やじうまミニレビュー
イワタニ「カセットグリル たこ焼器 炎たこ(えんたこ)」
イワタニ「カセットグリル たこ焼器 炎たこ(えんたこ)」 |
関西人と同様に、たこ焼きをおかずにする我が家では、歴代電気式のたこ焼きプレートを使ってきた。しかし「ガス式は化け物か!」と言わせたのが「イワタニカセットグリル たこ焼器 炎たこ(えんたこ)」だ。
炎たこは、イワタニのカセット式ガスを使った卓上タイプのたこ焼き器で、ダイニングテーブルの上に置いて家族みんなで楽しめるというものだ。
メーカー | イワタニ |
製品情報 | カセットグリル たこ焼器 炎たこ |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 5,686円 |
■U字に配置されたバーナーと厚いプレートで屋台を再現
炎たこのバーナーは、カセット式のコンロと違い、写真のようにU字型に配置されている。バーナーの火力は1.9kW。一般的なガスコンロの標準バーナー(だいたい揚げ物用のコンロになっている)は3kW程度なので、それをチョット絞った火力といった感じだ。
製品本体 | U字に配置されたバーナーでプレートを均一に加熱する。燃料からの距離による炎のばらつきはまったく見られない | 炎たこのパワーは、揚げ物用のコンロを1/3~1/2に絞った火力に相当する。 |
単純に仕事量のWで比較すると、電気式が大体900W~大火力のもので1,000W程度なので、このガス式たこ焼き器はその倍の火力があることになる。
そしてバーナーの上にセットするたこ焼きプレートは、アルミダイカスト製だがかなり分厚く重いので蓄熱性もありそうだ。もちろん表面はフッ素加工されているので、焦げ付きの心配もない。
重さは約1kg。総重量の半分はこのプレートの重さという重厚なプレートだ | 穴の大きさは4cmほど。大きめのたこ焼きと言えるだろう。 |
電気式のたこ焼き器は「中はトロトロ外はカリカリ」になりづらい。どうしても「中はフワフワ外がカリカリ」のホットケーキ状になってしまうのだ。おそらく電気式は火力が弱いため、ジワジワと外から中心に熱が入っていってしまうため、中がトロトロではなくフワフワになってしまうのだろう。
満タンのガスを使えば100分以上も連続仕様できるので、たこ焼きパーティーが中断されることもない。重量は2.3kgなのでキャンプに持っていってたこ焼きをするなんてのもオツだろう。
さてスペック的に見ると電気式の2倍の熱量を持つガス式は「外はカリカリ中はトロトロ」を家庭でも実現できそうだが真相はいかに!?
■たこ焼きは準備が大事!
たこ焼きは意外と材料が多いのでお買い物には注意。大量の長ネギがポイント! |
たまごは粉の説明をよく読んで必要な個数を用意しよう。次に大量の長ネギのみじん切りが必要だ。4人家族なら最低でも長ネギ3本は用意したいところだ。そしてコクの決め手のなるのが天カス。写真のように市販されているものより、スーパーの惣菜屋さんなどに頼むとその場で揚げ玉を作ってくれ、価格もリーズナブルだ(だいたい100gぐらいで100円程度)。あおさ粉(青海苔)や鰹節はお好みでいいだろう。また紅しょうがは、みじん切りにしてたこ焼きの中に入れる場合もあれば、焼きあがったたこ焼きに添える場合もある。
味の決め手となるソースは、市販のたこ焼きソースやお好み焼きソースが一番手軽。あっさり味がいいという場合は、大さじ1程度のお湯にダシの素を小さじ半分ほど加え、そこにウスターソースと少量の砂糖を入れてもいい。
これは奥さんが大好きな、スイートチリソース。スーパーなどもで手に入る |
主役のタコは大きめのものを1パック買ってくれば4人前ぐらいはOKだ。ただし居酒屋などで出てくるタコのぶつ切りの半分ぐらいの大きさにして数を稼ぐこと! また食感が悪いと頭を捨ててしまう人もいるが、食感を悪くしているのは内部のプニョ!っとしたところなので、そこを包丁で外せば足と変わらない食感だ。同様に足の付け根(口)の周りにもプニョ! っとした箇所があるので、ここも落としておくといいだろう。
続いて道具もいくつか必要になる。
たこ焼きに必要な道具。液を注ぐ器具は「粉つぎ」というものだ。ネット通販などで探せば千円台で手に入るはず |
