やじうまミニレビュー

メガハウス「ロールケーキパレット」

~難しい巻き作業も簡単に! 人気のロールケーキが作れるクッキングトイ
by 石井 和美


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


メガハウス「ロールケーキパレット」

 ここ数年ロールケーキが人気だ。デパ地下に行けば有名店のロールケーキに行列しているし、町のケーキ屋さんにも必ずといっていいほどロールケーキが並んでいる。季節限定や、生地やクリームに工夫を凝らしたものなど色々な種類のロールケーキが見られるようになった。

 我が家の子供達もロールケーキが大好きなので、これまでに何度が手作りに挑戦したことがある。ただし、うまくいったのは一度だけ。生地は薄力粉、卵、砂糖などを混ぜて焼くだけなのでとても簡単だ。問題なのは焼きあがった生地を巻く工程。これがどうしてもうまくいかない。

 原因はわかっている。生地がふんわり焼けていないからだ。ロールケーキは生地の泡立ての加減が難しく、生地が固くなりすぎると、割れてしまう。これまで作ってきたロールケーキは、見た目も味もイマイチな仕上がりで、市販のロールケーキとはかけ離れていた。

 そんなロールケーキを、電子レンジで簡単に作ることが可能なクッキングトイ「ロールケーキパレット」を知り、さっそく購入してみた。


メーカーメガハウス
製品名ロールケーキパレット
希望小売価格2,625円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,825円

 ロールケーキパレットではシンプルなロールケーキだけでなく、模様の入ったかわいらしいロールケーキを作ることもできるというクッキングトイだ。子供と一緒に楽しむ製品だけあって、完成するロールケーキのサイズは50×90mm(直径×長さ)で、一般的なロールケーキと比べるとかなり小ぶりだ。

 手作りした時に苦戦した巻きの工程は、ローラーを使って行なうという。

本体(台・ローラー)、リボンバー、トレイ抜き型で模様付きのロールケーキを作ることが可能。星、ハート、音符、花の4種類裏面は、星、ハート、クマ、リボン。合計8種類の模様が作れる
フィルム2枚、ミニしぼり袋4枚。フィルムを本体にセットしてから使用する本体上部のフタをはずしてフィルムをはさむ。もう一方のフィルムの端はローラーにはさんで、ローラーのフタをしっかり閉じておく。フィルムはオーブンシートでも代用可能

 はじめに、薄力粉、卵、砂糖、サラダオイルで生地を作る。薄力粉はふるっておき、全卵は使う1時間前に冷蔵庫から出しておく。クッキングトイではよくあるホットケーキミックスは使わない。材料はシンプルだが、そのぶん生地作りは難しい。

 まず、ボウルに卵を入れてハンドミキサーで泡立てる。この泡立てが肝心だ。ここをしっかりやらないと、ふっくらしたスポンジにならない。次に、あらかじめふるっておいた薄力粉を混ぜ、サラダオイルを最後に入れて混ぜれば完成だ。

 卵1つの泡立てならホイッパーを使って手で泡立てても大丈夫かと思ったが、15分ほどかかるので非常に手が疲れてしまった。ハンドミキサーなら5分とかからず完成するので、電動のハンドミキサーがおすすめ。ハンドミキサーを使えば、生地作りは15分ほどでできる。

 ハートや星など模様が付いたロールケーキを作るには、ここで模様の色となる生地を別に作る必要がある。基本の生地の1/4を別のボウルに移し、食紅などで色を付ける。このとき、混ぜた生地からさらにスプーン一杯分を小皿にとっておく。これは、後から基本の生地を入れたときにズレないように糊代わりに使う。

 模様の色は、ピンクは食紅、茶はココアパウダー、緑は抹茶を使用する。今回は娘が「ハートのロールケーキを作って!」というので、食紅を使ってピンクのハート模様付きロールケーキを作ることにした。

全卵に砂糖を加えてしっかり泡立てる。ここでしっかり泡立てればおいしいスポンジになる基本の生地から1/4を別のボールに移して食紅を混ぜ、さらにそこからスプーン一杯分の生地を取り分けておく食紅で色をつけた模様用の生地をトレイの2mmラインまで入れる

 模様用に作った生地をサラダ油を薄く塗ったトレイに乗せ、電子レンジで加熱する。500W~600Wで40秒ほど加熱すれば完了とのことだが、我が家の電子レンジは加熱ムラがあり、中心部に火が通らず苦労した。途中で取り出し、向きを変えて15秒ほど再加熱した。目安は40秒であるが、電子レンジによって加熱時間は変わるので、様子を見る必要がある。

 電子レンジで加熱した後の生地は、落ち着かせるため、温かいうちにラップで包み、そのまま冷やす。スポンジが冷めたら、いよいよ型抜きだ。型抜きは4つ(裏表で8種類)もあるので、ワクワクする。ロールケーキパレットの対象年齢は8才以上だが、型抜きだけなら5才の娘でもできるので、親子一緒に楽しめた。

電子レンジで加熱した生地は、熱いうちにラップの上へラップで包んで冷めるのを待つ

 型抜きしたスポンジは、さきほど小さじ一杯分とった生地を塗り、塗った面を下にしてサラダ油を塗ったトレイに置いていく。その上から基本の生地を乗せ、電子レンジで50秒ほど加熱すれば完成だ。型抜きスポンジと同じように温かいうちにラップで包み、そのまま冷めるまで待つ。

型抜きをする。かわいらしいハートの形にトキメキ度アップ!型抜きした生地に、取り分けておいた生地をスプーンでまんべんなく塗る塗った面を下にして、トレイの上へ置く。ここがセンスの見せどころ
型抜きした生地の上に基本の生地そっと乗せる。その後、電子レンジで50秒ほど加熱かわいらしいハートの生地が完成生クリームをのせる。巻き始めは多めにのせ、あとは薄くのばして、巻き終わりは塗らない

