やじうまミニレビュー

小林製薬「熱さまひんやりジェルマット」

~敷いて寝るだけでひんやり快適な寝心地
by 但見 裕子


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです




小林製薬「熱さまひんやりジェルマット」
 7月を迎え、湿度も温度も高くなってきた。寝苦しい夜が増えてくる。

 永井荷風の「断腸亭日乗(だんちょうていにちじょう)」という日記には、夏の夜の暑さの表現として「褥暑(じょくしょ)はなはだし」という言い回しが繰り返し出てくる。要は「寝床の中が暑くて寝づらい」ということなのだが、気温の高さと体温で寝具が温まることで、熱に包まれたようないやな感じがよく表れている。


 そういう時にはエアコンをタイマーでかけておいて対応するのだが、室温の下がった涼しい状態で眠っても、明け方にはまた部屋が暑くなっていて、結局“褥暑”の中で目が覚めてしまうこともしばしばだ。また、いわゆる冷え性の人は、うっかりエアコンで冷やしすぎると手足が冷たくなってしまい、気になって目がさえてしまうという話も聞く。

 今回紹介する小林製薬「熱さまひんやりジェルマット」は、普通に寝床に敷くだけで「ひんやり」とした感触が得られ、しかも保冷枕などのように前もって冷蔵しておく必用がないという快眠グッズだ。

メーカー小林製薬
製品名熱さまひんやりジェルマット
希望小売価格4,200円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,200円

パッケージ裏面には“ひんやりメカニズム”が解説されている
 同社のホームページによると、熱さまひんやりジェルマットは使う部屋の温度と、常に同じ温度を保つように作られているらしい。一般的に人間は、33℃~34℃以下のものが体に触れると、ひんやり感じるらしい。いくら夏の暑い夜でも、室温が30℃以上に上がることは少ない。このためマットと体温の温度差でひんやり感じられる、という仕組みだ。

 パッケージの「暑くて寝苦しい夜に」「寝入りを快適サポート」というコピーにもそそられたので、購入した。

 「熱さまひんやりジェルマット」は、小林製薬のロングセラー「熱さまシート」をイメージしたパッケージになっている。念のため熱さまシートをご存じない方のために説明すると、熱のあるときや寝苦しいときに額に張って使用する冷却ジェルシートだ。同様の製品が他社から何種類も出ているが、冷却性能の良さ、はがれにくさなどで性能は群を抜いている。

 マットの表面素材はポリエステルで、すべすべした感触だ。片面には「熱さま」のロゴと、イメージキャラクターである「熱さまファミリー」のイラストがプリントされているが、もう片面は無地だ。サイズは約70×90cm(横×縦)となっている。

パッケージから取り出したマット開くとこのようになる。表面には「熱さまファミリー」のイラストがプリントされている

 重量は実測で1.7㎏と重い。マットの中材の吸水性ポリマーや水が重いのだろう。一般的なシーツ類よりも厚みと固さがあるが、やわらかいので敷いて使う分には気にならない。

 洗うことはできないので、汚れなどが気になったら水拭きをすることが奨励されている。ただ、シーツの下に敷いて使用することになっているので、汚れを心配する必要は特になさそうだ。

 ベッドに敷く前に、縦に敷こうか横に敷こうか、少し迷った。まずはとりあえず縦に、首から背中の全面が当たる感じでセットした。

まずは縦置きでベッドに敷いた基本的には、シーツや布団カバーを上に敷いて使用する

 横になってみると、ちゃんとひんやりとした感じだ。「いきなり冷たい」のではなく、触った面からそっとひんやりする。夏の日盛りに、タイルや敷石などに触ると、じんわりと冷たい。そんな感触だ。

 一晩寝てみたが、体の熱がほどよく吸収されるので、寝床の居心地がいい。同じ姿勢でじっと横になっていると、マットの温度が体温に近づいてきて涼しさがやや減ってくるが、そこで寝返りを打って、まだ温まっていない方に移動すると、新たにひんやり感が得られて気持ちがいい。

 時々寝返りを打ちながら、冷感を味わっているうちにいつしか眠ってしまった。

 朝になってもこの使用感は同じで、長時間使用したためにマット全体に熱が蓄積されるようなことはなかった。

 シーツをはがして、一晩使ったマットの状態を見てみると、まっすぐ敷いていたのが、かなり動いて斜めになっていた。マット自体に重さと体積があるので動きやすいということがまず考えられるが、冷たい場所を求めて積極的に寝返りを打っていたのかも知れない。

個人的には横置きが気に入った。好みで色々な使い方ができるところもうれしい
 翌日は横にして敷いてみた。こうすると寝返りの行き場が広いし、縦に敷いたときよりマットが動かないので、個人的にはこのほうがいいと感じた。「縦で背中全体に使いたい」「横で足の方だけに使いたい」と、好みによって色々な使い方ができるだろう。

 自然なひんやり感が朝まで続いているので、非常に実用的な製品だ。冷蔵庫に入れておく保冷枕のように積極的に強く冷やすのではなく、「温かくならない」「ぬるくない」状態をキープしてくれるものだ。そのため、水を浴びたようなはっきりした冷感を求める人には向かないだろうが、必要以上に冷えすぎない点はポイントが高い。使用後は、そのまま置いておけば、特に何もせずにまた次回同じように使える。予冷やメンテナンスがまったく必要ない手軽さも魅力だ。

 冷えやすい体質の人、体が小さいために体温を奪われやすい子供など、“褥暑”に悩む人におすすめしたい。


2010年 7月 5日   00:00