やじうまロングレビュー
安くて、ちゃんと使えるBICの4枚刃カミソリ
by 伊達 浩二(2013/10/7 00:00)
カッコイイ実用品を作るメーカー
BICは、フランスのメーカーで、ボールペンやライターなどは日本の店頭でもよく見かける。
特に4色ボールペンはBICを代表する製品で、重厚な万年筆やシルバーに光るボールペンとは別の意味で、その人の人となりを表現するぐらいポップなデザインだ。
そのBICが、替刃交換式のT字カミソリ(シェーバー)を、日本でも出すという。これまで日本では、使い捨て型のディスポーザブルタイプの製品で3枚刃までだったが、今度は4枚刃の替刃式なので、T字カミソリの主戦場に参入することになる。
ちなみに、私は知らなかったのだけど、ディスポーザブルな製品を含めると、BICは世界でも指折りの大手シェーバーメーカーなのだそうだ。
メーカー名 | BICジャパン |
---|---|
製品名 | BIC FLEX4 |
希望小売価格 | 630円 |
購入場所 | ドラッグストア |
購入価格 | 630円 |
本体も替刃も抑えめの値段
FLEX4の特徴は、次の4つだ。
1)替刃が交換できる
2)国内向けのBICシェーバーとしては珍しい首振りタイプ
3)刃の1枚1枚も個別に動く
4)アロエベラとビタミンEを配合したスムーサーが付いている
1で良いのが、替刃の値段が安いことだ。パッケージは4個入りだけで735円に設定されている。4個入りで1,000円以上、8個入りで2,000円以上という、5枚刃クラスの替刃の値段に慣れていると、かなり安く感じる。本体の値段も630円と安く、これで値段がこなれてきたらと期待したくなる。
2は、ディスポーザブルタイプで多い固定ヘッドから、替刃式では一般的なヘッドが動くタイプに変わった。
3は、替刃の1枚1枚の可動性が高く、シェービングする対象の微妙な凹凸に合わせて動くため、一回の動作でスムーズにそり上げることができるという。
4は、BICのディスポーザブルタイプでは、おなじみの機能で、肌荒れを防ぐ効果があるという。このスムーサーの減り方を見ていると、替刃の寿命が把握しやすいというメリットもある。
ゴールドとシルバーを基調にした男っぽいパッケージ
パッケージは、ゴールドとシルバーを基調にした男っぽいデザインだ。ライバルメーカーのパッケージにも似ている。替刃式カミソリの世界は、こうでないと売れないのかもしれないが、ちょっとBICっぽくないのが惜しい。
ブリスターパッケージから取り出した本体は、樹脂製の軽みを活かしたデザインで、実用的だ。BICのディスポーザブルタイプは、グリップの部分が細くて直線基調だったが、FLEX4のグリップは太めで曲線的なデザインだ。グリップには大きく「BIC」のロゴが入っている。
スムーズで違和感のない剃り味
いつものように、固形石鹸で泡を立ててからヒゲを剃ってみる。
グリップの構造は3つの部分に分かれている。表面が平らな部分は滑りにくい柔らかい素材、ザラザラとした部分は少し柔らかい素材、楕円形の部分はすべすべした硬い素材になっている。
グリップの形が曲線なので、どう持つか、最初は迷うが、指をすべり止め加工された部分に沿わせると良い。そうするとしっかり握れる。また、グリップの形に沿って握ると、刃がどっちを向いているのか分かりやすく、剃っているときに迷うことはない。
ヘッドの動きもスムーズで、アゴの下を剃るときも、ちゃんと追随して剃り残しなく剃れる。さすがに、刃の1枚1枚が動いているかどうかまではわからないが、ヘッド全体の追随性は良い。
本体は軽い。乾電池が入る振動式のカミソリに慣れている人には、ちょっと軽すぎるように感じるかもしれないが、グリップがしっかり握れるので慣れると思う。全体的に使いやすく、剃り味に不足はない。他社製シェーバーのユーザーが、いきなり使っても戸惑うことなく使えるだろう。
とりあえず、一緒に買った替刃がなくなるまで試してみる気持ちになった。
もっとBICらしいインパクトがほしい
FLEX4は、よく出来た製品で、他社のT字カミソリから移行しても、ほとんどの人は不満を抱かないと思う。コスト面では有利なので、高価な替刃を買うたびに負担を感じていた人は、ぜひ試してみると良いとおもう。
ちょっと残念なのは、パッケージや本体のビジュアル面で、BICらしさがあまり感じられないことだ。BICのロゴを隠してしまうと、他社の製品と違いがわかりにくい。せめて配色だけでも、オレンジとライトグレーだけではなく、イエローとかグリーンのバリエーションが欲しい。
例えば、BICのディスポーザブルタイプシェーバーで、毎日ヒゲを剃っていると言えば、それが「変わった人だなぁ」という感想であっても、人の評価を変えるインパクトがある。ぜひ、この替刃式シェーバーも、そういう存在に育ってほしいと思う。