LED電球、どれを買う?
第5回:NECライティング「LIFELED's (ライフレッズ)」
~器具は選ぶが明るさはダントツ
●銀色に輝くメカニカルなLED電球 : NECライティング「LIFELED's」
NECライティング「LIFELED'S(ライフレッズ) ELL6L-100V」 |
電球色のラインナップは60Wタイプの「ELL6L-100V」のみで、40Wタイプは発売されていない。電球の3/4は放熱のためのヒートシンクに覆われており、外見はメカニカルな印象だ。アイリスオーヤマの「ECOLUX(エコルクス)」に似ている。
Amazon.co.jp上の価格は3,480円(10月5日購入時点)。調光器、密閉型器具には対応していない。
シリーズ名 | LIFELED'S(ライフレッズ) |
品番 | ELL6L-100V |
実売価格 (Amazon.co.jp 10月5日時点) | 3,480 円 |
口金タイプ | E26 |
全光束 | 270 lm |
消費電力(記載値) | 6W |
色温度 | 記載なし |
定格寿命 | 40,000時間 |
※平均演色評価数 | Ra80 |
調光器対応 | - |
密閉型器具 | - |
※色彩の再現度を示す値。100に近いほど再現度が高い
【基本スペック編】
●サイズ比較
電球の直径は60mmとLED電球の中では平均的だが、高さは105mmと特に低く、コンパクトな印象。“くびれ”もあり、シルエットは白熱電球に近い。
しかし、銀色に輝くメカニカルなデザインは、白熱電球のイメージとは大きくかけ離れている。また、樹脂製の光源部は半透明で、LEDが透けて見えるのも独特だ。
【ライフレッズ】 高さは105mm(右)で、白熱電球よりも11mm高い。ヒートシンク部の割合が大きく、“メカニカル”な印象を受ける。重さは156gとLED電球の中では平均的 | 【ライフレッズ】 直径は60mm(右)でやや太め。樹脂製の光源部分から中のLED基板が透けて見える |
●光の広がりかた
スポットライトのように、一定方向に光が広がっているのが特徴的だ。白熱電球のような拡散性は見られないものの、照射角度は90度前後とまずまず広く、しかも遠くまで光りが届く。一方、ソケット方向にはほとんど光が届かないため、白熱電球らしい雰囲気は望めないかもしれない。
【白熱電球:60W】 ソケットぎりぎりまで明るいため、床面に近いところから、電球を中心に光が広がっている | 【ライフレッズ】 白熱電球のように、電球の回りに球形に光りは拡散しない。スポットライトのように直線的な光を放つ。そのため光は遠くまで届くが、ソケット方向へは光りがほとんど回っていない |
●器具に取り付けたようす
電球の背が低い分、器具の奥の方に収まりバランスは良い。しかし、そのメタリックな外見もあって、見た目は白熱電球のイメージとは大きく異なる。
【白熱電球:60W】 電球の端がちょっと覗いている程度で撮影 | 【ライフレッズ】 ヒートシンクが短く器具とのバランスは良いが、光源部分がメタリックでかなり異質な雰囲気。白熱電球とは大きく異なる |
●明るさ(55cm直下の照度)
直下照度は545lxと、LED電球の中で明るさはダントツに高い数値だ。他社でも400lx以下のものが多い中、その明るさは特筆に値する。テーブルいっぱいに光が届いているのも良い。
【白熱電球:60W 800lx】 | 【ライフレッズ 545lx】 |
●省エネ性能
同クラスのLED電球の中でも明るいにもかかわらず、消費電力は実測で5Wと低かった。年間の電気代は、わずかながらも抑えられるだろう。
【白熱電球:60W 56W】 | 【ライフレッズ 5W】 LED電球の中では最も消費電力が低い |
製品名 | 白熱電球 (三菱電機オスラム製) | NECライティング LIFELED'S(ライフレッズ) |
品番 | LW100V57W2PZ (2個パック) | ELL6L-100V |
定格寿命 | 1,000時間 | 40,000時間 |
1日8時間使用した場合の寿命 | 125日 (約4カ月) | 5,000日 (約13年8カ月) |
1年間で必要な電球個数 (365日 x 8時間÷定格寿命) | 2.92個 | 0.073個 |
電球一個の値段 | 71.5円 | 3,480 円 |
実測消費電力 | 56W | 5W |
1日の電気代 | 9.8 円 | 0.8円 |
1年間の電気代の目安 | 3,577 円 | 365 円 |
1年間の電球代の目安 | 209 円 | 254円 |
1年間の維持費 (1年間の電球代+電気代) | 3,786 円 | 546円 |
※消費電力はワットチェッカーで測定
光は広がらないため、白熱電球のような光は望めない。しかし、ダントツに明るく、遠くまで光が届きやすいのは魅力的だ。しかも、消費電力は5Wと少ない。
