やじうまミニレビュー
小林製薬「熱さまシート 大人用」
~頭を冷やすにはやっぱりコレ
「熱さまシート 大人用」のパッケージ |
高校生の頃に、冷蔵庫で冷やすだけで何度も使える氷枕「アイスノン」を使い始めた。額を冷やすための「アイスノンベルト」と併用すると、かなり長い時間、頭を冷やすことができた。ゴロゴロとした使い心地は慣れが必要だったが、一人暮らしの時期は、冷蔵庫にアイスノンしか入っていなかったほど愛用した。
そういう微熱歴を持つ人間にとって「熱さまシート」の登場は画期的だった。資料によると1994年のことで、15年も前になる。
初めて見た熱さまシートは、不思議なモノに見えた。湿布薬を厚くしたような布製のシートに、水色の基材が塗りつけられている。透明なシートをはがし、基材の部分を額にあてると、そのままくっついている。
濡れタオルとちがって、かなり長時間にわたって、冷たい感触が続く。また、アイスノンベルトとちがって、軽く柔らかいので、寝るときに邪魔にならない。頭の後側を冷やすことはできないが、こちらは陶器製の枕を導入することで解決した。それから、十数年にわたって、ほぼ毎日、寝るときは熱さまシートを額に貼っている。
商品名 | 熱さまシート 大人用 |
メーカー | 小林製薬 |
購入価格 | 525円 |
購入店舗 | Amazon.co.jp |
熱さまシートは、それ自体が冷たいわけではなく、基材に含まれている水分が気化することで額を冷やすという原理だ。冷感を与えるための薬剤であるメントールが少し配合されている。また、最近の製品では、水色のつぶつぶが配合されているが、これも冷感を与えるためのものと説明されている。
最近は8袋16枚入ったパッケージが多い | 袋を手でちぎって開けると、シートが2枚入っている |
左側が額に付く内側の面、右側が外側。2枚並べると30cm弱ある | シートの基材側には透明なフィルムが貼られており、これを剥がしてから額に貼 る |
一度貼ってしまうと、6~7時間が経過して基材の部分が乾いてくるまで、意識することはない。家族は、熱さまシートを貼った私を見慣れているので、貼ったまま御飯を食べていても何も言わない。まぁ、お行儀の悪さに呆れているだけなのかもしれないが。
勤務先は出版社ということもあって、服装などがうるさくないので、自分の席でデスクワークをしているときは、熱さまシートを貼っていることがある。フロア内の自動販売機やトイレぐらいは、このまま行なってしまう。ちょっと体調が悪く、微熱があるときなどは熱さまシートのおかげで仕事を休まなくてすむので、大変ありがたい。しかし、熱さまシートを見慣れていない人には、包帯や大きな絆創膏のように見えるようで、大変に驚かれてしまったこともある。人前での使用には、慎重を期していただきたい。
シートは大きめなので、男性が使っても額をほぼカバーできる | 袋は2枚入りなので、1枚使ったあとは、口を二重に折り曲げて保存する。乾きやすくなるので、できるだけ早めに使いたい |
長年に渡って、ずっと使っていると、この製品が実に頻繁に改良されていることがわかる。ある時期はメントールの量が多くなり、なんとなく薬臭くなっていた。その時期は、メントールが少ない子供用を買っていたものだ。また、布のほうも厚くなったり薄くなったりしている。ときどきブレはあるものの、だいたい正しい方向に進化していると思う。
熱さまシートの最大の欠点は価格が高いことだ。大人用の12枚入りパッケージ(12枚+4枚に増量しているときもある)で、700円以上するし、以前は安売りをしている店も少なかった。
したがって、ぼつぼつ登場してきた類似品も、片っ端から試してみたが、やっぱり熱さまシートには及ばない。もっとも異なるのが、貼ってから時間が経過したときの状態で、類似品は生暖かくなってしまうものが多い。中には、基材の部分が柔らかくなって、どろっとした感触になったり、剥がれてしまうものもある。また、差別化のために香料を多めに入れているものが多いようだ。たまに使うのであれば良いが、毎日使う身になると、少しの香りでも気になってしまう。また、大人/子供兼用になっていて、布の大きさが小さいものもあった。やはり、額全面が冷えるからこそ快適なのだ。
結局、類似品ではなく、純正の熱さまシートをいかに安く手に入れるか、という話になる。一時は、楽天市場でまとめ買いをしていたが、送料無料にするためには、巨大なダンボール箱1箱分を購入する必要があり、何度かやって懲りてしまった。最近はあきらめて安売りをしている店を探してはまとめ買いをしている。良く探すと12枚入りパッケージで400円を切る店もある。
熱さまシートは成功した製品のようで、強冷用の透明ゼリーや、身体に貼るモノ、無添加のモノ、女性向けに基材の色をピンクにしたものなどバリエーションも多い。自分が貼るよりも、お子さんなど家族のために、という製品だと思うので、用途に応じて選んでほしい。また、お子さんには自分で貼らせるのではなく、人の手で貼ってあげて方が良いと思う。家族を心配して熱さまシートを貼ってあげる気持ちは、絞った濡れタオルを額に載せてくれたころと変わらないからだ。
2009年 9月 30日 00:00
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