やじうまミニレビュー
シービージャパン「FLEUR Silicon TAJINE POT」
■流行のタジン鍋が、高さわずか5cmの収納しやすいサイズに
厚さ約5.5cmの箱に入った「FLEUR Silicon TAJINE POT 20cm バレンシアオレンジ」 |
とんがり帽子のような、円錐形のユニークなフタを持つタジン鍋が流行っているらしい。タジンとは、モロッコのじっくり煮込んだシチューのことだそうだ。水が貴重な地域なので、水でグツグツ煮るのではなく、具材の水分や油を利用して煮込む。その際、蒸発した水分を逃がさず、水滴化して具材に戻すのが、あの不思議な形のフタの役割だとか。できあがったらフタをとって、そのままテーブルに出せるというので便利そうだし、素材の旨みが凝縮していそうな、濃厚な味わいが想像できる。
使ってみたい気はしていたが、いかんせん収納場所が一杯。しかもあのフタの高さはかなり難しい。というか、おそらく飽きたら邪魔になることウケアイ。おまけに陶器だと、何かの拍子に割ってしまうかもしれないと思って見送っていた。すると、この悩みを同時に解消するキッチンウェアが出てきた! それが「FLEUR Silicon TAJINE POT 20cm(フルール シリコン タジン ポット。以下、シリコンタジン鍋)」である。
メーカー | シービージャパン |
製品名 | FLEUR Silicon TAJINE POT 20cm |
希望小売価格 | 2,625円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,507円 |
届いた製品の箱の厚みは、たった5.5cm。どういうことかといえば、シリコン製のフタがグニュリと潰れ、裏返して本体に重ねてあったのだ。フタのツマミ部分をひっぱると、元のフタの形に戻るという仕組み。シリコンの柔らかさを利用した、ナイスアイデア! おかげで、高さ約16cmのタジン鍋が、わずか5cm程度の高さになるので、引き出しなどにしまえる。
タジン鍋としてのサイズは、248×225×160mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約500g。本体(皿部分)の深さは約30mm程度だろうか。シリコン製なので柔らかく、耐熱温度は-40℃~230℃までOK。要するに、電子レンジでもオーブンでも使え、冷凍も冷蔵も可能な、割れないタジン鍋というわけだ。
「タジン鍋」としての状態。高さ約16cm | フタのツマミを上から押すと、このように凹む |
ツマミを押し込んだフタは、裏返して本体に乗せると、高さ約5cmになる | お皿としても使える本体。深さは約3cm | フタには穴が3つ開いている |
製品の他に、縦横10cm程度の小さなレシピ集が付属する。タジンは初めてだったので、このレシピ集を参考に調理しながら、その使い勝手をチェックしてみた。
■誰でも手軽にできる「もやしと豚バラのたんたん蒸し」
1品目は蒸し料理の定番ともいえる、もやしと豚バラ肉を使った「もやしと豚バラのたんたん蒸し」。もやしを本体に敷き詰め、上に豚バラ肉を載せたら、塩、胡椒、酒をかける。あとはフタをして電子レンジで3~4分加熱。加熱後さらに3分蒸らしたら、最後に香菜を載せ、タレを回しかけて完成だ。今回タレは市販のゴマダレで代用した。
トータルの所要時間は10分程度。簡単なのにおいしい! タレの味さえしっかりしていれば、ほぼ失敗がなく、おかずにもなれば、お酒のつまみにもなる便利な一品だ。
「でもこれ、シリコンタジン鍋でなくてもできるよね」と言われてしまえばそれまでなのだが(苦笑) シリコンタジン鍋は、タジン料理だけでなく、定番の電子レンジ蒸し料理にも使えますよ、ということだ。
ちなみに、直接火にかけられる本来のタジン鍋のフタには穴はないらしいが、「シリコンタジン鍋」には3つの穴が開いている。電子レンジの特性上、多少中の空気を抜かないと、膨張してフタが飛んだりずれたりしてしまうのだろう。
なお、「シリコンタジン鍋」は、電子レンジ、オーブン、冷凍/冷蔵庫、食器洗い機は利用できるが、直火やオーブントースター、スチームオーブン、IH調理器などには使えないので注意しよう。
材料は豚バラ肉ともやし。誰でも簡単に作れる | もやし、豚バラ肉の順で敷き詰め、上から酒、塩、胡椒を | フタをする |
電子レンジへ。機種によっては入らない可能性もあるので、要チェック | 加熱調理が完了 | 香菜とタレを回しかけて完成。香菜が苦手な方は、ネギなどの別の薬味でもよさそう |
■スープがたっぷりの「チキンとじゃがいものタジン」
タジン鍋だけにやはり「タジン」を作らねば! というわけで、レシピにあった「チキンとじゃがいものタジン」を作ってみた。材料は、鶏もも肉1枚、じゃがいも2個、玉ねぎ1/2個、ミニトマト8個、塩、オリーブオイル、クミンシード、パプリカパウダー、カレー粉、ミント適量。
一口大にカットし、20分ほど下味をつけた鶏もも肉に、カットした野菜やミニトマトを加えてよく混ぜる。具材をシリコンタジン鍋に移したら、上からオリーブオイルを回しかけて、フタをして9分間加熱、そのまま5分蒸らして、ミントを散らしたらできあがり。
加熱中、キッチンからおいしそうな香りが流れてきて、思わず香りを嗅ぎに行ってしまった。蒸らしたあとフタをあけると、エスニックない~い香り! 加水していないのに、肉と野菜から出た水分で、スープがたっぷりできている。特にコンソメなどは入れていないのに、コクがあって旨み十分。
よく混ぜた材料を「シリコンタジン鍋」に移す | レンジで9分加熱し、5分蒸らしたタジン |
タイムの葉を散らして完成 | 閉じ込められた水分から、香り豊かなおいしいスープがたっぷりできていた |
あまりのおいしさに、全部食べてしまった。鍋でコトコトに煮るシチューやスープもいいが、あっと言う間にできる電子レンジのタジンもあり! カレー粉はもっと入れても良かったかも!? (後で確認したら、本来小さじ2杯入れるはずのカレー粉を、1杯しか入れてなかった可能性が浮上……)
「もやしと豚バラのたんたん蒸し」はビールや日本酒向きだが、このタジンはワインなどの洋酒に合いそうだ。身近な材料で作れるので、誰かの部屋で飲むときは、材料に下味をつけた状態の具材と、シリコンタジン鍋を持参してもいいかもしれない。現地で電子レンジをちょっと拝借すれば、できたてのタジンをみんなで味わえるし、テーブルがかなり賑やかになると思う。
加熱調理直後の「チキンとじゃがいものタジン」 |
■温めから蒸し煮まで、幅広く使える便利なアイテム
蒸し料理の他に、電子レンジでちょっと温めたいおかずがあるときにも、このシリコンタジン鍋は活躍してくれた。普通のお皿の上のおかずを直接温めるときは、フタだけ乗せてもOKだ。ラップの使用頻度が減るのでありがたい。しかも、フタをしておけば、乾燥しにくく冷めにくいという特典付きである。単に「タジン鍋」としての存在を超えた便利なアイテムなので、一家に1つあってもいいんじゃないかと思うほどだ。
すでに他のシリコン製スチーマーをお持ちの場合は、機能が重複するのではと悩むかもしれないが、「シリコンタジン鍋」のほうが、その形状からも「具だくさんスープ」や「鍋」など、煮込み料理に向いている。調理中に生じる水分量や、量、容器の形などで使い分ければいいだろう。
2010年 10月 4日 00:00
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