【実使用編】
ここからは、家庭の中でどのように見えるかを、実際の器具に取り付けて見てみる。なお、密閉型器具での使用はできないため、風呂場、密閉型のインテリアライトの使用シーンは掲載しない。
●玄関
光が拡散しないため、光源に近いドア付近には直接光が届かない。しかし、床面にはしっかりと届いているので、十分に実用的といえそうだ。
【白熱電球:60W】 床面まで光が届き、十分な明るさがある | 【ライフレッズ】 光源が近いドアの上部付近には直接光が届きにくいものの、実用的な明るさは十分に得られている |
●トイレ
実用的で十分な明るさが得られる。指向性の強い光のため影は濃く落ちるが、白熱電球よりも“煌き感”があり、スッキリとした輝きがある。そのため、他のLED電球よりも清潔感が高く感じられた。
【白熱電球:60W】 明るく気持ちよく過ごせる | 【ライフレッズ】 白熱電球と比較すれば暗めだが、快適な明るさがある。スッキリとした“煌き感”も感じる |
●リビングルーム (全体照明)
透過タイプのシェードに取り付けた場合、器具が「まだら」に光るため、インテリアとしてはふさわしくない。また、器具を透過する光が部屋全体にまわりにくいこともあり、部屋の上下に大きな明度の差ができてしまった。部屋の雰囲気はシャープな印象となるが、器具の特徴が活かされない。光が届いている所は十分に明るく、色味はとても良いのだが、正直に言ってあまり向いているとは言い難い。
一方で、非透過タイプのシェードでは好印象。白熱電球と違って天井面に直接光は届かないが、光が届くところは明るく、光色も良い。もちろん、器具が「まだら」になることもない。これはこれでアリだろう。
【白熱電球:60W×2透過タイプのシェード】 光が部屋全体に行き渡り十分な明るさが得られている | 【ライフレッズ×2透過タイプのシェード】 光が届いている場所は十分に明るく色味も良いが、器具全体に光りが回らないのは痛い。部屋の上半分が暗くなってしまった |
【白熱電球:60W×2非透過タイプのシェード】 十分な明るさが得られ、コントラストのある空間になっている | 【ライフレッズ×2 非透過タイプのシェード】 シェード自体は光を通さないため、透過タイプのような不自然な印象にはならない。これはこれでアリだろう。ただし、天上面に光は届かない |
●リビングルーム (間接照明)
間接光として利用すれば、柔らかな光りが部屋全体に行き渡る。白熱電球よりも照らし出されるものの影が強めに出る傾向があるため、例えば植物のシルエットを壁にくっきりと映し出すなど、インテリア的な遊びも期待できる。
【白熱電球:60W】 間接照明としては少し明るすぎるか | 【ライフレッズ】 特徴的な直進性の強い光だが、壁面からの反射光により、部屋全体に光が柔らかく行き渡る。影の強さも、インテリアとして利用できそうだ |
●食事の風景
白熱電球に近い光色で食べ物全体がとてもおいしそうに見える。色の再現性が良く、陶器の青味がかった白色、卵の白身の差もきちんとわかり非常に良い印象だ。煌き感があり、食卓が華やいで見えるのは好印象。色味を気にするシーンでの使用にも大変お薦めできる。ただし、光を通す透過タイプの器具の場合、その見え方が大きく変わってしまうのが難点だ。
【白熱電球:60W】 全体的においしそうに見える | 【ライフレッズ】 食事をするのに十分な明るさが得られ、しかも偏った色被りもないため、食べ物がとてもおいしそうに見える。色味を気にするシーンでも十分活用できるだろう |
●照明器具は選ぶが明るさはダントツ。演色性と明るさを両立したいシーンに
電球の見た目、光の拡散性に大きなクセはあるものの、LED電球の中ではダントツに明るく、遠くまで光りが届く。また、演色性も非常に良いので、白熱電球と取り替えても色味の変化は全く気にならない。また、他社のLED電球には見られない、クリアタイプの白熱電球やハロゲンライトが持つ「煌き感」も特徴だ。
セードが透過している器具ではお勧めできないが、そうでなければ、食卓や玄関、トイレなど、家庭のさまざまなシーンに利用できる。絵画やコレクションを照らすスポットライトなど、演色性と明るさを両立したいシーンにもちょうど良いだろう。
光を透過する陶器のシェードに一般的なLED電球を取り付けた場合、全体が柔らかく輝くが……(写真では三菱電機オスラム「パラトンA55」を使用) | 一方ライフレッズでは、シェードにほとんど光りが回っておらず、器具が暗く、まったく別のものに見えてしまった。光りを通す器具には向かない |
2009年12月2日 00:00
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