ボウルやおたま、泡だて器はドコの家庭にもあるだろうが、とりあえずスーパーなどでも売っている油引きは必須アイテムだ。また雰囲気を出すには「粉つぎ」というたこ焼き液を注ぐ器具も用意したい。これはスーパーでは手に入らないなので、ネットで「粉つぎ」で検索して通販するか、合羽橋などに足を運んでみるといいだろう。面倒だという人は、大きめの紅茶ポッドやコーヒーメーカーのデカンタを使ってもいい。ただし風情は損なわれてしまうが……
またたこ焼きを返す(ピック)串は、太めの竹串がお勧めだ。このたこ焼き器もそうだが、ほどんどがフッ素樹脂加工されているので、たこ焼き屋で使っている金属性のピックは使わない方がいいだろう。
ここまで準備ができたら、たこ焼きの液を作ろう。とはいえ、市販の粉を使う場合は簡単だ。水とたまごを混ぜる、泡だて器でダマにならないようにかき混ぜるだけ。
粉に水と卵を入れる | ダマにならないように、泡だて器でよくかき混ぜよう! | できあがったたこ焼き液は、かなりシャブシャブだがこれでも固まるので心配ない |
できる液は、かなりシャブシャブだか、粉を追加するのは禁物!
■外はカリカリ中トロトロの屋台を再現できるか?
たこ焼き器にガスボンベをセットして、強火でプレートを暖める。十分に温まったところで、油引きを使って各穴に油を薄く引いていこう。
火力調整機能はあるが、たこ焼きの場合は常に最大火力でいいみたいだ | 小学2年生は油引きを担当 |
次に一気にたこ焼き液を穴の半分ぐらいまで流し込む。おたまなどでチンタラやっていると、どんどん焼けてきてしまうので勢いが大切だ。次は長ネギのみじん切りをどっさり、まんべんなく撒いていこう。
ちょっとコツがいるので、中2のお姉ちゃんが液注入を担当。穴と穴の間にもかかるように、どどどーと入れてしまってOK | アニメが始まってしまって、ネギや天カス担当が逃亡!親の管理不行き届きでございます…… | 天カスもザザザ!と撒く感じで |
さらに天カスをまんべんなくふりかけ、好みに応じてかつお節も振り掛ける。最後はもう一度たこ焼き液を穴からはみ出すぐらいにタップリ注ぐ。
たこ焼き液にカツオだしも入っているが、コク出しように追加で投入 | 具材にかかけるようにして、たこ焼き液を再度注入 | こんな感じで隙間が見えなくなるぐらい液を入れること |
この工程はできるだけ素早くするために、家族が居る場合は液入れ、ネギ入れ、天カス、かつおぶしの担当者を決めておくといい。
しばらく待っていると表面のたこ焼き液が少し固まりだしてくるので、串を使って穴の周囲に縦横に切り込みを入れていく。たこ焼きの返しどきは、どれか1つに串を差し込んで強めに「の」の字を書くようにして90度ほど裏返してみる。生焼けだと生地がぐちゃ!っとなってしまうが、火が入ると焼け目の付いた下の分が見えるようになるのだ。
竹串で穴の周りに縦横の切れ込みを入れる | 焼けてきたをチェック!「の」の字を書くように返すのがポイント。写真は、まだ焼きが甘い状態だ | 焼けてきたらまず90度ひっくり返す |
ポイントは一気に180度回転させないこと! まずはすべてのたこ焼きを90度回転させ、次に穴からはみ出ている具をたこ焼きに押し込むようにしてさらに90度回転。
はみ出ている具を穴の中に押し込みながらもう90度ひっくり返す。これが一番難しいかも? | 全部ひっくり返すと、ほら! たこ焼きになった! |
こうするとはみ出た具をたこ焼き1つ1つに戻せるので、まん丸のたこ焼きができるのだ。あとは全体にこげ色が付くように、串でたこ焼きを弾くようにして回転させる。
小学校低学年ぐらいなら、この作業からたこ焼きの返しのテクニックを覚えさせるといいだろう。数回もやれば、難しい最初の90度の回転もできるようになるハズだ。
たこ焼きを家族みんなでおいしく食べるためには、返しのテクニックを家族全員にマスターさせること。コレ超重要案件!「お父さん上手!」なーんて言われて調子に乗って全部自分で作ってしまうと、父はいつまでたっても焼き専門で、冷えたたこ焼きしか食べられなくなるのだ。
だいたい10分もすると完成で、ご覧のようなたこ焼きのできあがりだ。
一度にできるたこ焼きは、20個なので5人家族だと1人4個。これでは少ないので、たこ焼き液担当が液を入れ、ネギを入れる人にバトンタッチ……としていけば、みんなが熱々のたこ焼きが食べられるってものなのだ。そう、家族みんなが不満なくたこ焼きを楽しむためには、システマチックに作業を進めるのが重要なのだ!
