やじうまミニレビュー

ガシー・レンカー・ジャパン「ZUMBA」

~ダンスエクササイズ「ZUMBA」をガチで踊ってみた!
by すずまり


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


コアリズム経験者として、気になっていた「ZUMBA」!

ZUMBAの製品パッケージ。ズンバとは“お祭り騒ぎ”を意味するらしい

 今年も夏まで約4カ月。そろそろ体型が気になり始める頃ではないだろうか。そこで、去年からTVを通じてずっと気になっていたエクササイズ「ZUMBA」(以下、ズンバ)を試す機会に恵まれたのでレポートしてみたい。

 「ズンバ」とは、フィットネスインストラクター ベト・ペレス氏によって考案された、ラテン系ダンスとフィットネスエクササイズを融合させたダンスエクササイズ。セクシーなラテンダンスのリズムに合わせて楽しみながら踊っているうちに、「ダンサーのように引き締まったカーヴィなボディライン(ウエストライン、ヒップライン)を実現する」という。

 ラテンダンスを取り入れたエクササイズといえば、先に芸能人などがダイエットに成功したという「コアリズム」が記憶に新しい。こちらのDVDセットは筆者も個人的に所有しており、ダイエット中にはウエストのシェイプアップ兼有酸素運動として活用した。木造住宅ゆえに、全力で踊ることはできないが、腹部への効果はそれなりに経験済み。となれば、やはり「ズンバはどうなんだろう?」と気になってくるわけである。


メーカーガシー・レンカージャパン
製品名ZUMBA
希望小売価格14,800円
購入場所直販サイト


用途別のDVDに、食事メニュー入りガイドブックが付属

 今回購入したパッケージ「ZUMBA 日本語版フィットネスDVD パーフェクトボディセット」に同梱されていたDVDは、プレゼントを含め全部で4枚。オレンジ色のDVDは、ステップを覚えるための「ズンバ ベーシック」と、ZUMBAに慣れるための「ズンバ 20分エクスプレス」。ワイン色のDVD「ズンバ カーディオ パーティ」は、実際に脂肪を燃焼させることを目的としたプログラム。緑色のDVD「ズンバ スカルプト&トーン」はオプションの「トーニングスティック」(長さ30cm、重さ約450g)を使ったエクササイズ用で、紫色は特典DVDで、ライブ映像と、腹筋の引き締めに絞ったエクササイズを収録した「ライブ!&フラット アブス」という構成だ。

 このほかに「トータルボディ ガイド」が1冊付属する。このガイドブックには、「ズンバ 20分エクスプレス」を取り入れた1週間分のトレーニングプログラムと、シェイプアップを目的とした「10日間集中脂肪燃焼プログラム」、トーニングスティックを使ってメリハリボディを手に入れるための「集中引き締めプログラム」などが組まれているほか、代表的なステップ10種類の図解と、効果的にシェイプアップできるという食事メニューが具体的に紹介されている。

4枚のDVDにトーニング スティックが2本、トータルボディ ガイド1冊という構成トーニング スティックは1本450g。DVD「ズンバ スカルプト&トーン」で使用する

 なにはさておき試してみなければ始まらない。加齢と戦うアラフォーの肉体でも踊りきれるのか!? そこでまず1枚ずつDVDに目を通してから、「ライブ!」以外の全てを一通り試してみた。エクササイズを試す際には、先にミニレビューとしてご紹介済みの活動量計「デイカロリ」を腰に装着し、どの程度の運動量として測定されるのかも参考までにチェックしたほか、運動直後の脈拍数も記録した。

 エクササイズ中の写真については、編集部の会議室をお借りして、付属のトーニング スティックを使ったを使った「ズンバ スカルプ&トーン」となっている。

基本ステップを覚えるなら、まずは「ズンバ ベーシック」(全約60分)

ズンバ ベーシックと20分エクスプレスは1枚のDVDに納められている

 まずはステップを覚えねばならない。というわけで、最初にチェックすべきは「ズンバ ベーシック」だ。これにはメレンゲ、ケブラディータ、サルサ、クンビア、レゲトン、カリプソ、サンバのステップがそれぞれ数種類ずつ含まれており、「ズンバ」に登場する全ステップが、ダンスの種類ごとに習得できるプログラムとなっている。1ステップを基本動作から実践までの3段階に分けて解説しているので、初めてでもやりやすい。分からなければ、何度でも同じところを繰り返し試せるのもDVDレッスンのいいところだ。

 ただし60分あるので、全ステップを丁寧に試しているうちにかなり疲れるのも事実。初めてのときは全ステップに集中力を要するため、筆者の場合、後半になると疲れも手伝って注意力が散漫になりがちだった。しかも、運動不足で反射神経が鈍っていると、素早く重心移動ができないステップや、出すべき足がでないといった事態に遭遇する。