 いよいよロールケーキ作りで一番緊張する工程「巻き」だ。

 フィルムをセットした本体にスポンジを乗せ、クリームを塗る。ローラーを本体のフックにセットし、リボンバーを溝にはめこむ。この「リボンバー」がフィルムを抑える役割をし、生地を均等に巻くことができる。ローラーを本体に巻いているうちに、リボンバーは自然にはずれる。

本体に生地を乗せる。巻き始めはローラーが側になるローラーを本体フックのセットすると、巻き始めが持ち上がる。フィルムの上からリボンバーをセットフィルムをつけたまま冷蔵庫で30分ほど冷やす

撮影のため片手で巻いているが、本来は両手でローラーを回す。生地は少し厚すぎたせいか、途中で生クリームが横からはみ出てしまった。クルクルッと回すだけであっという間にキレイに巻くことができる

 生地を巻き終わったらローラーからフィルムを外し、フィルムをケーキに巻きつけておく。この後、フィルムを巻いたまま、冷蔵庫で約30分間冷やす。こうすることで生地が落ち着き、冷えてさらにおいしくなるのだという。

 仕上がりは完璧。あっという間に、お店で買ったようなきれいなロールケーキができた。

 サイズは、思ったより小さい印象だが、それがおもちゃのようでかわいらしい。子供の手にぴったりのサイズだ。大人用のロールケーキは大きすぎて小さな子供には食べづらい時があるが、これなら食べられる。ただ、大人と子供が一緒に1本を食べる場合、少々物足りないかもしれない。

 味も思いのほか本格的なので驚いてしまった。ふんわりした食感や、口に入れた時に広がる卵の優しい味は、電子レンジで作ったとはとても思えない仕上がりだ。生クリームだけでなく、ジャムで作ってもおいしいだろう。見た目もカラフルで、かわいらしいので手みやげにしても喜ばれそうだ。

かわいいハートのロールケーキが完成! クッキングトイでこの完成度はオドロキである生地の割れもなく、断面もキレイ

 工程中に注意する点としては、まず、型抜きしたスポンジの裏に塗る、糊がわりの生地をまんべんなくきれいに塗ること。一部だけ塗ると、あとから入れる基本の生地が入りこんで、きれいに模様が出ない。

 もう1つは、レンジで加熱しすないように注意すること。加熱しすぎると生地が固くなってしまう。特に模様用の生地は、加熱が10秒長くてもカチカチになってしまう。加減が難しいので、電子レンジの前で様子を見ながら加熱したほうがよさそうだ。

リボンとハートのロールケーキ。2色にするとさらに華やかな印象だこちらは音符のロールケーキ。抹茶の模様用生地を作ったのだが、抹茶を入れすぎて濃くなってしまった。もう少し淡い緑のほうがキレイだったかも……小さい型より大きめの型のほうが、模様はきれいに出やすいようだ

オリジナルのメッセージ入りロールケーキを作る

 ロールケーキパレットでは、生地に文字を入れたロールケーキも作ることができる。

 基本的な工程は、模様入りのロールケーキと変わらない。生地用、模様用の生地をそれぞれ用意したら、付属のミニしぼり袋を使って文字を書いていく。

 トレイに文字を書いたら、電子レンジで40秒ほど加熱する。その後は模様付きロールケーキと同じように、ベースとなる生地を流し込んで、さらに50秒ほど電子レンジで加熱すれば完成だ。

 生地が膨らんで文字が潰れやすいので、漢字のような難しい文字は向いていない。アルファベットやひらがながおすすめだ。失敗しても、トレイをティッシュでふきとれば書き直し可能なので、いろいろ試すことができる。

ガイドシートにはHAPPYやHELLOなどの文字があり、鏡文字になっているミニしぼり袋を使って模様も描くことができるミニしぼり袋の先は切っておく。細くしておいたほうが文字は書きやすい
ガイドシートの上にトレイを置き、なぞるように文字を書く。あとは型抜きロールケーキと同じだ「スキ」とメッセージを入れたロールケーキの完成だ
ミニしぼり袋を使って、シンプルに線だけ描いたロールケーキ。上にデコレーションをしてもかわいいロールケーキパレットで作ったロールケーキは、手の平サイズの小さなロールケーキだ

後片付けも簡単! 手軽にできるロールケーキマシン

型抜き、リボンバーなど細々とした道具が多いものの、本体にすべて収まるのは便利だ。収納場所もとらず、小さな子供でもきちんと片付けることができる

 生地を作ったり、巻いたりする実際の作業時間はとても短いが、間に生地を冷ます工程があるので、完成までには約1時間ほどかかる。ボウルやハンドミキサー、ふるいなどを洗わなければならない手間はあるが、ロールケーキパレット自体の片付けはとても簡単だ。本体に型抜きなどの小物も収納できるので、収納場所もとらない。

 材料費も安くできるので経済的。電子レンジで加熱し、ローラーを使ってクルクル巻いていく方法も斬新だ。

 何より、見た目のかわいさだけでなく、味もおいしいのに感心してしまう。クッキングトイというと、工程や見た目だけでなく味も子供向けのものが多いが、これなら大人が食べても満足できそうだ。最近のクッキングトイは本当によくできていて、おもちゃといえどもあなどれない。

 ふだんお菓子作りをしていない人でも失敗なくできるので、ぜひロールケーキパレットでかわいいロールケーキを作ってみて欲しい。




2010年 5月 7日   00:00