さっそく外はかりかり、中はトロトロを確認するときがきた!お箸で割ってみると……
マヨネーズは控えめにしてみた。おいしそうでしょ? | ネギの水分も手伝ってトロトロに仕上がったたこ焼き。電気式だとこうは行かない |
おお! 屋台のたこ焼き屋と同じトロトロの仕上がりだ! 食べてみると外はカリカリで実に旨い! これをおかずにご飯と赤だしの味噌汁で食べることを強く推奨する。
■変わりたこ焼きにもチャレンジ!
オーソドックスなのは、たこ焼きに溶けるチーズや小さくきったお餅を入れるタイプ。タコがなくなったら、チーズやお餅だけでもおいしい。「今日はタコが高いなぁ~」という場合は、トリの胸肉を使ってもおいしい。また水気をよく切ったシーチキンなんかもピッタリ会うので試して欲しい。
こちらは餅チーズ焼き。タコは入っていないが、子供に大人気 | 作り方はまったく同じ | シーチキン焼きもおいしい。ただし水や油をよく切ること! |
最近スーパーでよく見かけるようになった、フライパンで作るからあげの素も便利だ。
しばらくから揚げの素に肉を漬け込んでおく | ころころ転がしながら焼くと、丸いからあげの完成 | 割ってみると肉汁が流れ出すほどジューシーなから揚げに! 旨そー! |
たこ焼きプレートでから揚げが楽しめるというサプライズ!
こんなことをやっていると、たこ焼きパーティーも終わりに近づくと、自由な発想を持つ子供たちが冷蔵庫からいろんなものを引っ張りだしてきて、バーベキュー大会に早代わり。
・焼きもち!
これは誰でも思いつきそうなアイディア |
・ステーキ!マッシュルームまで持ってきやがった!
たこ焼きプレートでサイコロステーキ! やるなぁ~子供たちよ! |
・しょうゆの香ばしい焼きおにぎり!
こ、こんな手もあったか! ポイントは半球ずつ作って最後に重ね合わせること |
・ゲゲゲの鬼太郎の目玉親父っ!?
うずらの卵なら目玉親父も夢じゃないかも? |
着眼点はよかったが、目玉親父はチト失敗。常識に囚われない子供たちに「これで焼けるもの冷蔵子からもってこい!」とコマンドを出せば、両親がビックリするものが作れる。
こんな感じなので、ホットケーキやチヂミなんでのはもちろん、作れる料理は無限大だ。頑張れば、超一口サイズの湯豆腐だって夢じゃない。また丸いケチャップライスやオムライス、冷凍の俵型のポテトなども作れるので、幼稚園の子供に大ウケのお弁当が作れること間違いなし!
火力が強いガス式の「炎たこ」なら手早く熱くなるし、フライパン代わりに使えば料理の幅も広がる。何よりも、本格的なたこ焼きを家庭で楽しめるというのは感動だ。これまで“おうちでたこ焼き”を侮っていた人には是非手にとって欲しい一品だ。
2010年 2月 1日 00:00
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