 これそのものはエクササイズプログラムではないので、途中で休憩を挟みながらや、1日1ダンス分など分けて試すといいだろう。完全にはできなくても、ここで基本的な動きを体験しておくと、各プログラムを実施する際に動きやすくなることは間違いない。


ズンバに慣れるなら「ズンバ 20分エクスプレス」(全約20分)

 次に挑戦するのが、「ズンバ20分エクスプレス」。これは、「ベーシックプログラム」のステップから、スタンダードなものが集められたという感じのビギナー向けプログラムだ。20分と短いので、これそのものに減量効果を求めるという感じではない。

前夜、大事なデータもろともNASが死亡したにも関わらず、気丈にチャレンジする筆者。余裕の表情だウォーミングアップ編スタートまだまだ足も軽い

 ガイドブックにも7日間プログラムが紹介されているが、「ズンバ」に慣れ、特に体を動かすことに慣れるという点にポイントを置いている。「ズンバ 20分エクスプレス」が楽にこなせるようになると、次で紹介する「カーディオ パーティ」でがっつり動けるような気がする。

<デイカロリによる筆者実測データ>
 消費カロリー:103kcal
 歩数:2,545歩
 活動量:1.7Ex
 脂肪燃焼量:13.8g
 脈拍:81/分

細かいステップにもも上げが加わるさらにパンチが加わるウォーミングアップだけに、まだ余裕だ

本格的にエクササイズするなら「ズンバ カーディオ パーティ」(約50分)

ズンバ カーディオ パーティ

 「ズンバ カーディオ パーティ」は、「ベーシック」で学習したステップの実践版、「ズンバ 20分エクスプレス」の本格版というイメージのプログラムだ。所要時間はなんと約50分! つまり、これを踊ってカロリーをバンバン消費しちゃおうという、「ズンバ」のメインとも言えるプログラムだ。

 取り上げられているダンスは、メレンゲ/ヒップホップ、サルサ、クンビア、アメリカンミックス(カントリ-、ファンク、 ロックンロール)、レゲトン、サンバ、ケブラディータ、カリプソ。最後の約10分はクールダウンに当てられている。中には「ズンバ ベーシック」に含まれないものもあるが、見よう見まねで楽しめばいい。

 「リズムリフレッシャー」 機能がついているので、ついていけないときは一時中断して、「ズンバ ベーシック」でも使われている解説モードを参照しながら確認できる。

 このプログラムは、座っていてもいつのまにか体が動いており、見ているだけでなんだかじんわり汗をかいてくるから不思議だ。とにかく全体的に陽気で楽しい。動かないのはもったいないという気がしてくるのだ。

 ただし、実際50分間踊ってみたところ相当疲れた。「デイカロリ」が示した消費カロリーは239kcalとなっていたが、実際はもっと消費してるのではないだろうか。開始前に明治乳業の「ヴァーム」を飲んだせいか体力的には乗り切れたのだが、汗の出方がハンパではなかった! 室内でこんなに汗が流れていいものかというくらいの発汗量だったのだ。これを続ければ確かになんらかの効果は期待できるかもしれない。

 なお、体力に自信のない方は「ズンバ 20分エクスプレス」で体力をつけつつ、各ダンスの合間に一時停止するなどして、十分休憩を取ったほうがいいと思われる。

<デイカロリによる筆者実測データ>
 消費カロリー:239kcal
 歩数:5,530歩
 活動量:3.7Ex
 脂肪燃焼量:27g
 脈拍:103/分


ウエストを集中的に刺激する「ズンバ フラット アブス」(特典DVD 約17分30秒)

「ライブ!」と「フラット アブス」の2本は1枚のDVDに納められている

 「ズンバ フラット アブス」は、特典DVDに収録されたプログラムで、腹部の引き締めを目的とした構成になっているのが特徴だ。ラテンダンスというよりは、よりエクササイズに近い動きで、所要時間は約17分30秒と短いがかなりハードで汗をかける。(個人的に)瞬発力を必要とする場面が多く、息が切れそうになる場面がときどきあった。リズムに合わせて素早く反応できないこともあり、動かせていない筋肉がまだまだあることに気づかされる。

クンビアのリズムに乗せて腕をトレーニングスクワットしながらトーニング スティックを上下に動かすじわじわと腕に効いてくる動き

 翌朝、着替えるときに腹筋をみたら前日よりくびれて見えた(本当!)。へそを挟んだ両サイドに縦線が入っていたので、かなり効いたらしい。ウエスト周りが気になる方にはいいかもしれない。

<デイカロリによる筆者実測データ>
 消費カロリー:73kcal
 歩数:1,808歩
 活動量:1.4Ex
 脂肪燃焼量:9.8g
 脈拍:86/分


みんなで楽しみながら踊るなら「ズンバ ライブ!」(特典DVD 約55分)

