要がある。
たとえば、門扉や玄関などの常夜灯に最適だし、外に接した廊下などにも向いているだろう。
あいにく、自宅マンションには門扉がないので、玄関灯に使えないか確認してみた。我が家の玄関灯は、玄関ドアに横に設置されており、E17口金の白熱電球が下向きに設置されている。カバーは金属製で下方向だけ照らすようになっている。周囲を照らすのではなく、ドアの鍵穴周辺だけを明るくするのが目的の器具だ。
器具がE17口金のため、以前にレビューした「E17口金をE26口金に変換するアダプタ」を併用した。機能的には問題なく動作したのだが、別の問題が発生した。E26口金用のLED電球としても大きめなところに、E17口金用アダプタの長さも加わったので、照明器具のカバーから電球がはみ出してしまうのだ。
さすがに見栄えが悪いのだが、機能的には問題なく動作する。夜になって周囲が暗くなると点灯し、夜が明けて周囲が明るくなると消灯する。狙った通りの動作をしてくれる。しかし、機能的にはとても便利なのだが、あまりにも玄関の見栄えが悪いので、継続して使用するのは断念した。
ちなみに、LED電球自体が発光しているのに、どうやって周囲の明るさを見ているかというと、30分に1回消灯して、その時に周囲の明るさを見ているようだ。
つまり、周囲が暗いと判断して点灯すると、次に周囲の明るさを判断するのは30分後になる。周囲が明るくなったからと言って、すぐに消灯するのではなく、最長で30分間は点灯し続けているのだ。
教訓は「E26口金のフチから電球のてっぺんまで約10cmあるので、器具のカバーからはみ出さないか、事前に確認する」ということだ。ちなみに、E17用アダプタを併用したときは、電球のてっぺんから口金の部分まで約12cmあるので、たいていのE17用電気器具からははみ出してしまう。そしてもう1つ、当たり前のことだが、「E26口金用の器具で使用する」ということだ。
残念ながら我が家では、見栄えの問題で使用し続けることはできなかったが、E26口金を使用する門扉灯や玄関灯を使用しているお宅なら、問題なく実用的だろう。
カバー付きの密閉型器具でも大丈夫
さて、一応実用性が確認できたあかりセンサー付LED電球だが、もう1つ大きな特徴がある。それは、防水カバーのかかった密閉型器具でも使用できることだ。これは、防水型器具の多い屋外の玄関灯などでは必須の機能だ。
今回は、周囲の明るさが調整できるように、浴室の密閉型器具で試してみた。我家の浴室は窓が無く、廊下側のドアを閉めることで、簡単に真っ暗な状態が作れるのだ。
なお、あかりセンサー付LED電球を実際に浴室で使うと、人が居ない状態でも点灯する時間が長くなるので、一般的なLED電球から交換するメリットがない。今回は、あくまで実験として使用しているので、ご了承いただきたい。
まず、設置の段階でカバーの長さが気になった。先程も述べたように、あかりセンサー付LED電球は、大きめの製品が多いLED電球の中でも長さのある製品なので、大きめのカバーでないと収まらないのだ。
幸い、今回使用した器具はカバーが大きめだったのが、比較に使用したLED電球と比べると、かなり大きさが異なっていた。購入する前には、定規でカバーの深さを確認しておいた方が良いだろう。
また、白熱電球や全周囲型のLED電球と比べると、光の方向が限定されてしまう。つまりカバーの根本側のほうが、だいぶ暗くなってしまうのだ。電球を縦方向に設置して、側面から見るタイプの照明器具では、この特徴がはっきりと出てしまうので、事前に確認しておいた方が良い。
今回使用した防水型器具のカバーは半透明の乳白色だったが、あかりセンサー付LED電球の明暗の判断には影響しなかった。透明または半透明のカバーであれば、密閉型器具でも使用できると判断して良いだろう。
ダウンライトには注意が必要
なお、密閉型器具が使えるLED電球は、断熱材施工タイプのダウンライト器具でも使用できることが多いのだが、この製品では使用できないと明記されている。
断熱材施工タイプの器具は「SB/SGI/SQ」などの型番が付いているので、それらでは使用してはならない。ダウンライト器具によっては、外観からは型番が判断できない場合もあるが、その場合は器具の取扱説明書などで確認してほしい。
幸い、我が家のダウンライトは、断熱材施工タイプではなかったので、廊下の隅の明かりで使用してみた。夜になると自動的に点灯して、常夜灯代わりになるので、これはこれで便利だと思う。人感センサー付LED電球とどっちにするかは、廊下の明るさや高さ、自分が居ないときでも常夜灯として点灯していて欲しいか欲しくないかで決めれば良いだろう。日中でも暗いような廊下であれば人感センサー付だし、常夜灯が必要であればあかりセンサー付を選べば良い。
防犯グッズとしての用途も
あかりセンサー付LED電球は、防犯グッズとしても有用だ。つまり、家の中に人が居ない不在状態であることを隠すのに有効なのだ。
たとえば玄関や門扉の灯りが、毎日必ず点灯していれば、不在のときでも他人に気づかれにくくなる。また、玄関がガラス扉の一戸建て住宅などなら、玄関を入った部分の照明にあかりセンサー付LED電球を使うと有効だ。
タイマーなどで設定できる器具に比べて、電球の交換だけで簡単に設置できるのは有効だし、消費電力も5.5Wと少ないので、不在時の電気代ももったいないというほどはかからない。一人暮らしや、家を空ける機会が多い方にお勧めする。
アパート等なら窓際にE26口金に対応した電気スタンドなどを置いておくのも良いだろう。夜になれば、自動的に点灯して、窓際を明るく照らすので、不在をさとられないですむだろう。また、真っ暗な部屋ではなく、外から明かりが見える部屋に帰るのは安心感があるものだ。
ただし大きめなので、使用する器具はE26口金対応で、傘なども余裕のある大きさのものをお勧めする。
改良の余地はあるが、現状でも有用な製品
以上、ご紹介したように、あかりセンサー付LED電球は、用途にはまれば便利な製品だ。明るさがもう少しあって、光が届く範囲が広くなれば、さらに用途が広がると思う。もう一回り小さい本体サイズやE17口金対応製品なども期待したい。
とりあえず、門扉や玄関の照明器具が手動操作で、ほとんど明かりを点けないとか、切り忘れて点けっぱなしになっているという方は、検討すべき商品だ。
ただし、電球内にセンサーを内蔵しているため、多少の制限はある。例えば、ごく近くに2つの器具が並んで配置されているような場所だと、隣の器具の光に惑わされて点灯しない可能性がある。また、深くて透明度が低いカバーの場合では、常に電球が暗い場所にあることになり、ずっと点灯し続けてしまう。
本体サイズが少し大きめという要素も含めて、よく考えてから導入する必要がある製品だ。繰り返しになるが、場所さえハマれば便利な製品であることは保証できる。
1年前に比べて、節電に対する関心が下がってきている印象はあるが、現在でも沖縄電力を除く電力会社では節電を呼びかけている。センサーなどの機械に任せられる部分は任せて、無理のない形で節電を続けてほしいと思う。