やじうまミニレビュー

セイコークロック「SQ761W」

~長針×短針でアナログ風に時刻を知らせるデジタル電波時計
by 伊達 浩二


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


セイコークロック「SQ761W」

 時計の表示について、アナログとデジタルのどちらが好きかというのは人それぞれだが、私はアナログ表示の方が好きだ。

 アナログ時計は、文字盤に刻まれた目盛りと、短針と長針の2つの針が作る角度から時刻を読み取る。現在の時刻を知るためには、一定の知識が必要だ。現在の時刻を知るだけなら、表示を見ればわかるデジタルの方が簡単だし、わかりやすい。

 しかし、アナログ式の場合、目標とする時間との差が、針の角度として表示されるところが良い。たとえば、「8時まで、あと15分」というときに、その15分という時間が目盛りと長針が作る90度の角度で把握できる。目標としている時間と今の分針の位置から、あとどれだけ時間が残っているのかが直感的に感じられ、「これなら間に合う」とか「急がなくては」という判断が、すぐにできる。

 今回紹介するセイコークロックの「SQ761W」という目覚まし時計は、デジタル時計なのに、あえてアナログ式で表示している製品だ。

 


メーカーセイコークロック
製品名Q761W
希望小売価格5,250円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,500円

 

安っぽくなくて、使いやすい

 SQ761Wは、コンパクトなデジタル目覚まし時計だ。本体の幅は15㎝ちょっとで、高さは8㎝もない。重心は低く、安定している。本体は樹脂素材で厚みがある。白い本体の前面は、透明なアクリルカバーで覆われていて格好いい。電源は単三形アルカリ乾電池2本だ。

本体正面。実売3,000円台なのに、安っぽさは感じない本体左半分が丸でアナログ、右半分が四角でデジタル操作部分は本体の右側面と、左裏面に集まっている。右側面には、+/-ボタンとアラームスイッチがある。アラームスイッチは、上にするとON、下にするとOFF
ボタン類は5つ。操作方法は一般的で、他の製品を使ったことがあれば取扱説明書を読まずに操作できる電源は単三アルカリ乾電池2本。本体にはマクセル製が付属していた本体にはやや角度がついている

 液晶は横長で2つに分割されている。左側がアナログ時計、右側の上がカレンダー、下が温度計と湿度計だ。液晶の視野角はあまり広くないが、本体に角度調節機能が付いているため、よく見える位置を選べる。バックライトをつけると、視野角はさらに広くなる。

スヌーズボタンは本体中央部にあるスヌーズボタンを押すと、液晶がオレンジ色に照明される

 SQ761Wは、標準電波を受信して自動的に時刻を合わせる、いわゆる電波時計である。標準電波が受信できるところであれば、乾電池を入れて、そのまま放置しておけば、いつの間にか正しい時刻となっている。

 ビル内などで、標準電波が受信できないときは、手動で時刻合わせをする。電波時計の中にはこれがやりにくい製品もあるが、SQ761Wは、本体の右側面に「+」と「-」のボタンが独立があるので、直感的に操作できる。モード切替などのボタンは、本体の左裏にまとめられている。

 目覚まし時計として、アラーム時間の設定を行なうときは、カレンダーの部分が時刻表示になる。この場合も時刻合わせと同様に、+/-のキーがあるので、操作しやすい。このほかに1分単位で設定できる、60分までのタイマー機能もある。

アナログ表示と多機能を欲張る

 それでは実際に時計のアナログ表示を見てみよう。物理的に針があるわけではなく、液晶によって長針と短針を再現している。2つの針が成す角度によって、時刻を量として把握できるというアナログ式ならではのメリットが感じられる。

 秒針はないが、代わりに文字盤の周囲に60個のドットがあり、それが順番に黒くなっていく。液晶表示でありながら、ちゃんと秒単位まで読み取ることができるのだ。例えば、7時まであと3秒、ということも目で見ればすぐにわかる。

 表示はアナログだが、基本がデジタルなので、アラームをきっちり正確な時刻に設定できるのも良い。アナログの針式では、おおよその設定になってしまっていたからだ。

  ちなみにアラーム音は、“ピピッピピッ”という普通の電子音で、音量調整機能などはない。本体上部のスヌーズボタンを押すと約5分後にもう一度鳴る。本体右のアラームスイッチをオフにすると、完全に止まる。

 ほかに、この製品ならではの良さとしては、カレンダーと温度/湿度が常に表示されているということも挙げられる。特に今の時期のように風邪を引きやすい季節には、温度や湿度を確認しておくことが風邪の予防にも繋がるだろう。


秒針の表示。12時の位置から、1秒ごとに1ドットずつ増えていくタイマー機能の表示。秒針が3時の位置から少しずつカウントダウンする

  一方、ちょっと残念なのは、表示の読みやすさが照明の明るさに影響されることだ。スヌーズボタンを押したとき以外は、バックライトが点いていないので、秒針代わりのドットが見えにくいときがある。とくに暗い場所だと液晶のコントラストが低めなので、液晶と目の角度を調整する必要がある。蓄光式の針 を持つアナログ時計のように、暗闇でも時刻が読み取れる便利さはない。

 また、文字盤の直径は約4cmで大きくないので、ちょっと距離があったり、角度が悪いと時刻が読み取りにくい。卓上やベッドサイドなど、身近な場所に置いたほうが良いだろう。

身近な場所に似合う便利な時計

 アナログ風味を加えたSQ761Wは、普通のデジタル時計に比べて、一風変わった趣のあるデザインなので、手頃な大きさの目覚まし時計として、机の上やベッドの脇に置くのが、この製品には似あっている。本体色も白なので、インテリアを選ばず溶け込むことができるだろう。

一般的なアナログ目覚まし時計(右)と並べたところ卓上に置くと、本体の小ささがわかる

 アナログ表示ならではのわかりやすさ、デジタルならではの精密さを求めている方にオススメだ。





2012年 2月 13日   00:00