 「ズンバ ライブ!」は、ユーザを呼んで一緒にエクササイズしているライブビデオである。時間は所要時間が55分と長いが、運動しているというより、夢中になっているうちに時間が過ぎていく感じだろうか。ベト・ペレス氏が腹筋を露出したとたん、女性陣の黄色い声が飛んでいるのが面白い。ライブだけにノリノリなのだが、住宅事情により筆者は見学に徹した。

 楽しそうに見えるので「ズンバ 20分エクスプレス」に慣れていれば、概ね初めてでもまねできそうに思えたが、ハードさは「ズンバ カーディオ パーティ」クラスか、それ以上かもしれない。もし友だちを呼んでみんなでエクササイズしたいというときには楽しいだろう。


「トーニング スティック」を使った全身エクササイズ「ズンバ スカルプ&トーン」(約45分)

ズンバ スカルプ&トーン

 付属のトーニング スティックを使ったエクササイズが、全45分の「ズンバ スカルプ&トーン」である。ウォーミングアップ用のヒップホップから始まり、クンビア(腕用)、サルサ(肩用)、ベリーダンス(背中とお腹用)、サンバ、フラメンコ(下半身用)、レゲトン、アフリカンビート(カーディオトレーニング)と続き、クールダウンで終了だ。

 前述の通りいろんなダンスが楽しめるのだが、かなりハード! ステップとしては確かにラテンダンスなのだろうが、全体としては完全にフィットネスエクササイズである。最初は余裕の表情だった筆者だが、サルサのあたりからランニング状態で息も絶え絶え……。「まだはじまったばかりだ!」「これからがズンバの本場よぉ~!」などと言われながら頑張ったが、最後は汗だく。「よくやった。ほんとうだよ。完璧だ!」と言われて放心状態であった。こちらもデイカロリは消費カロリーを233kcalと出したが、実際はそれ以上だと思われる。

ズンバ流ベリーダンスのリズムにのせて、全身にひねりを加える踊りながら1回転。ふざけているわけではない四股立ち状態で体を素早く左右に振りながら、トーニング スティックを引き寄せる。かなりキツイ!

 トーニング スティック自体は1本450gなのでさほど重さは感じないが、終わってから3日間は腕を中心に筋肉痛で、二の腕周辺が特に痛かった。これを毎日続けたらイヤでも痩せてしまいそうだ。アスリート体型を目指すにはいいかもしれない。

「フラメンコ」に移る間に、大量の汗をぬぐう。もはや余裕はないトーニング スティックをリズミカルに足の下で交差する。これが体幹に効きまくり!腕を前後に振りながら、前後左右にステップ

<デイカロリによる筆者実測データ>
 消費カロリー:233kcal
 歩数:5,260歩
 活動量:4.2Ex
 脂肪燃焼量:30.8g
 脈拍:96/分


4カ月あれば「ズンバ」で引き締めも夢じゃないかも

プログラムを終えるとベトに「よくやったよ~!」と褒められるも、「……」と立ち尽くす。経験上、ヴァームのようなアミノ酸、クエン酸系のドリンクで水分を補給しておくと疲れにくい

 パッケージ全体で取り入れられているラテンダンスは、サンバ、サルサ、メレンゲ、ケブラディータ、クンビア、レゲトン、ベリーダンス、アフリカン、アメリカンミックス、フラメンコと非常に多彩だ。

 今回はガイドブックで紹介されているプログラムは試していないが、体験した限りではかなり効果がありそうだ。本気でシェイプアップしたいなら、「ズンバ カーディオ パーティ」や「ズンバ スカルプ&トーン」だろうが、飽きっぽい人は「20分エクスプレス」→休憩→「ズンバ フラット アブス」でトータル約40分のエクササイズという組み合わせもありではないだろうか。

 CMでは“難しいステップを覚える必要がない”という触れ込みだったが、前述のダンスのステップがあるので、実際に覚えることは多いと思う。ただ、“ステップが完成していなくても、自己流で動いても十分運動になり、楽しめる”のが「ズンバ」だろう。

 ただし、全力で楽しむには住宅事情が許さないという現実もある。スペースとしては畳2畳分もあれば可能だが、子供が走り回ると階下に迷惑がかかる環境なら、大の大人が思い切り飛んだり踏み込んだりというのは非常に厳しい。衝撃吸収に優れたマットなども用意したほうがいいかもしれない。

 なお、「コアリズム」との比較だが、「コアリズム」は腹部のエクササイズ色が強く、ペアで踊れるセクシー系、「ズンバ」はワイルドなストリート系ダンスで、全身運動という印象だ。どちらがいいかは好みによるが、ラテンの明るいノリが好きな人、気軽にリズムに乗れるラテンダンスを体で覚えたい人、運動神経も刺激したい人には、「ズンバ」がお勧めかもしれない。いずれにせよ、両者とも習得するとそれなりに実際のダンスにも活かせそうだ。

 輝く太陽の下、引き締まったボディで周囲の視線を集めたい方は、挑戦してみてはいかがだろうか。





2010年 5月 6日   00:00